CFP(カレッジフットボールプレーオフ)ナショナルチャンピオンシップのプレビュー第2弾となる今回は両チームの注目の選手をご紹介します。
対戦するアラバマ大とジョージア大にはそれぞれ将来のプロ候補選手がゴロゴロしており、そんな彼らの見本市としても十分楽しめる試合となりそうですが、その中でも特に試合を行う上でその流れを変えてしまいかねない選手たちを厳選。1月10日の本番ではぜひこれらの選手に注目して観戦してみて下さい。
目次
アラバマ大
ブライス・ヤング(QB)
今季アラバマ大ディフェンスを牽引するスーパー2年生のブライス・ヤング(Bryce Young)。正QBとして出場するのは今シーズンが初のルーキーではありますが、それを微塵も感じさせない活躍でチームのタイトルゲーム進出に大いに貢献してきました。昨シーズンは開幕前にマック・ジョーンズ(Mac Jones、現ニューイングランドペイトリオッツ)からあわよくば先発の座を奪うかと言われていましたがそれもうなずける話です。
正確なパス、ポケット内での異常なまでの冷静さ、ディフェンスを読む力、球離れの速さ、それらに加えて適度な機動力もあり、割と小柄ながらここまで数々のスコアリングドライブを演出してきました。その活躍度から個人賞としては最高峰と言われるハイズマントロフィーを受賞しています。
ブライアン・ロビンソン(RB
今年4年生のブライアン・ロビンソン(Brian Robinson)はこれまでダミアン・ハリス(Damien Harris、現ニューイングランドペイトリオッツ)、ジョシュ・ジェイコブス(Josh Jacobs、現ラスベガスレイダース)、ナジー・ハリス(Najee Harris、現ピッツバーグスティーラーズ)といった層の厚いRB陣のなかで出番を待っていた選手。そしてついに今季RB1として先発出場しここまで1275ヤードに14TD(ラン)を記録してきました。
特に前試合であるコットンボウルでのシンシナティ大戦ではアラバマ大RBとしてはボウルゲーム史上最高となる204ヤードを足で稼ぐ活躍。シーズン後半に負った怪我も完全回復したようで良い勢いでこのタイトルゲームを迎えます。
ジェミソン・ウィリアムス(WR)
今季オハイオ州立大から転校してきたジェミソン・ウィリアムス(Jameson Williams)は昨季のスターだったデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith、現フィラデルフィアイーグルス)とジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle、現マイアミドルフィンズ)の抜けた穴をバッチリ埋めてきました。
今季ここまで1507ヤードに15TDと転校生ながらいきなりチームのリーディングレシーバーに急成長。その俊足さは今季全米WR界隈でもトップクラスです。同じく1000ヤードレシーバーであるジョン・メッチー・III(John Metchie III)が膝の怪我で戦線離脱を余儀なくされたため、これまで以上にウィリアムスへの期待度が高まります。
イヴァン・ニール(OL)
今季ナンバーワンOLと目されるのがイヴァン・ニール(Evan Neal)。今シーズンQBヤングのブラインドサイトを任され彼を死守し続けてきた頼れる巨漢は過去にLTだけでなくRTやガードポジションのプレー経験もあり汎用性並びに経験値の高い逸材です。
前回のジョージア大戦では全米最強と言われたフロントセブンの波状攻撃を彼を中心としたOL陣のパスプロでヤングを守り結果そのディエフェンスから41得点も獲得する影の立役者となりました。今回の再戦でも同じくジョージア大ディフェンスを制することができれば来るNFLドラフトで彼が高順位で指名されることは間違いありません。
フィダリアン・マティス(DL)
今季アラバマ大DL陣で一際その存在感を出していたのがフィダリアン・マティス(Phidarian Mathis)。スタンスからの立ち上がりが素晴らしくハンドテクニックで相手OLを躱すのが非常に得意。またその機動力からゾーンブロックにも柔軟に対応でき、どこまでもQBを追いかけることの出来る相手にとっては嫌な選手です。
またランに対しても効果的なタックルを繰り出すことができ、ランアタックが得意とされるジョージア大に対して彼の力は必要不可欠となるでしょう。
ウィル・アンダーソン(LB)
今季最高のLBという呼び声高いウィル・アンダーソン(Will Anderson)。彼が量産したQBサック数(17.5)とタックル・フォー・ロス(TFL)の数(33.5)は共に全米ナンバーワンの記録。特にTFLにおいては次点の選手の数が22であることからも以下にアンダーソンの数字が飛び抜けているかが分かります。
まだ2年生だというのにここまでの仕事をやってのけたのは末恐ろしいですが、その彼がパスラッシュだけでなく二列目において君臨してくれているからこそアラバマ大のランディフェンスが全米でもトップクラスに位置しているわけです。縦横無尽にフィールドを駆けるアンダーソンが再びジョージア大オフェンスに立ちはだかります。
ジョーダン・バトル(S)
アラバマ大は近年マーロン・ハンフリー(Marlon Humphrey、現ボルティモアレイヴンズ)、ミンカー・フィッツパトリック(Minkah Fitzpatrick、現ピッツバーグスティーラーズ)、エディ・ジャクソン(Eddie Jackson、現シカゴベアーズ)、ゼイヴィアー・マッキニー(Xavier McKinney、現ニューヨークジャイアンツ)と多くの逸材DBを排出してきましたが、このジョーダン・バトル(Jordan Battle)もそのエリート軍団の仲間入りを将来果たしそうな選手です。
サイズ的にはすでに超カレッジ級。ゾーンカベレージではその高いフットボールIQとスピードで相手との距離を詰めるのがうまく、マンカベレージでも持ち前の運動神経の高さで球際の強さを見せます。またランディフェンスにおいても非凡なタックルスキルを持ち合わせており、オールラウンドなセーフティーだと言えます。来るNFLドラフトでも注目の選手となるでしょう。
ジョージア大
ステソン・ベネット(QB)
ジョージア大のQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)はここに至るまで紆余曲折あった苦労人です。
ジョージア大が前回全米王座決定戦に出場した2017年にウォークオン(非スカラシップ選手)として同校に入部したベネットでしたが、このシーズン後に出場機会を求めて短大へと転校します。2018年に先発QBとして活躍したあと再び転校することを決意しますが、その先に選んだのが古巣のジョージア大。ジョージア大はQBジャスティン・フィールズ(Justin Fields、現シカゴベアーズ)がオハイオ州立大へ転校してしまったためQB陣が手薄となっていたのです。
2019年はジェイク・フローム(Jake Fromm、現ニューヨークジャイアンツ)のバックアップを務め、2020年シーズンを迎えるにあたりベネットは第4番手のQBに位置していましたが、ジェイミー・ニューマン(Jamie Newman)が新型コロナのパンデミックのためオプトアウト、サザンカリフォルニア大からの転校生J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)は怪我からの復帰が遅れ、さらにドゥワン・マティス(D’Wan Mathis)が絶不調に陥ったことでベネットが先発に起用されることになりました。彼はシーズン終盤にダニエルズが復帰するまでジョージア大の先発QBを任されたのです。
そして今季、開幕時はダニエルズが先発QBでしたが、序盤に再び怪我で戦線を離脱。その間にベネットが先発を務めることになり、以来ダニエルズの怪我が治ったあともそのまま先発の座を守り続けています。
パサーとしてのポテンシャルはダニエルズのほうが上だと思いますが、ベネットの機動力にコーチ陣は惚れ込んでおり、また小柄ながらパスの精度もそれなりに高くチームメートからは「メールマン」のあだ名を拝命。多くのファンがアンダードッグであるベネットのシンデレラストーリーの結末に注目しています。
ザミアー・ホワイト & ジェームス・クック(RB)
ジョージア大の強力なランゲームを請け負うのはザミアー・ホワイト(Zamier White)とジェームス・クック(James Cook)です。
ホワイトはこれまで2度も膝の靭帯(ACL)を断裂しましたがその度強くなって復活。今季はここまで772ヤードに10TDを積み重ねてチームのリーディングラッシャーに。一旦穴を見つけると一気にスピードを上げて走り抜けるそのスタイルは魅力的です。
クックはかつてフロリダ州立大でプレーし現在ミネソタヴァイキングスに所属するRBダルヴィン・クック(Dalvin Cook)の弟。今季はホワイトのローテ要員として起用されましたがここまで651ヤードに7TDを記録。1キャリーあたりのヤード数はホワイトを上回る6.1ヤード(ホワイトは5.3ヤード)を誇ます。またオレンジボウルのミシガン大戦ではチーム最多となる112レシーブヤードを記録。汎用性の高さを見せつけました。
ブロック・ボワーズ(TE)
今季1年生ながら正TEの座を獲得しここまでチーム最多レシーブヤードとなる846ヤードに12TDを量産した将来有望な選手。今季見た中ではダントツで才能のあるTEだと個人的には感じます。
TEという大きなフレームの割にWRのようなキャッチ能力を誇るボワーズはスピード力も備えており、相手DBにとっては悪夢のミスマッチとなります。スピードに乗ればタックルしても中々止めることが出来ず、今季WRジョージ・ピッケンズ(George Pickens)を怪我で欠いたジョージア大レシービング陣で台頭。前回のアラバマ大戦では敗戦の中139ヤードに1TDを奪って一人気を吐いていました。今回のタイトルゲームでも彼が大いに活用されることでしょう。
ジョーダン・デーヴィス(DL)
身長6フィート6インチ(約198センチ)に340パウンド(約154キロ)という超巨漢のジョーダン・デーヴィス(Jordan Davis)はその体型に似つかない身体能力で今季全米の度肝を抜いてきました。今季ソロとアシストの合計で30個のタックルに2つのQBサックを記録してきましたが、その数字以上の働きをフィールド上で披露し続けてきました。
そのパワーとスピード故相手OL陣は頻繁にデーヴィスにダブルチームを仕掛けましたが、そのおかげでデヴォンテ・ワイアット(Devonte Wyatt)やトレイヴォン・ウォーカー(Travon Walker)といった他のDL選手たちが次々とタックルを決めるという結果に繋がっており、まさに一人で複数人分の働きをこなしていると言える超カレッジ級DLです。
ナコビ・ディーン(LB)
上に挙げたアラバマ大LBウィル・アンダーソンと並び称される今季を代表するLBがこのナコビ・ディーン(Nakobe Dean)。チーム最多となる68個のタックル、10.5個のTFL、6個のQBサックを記録。またパスブロックも5つ、QBへのプレッシャーも25回、さらにはパスINTも2個計上するなどジョージア大最強ディフェンスの司令塔として君臨。
レギュラーシーズン後にはその年のベストLBに贈られる「バットカス賞」を受賞し、オールアメリカン(一軍)にも選出されるなど押しも押されぬLBに成長。NFLドラフトに早期エントリーすれば第1巡目間違いなしとも噂される逸材です。
デリオン・ケンドリック(CB)
今季クレムソン大から転校してきたデリオン・ケンドリック(Derion Kendrick)は新チームに加入して間もなくその潜在能力を如何なく発揮。 開幕時にはスターティングCBとして先発メンバーに入りました。
今季ここまで38タックルに3パスブロックを記録。そしてパスINTではチーム最多となる4つを獲得してきましたが、彼が最高に光ったのはオレンジボウルでのミシガン大戦。5タックル、1TFL、そして極めつけは2つのパスINT。このパフォーマンスでケンドリックはオレンジボウルのディフェンスMVPに選ばれました。
このナショナルタイトルゲームではアラバマ大WRウィリアムスとの対決が予想されこのワンオンワン勝負も見ものとなりそうです。
数字で見る選手比較
🚨朗報🚨
今年は「日テレジータス」でこのCFPナショナルチャンピオンシップゲームが生放送されますよ!是非この機会にこのビッグゲームを日本で観戦してみてください!
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🏟CFP全米王座決定戦プレビュー🏟
— Any Given Saturday (@ags_football1) January 7, 2022
プレビュー第2⃣弾は注目の選手たちの紹介。対戦するアラバマ大とジョージア大にはそれぞれ将来のプロ候補選手沢山いますが、その中でも特に試合を行う上でその流れを変えてしまいかねない選手たちを厳選しました。
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