#10 マイアミ大 vs #6 ミシシッピ大
🇺🇸 1月8日7:30PM ET | 🇯🇵1月9日9:30AM
🏟️ ステートファームスタジアム(アリゾナ州グレンデール)
2026年1月8日、アリゾナ州グレンデールのステートファームスタジアムにて、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)準決勝の舞台となるフィエスタボウルが開催されます。第10シードのマイアミ大(12勝2敗)と第6シードのミシシッピ大(13勝1敗)が激突するこの一戦は、全米王座決定戦への切符をかけた、全米中の注目を浴びる熱戦となることが期待されています。本記事では、この注目のマッチアップについて、スタッツや詳細ななストーリーライン、そして注目ポイントなどを交えて解説します。
目次
スタッツ比較
| #6 ミシシッピ大 | #10 マイアミ大 | |
|---|---|---|
| 得点数 | 37.6 | 31.6 |
| 失点数 | 20.3 | 13.1 |
| トータルオフェンス | 496.2 | 405.6 |
| パスオフェンス | 315.9 | 253.6 |
| ランオフェンス | 180.3 | 152.0 |
| トータルディフェンス | 338.5 | 285.1 |
| パスディフェンス | 194.0 | 201.1 |
| ランディフェンス | 146.1 | 84.0 |
| ターンオーバーマージン | ±0 | +12 |
| 3rdダウンコンバージョン成功率 | 44.3% | 45.8% |
| 3rdダウンコンバージョン阻止率 | 64.9% | 68.6% |
| レッドゾーンオフェンス | 85.5% | 89.7% |
| レッドゾーンディフェンス | 84.2% | 77.4% |
概況
今回のフィエスタボウルは、両プログラムにとって初のCFP準決勝進出という記念すべき一戦です。マイアミ大は、準々決勝でディフェンディングチャンピオンのオハイオ州立大を撃破し、12チーム制プレーオフ導入後、2桁シードチームとして初めて準決勝に進出するという歴史を塗り替えました。対するミシシッピ大も、難敵ジョージア大を劇的な僅差で下し、その勢いのままグレンデールに乗り込みます。
この対戦は、失点数全米4位という鉄壁の守備を誇るマイアミ大と、得点数全米10位という爆発的な攻撃力を有するミシシッピ大の「矛と盾」の対決という側面を持っています。1951年以来、実に75年ぶりとなる両校の対戦は、カレッジフットボールファンにとって見逃せない必見のバウトとなるでしょう。
主な見どころ
カーソン・ベックの「リベンジツアー」
2025年1月にジョージア大から転校してきたQBカーソン・ベック(Carson Beck)にとって、このシーズンは自分自身の力を証明するためのリベンジツアーでもありました
ベックにとって、昨シーズン(2024年度)は試練の年でした。ジョージア大の先発として期待されながらも、シーズン後半に調子を落とし結果12個ものパスINTを記録。最後は右肘の怪我でプレーオフ欠場を余儀なくされました。「大舞台に弱い」という厳しい声の中、彼はNFLドラフト入りを遅らせ、マイアミ大への転校という大きな決断を下したのです。
マイアミ大のQBカーソン・ベック
そしてマイアミ大のユニフォームを着たベックは、別人のような輝きを見せています。ここまで獲得したパスヤードは3313ヤード、TD数は27、そしてパス成功率はACC(アトランティックコーストカンファレンス)でトップとなる74.4%と期待に応えるパフォーマンスを見せ続けています。
そして、つい先日行われたCFP準々決勝。全米2位の前年度覇者・オハイオ州立大との一戦(コットンボウル)は、まさに「リベンジツアー」のハイライトでした。この試合でベックは派手なスタッツこそ控えめでしたが、前半に13回連続パス成功という驚異的な記録を樹立。王者の守備を冷静に崩して下馬評を覆し24対14で勝利。 マイアミに史上初の準決勝進出をもたらしました
今回の準決勝の相手であるミシシッピ大に勝てば、ついに悲願の全米王座決定戦。マイアミにとっては2001年以来、ベックにとっては自分の能力を疑ったすべての人たちを見返す絶好のチャンスです。
「Swagger」の完全復活へ
「マイアミ大はいつ復活するのか?」 ここ20年、全米のカレッジフットボールファンが繰り返してきたこのフラストレーションにも似た疑念に対するアンサーがついに出される時が近づいています。
かつて1980年から2000年初頭までカレッジフットボール界を席巻したマイアミ大はその荒くれ様から彼らのスタイルは「Swagger」と呼ばれていました。しかしBig EastカンファレンスからACCに移籍した2004年以来、彼らは全米の檜舞台から遠かったままでした。
そんな中、今季はここまで12勝2敗という成績を収め、プレーオフ準々決勝(コットンボウル)で前年度王者オハイオ州立大を24対14で撃破。今、マイアミ大は再び「全米で最も恐れられるチーム」となりつつあります。
その最大の要因は現HCマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督体制によるチーム作りが遂に実を結んでいるという事実があります。母校の復活のためにオレゴン大から移籍し2022年度シーズンからチームを指揮してきた彼は、長らく燻っていた古豪復活という大きなタスクを任されることになります。
マイアミ大のマリオ・クリストバル監督
以来中々結果が出ないシーズンが続きましたが、強力なパトロンによるNIL(Name/Image/Likeness)の軍資金を使ってトランスファーポータル経由で逸材を勧誘することに成功したり、リクルーティングでも有能高校生を獲得することに成功し、ロースターの底上げに余念がありませんでした。
またクリストバル監督は、自身のバックボーンであるライン戦の強化を徹底。今季OL陣は全米屈指のサイズと経験を誇り、オハイオ州立大戦でも相手を上回る153ヤードのランを演出。DL陣ではルーベン・ベイン・Jr(Rueben Bain Jr.)らを中心とした強力なフロントセブンが、プレーオフ2試合で計12個のサックを記録。「スピードのマイアミ」に「パワーのマイアミ」が加わったことが、復活の鍵となりました。
2025年から就任したコーリー・ヘザーマン(Corey Hetherman)守備コーディネーターの影響も無視できません。 昨シーズンの課題だった「勝負どころでの失点」が今季劇的に改善。CFPの1stラウンドでのテキサスA&M大戦では相手をわずか3点に抑え込み、続く準々決勝戦では強力なオハイオ州立大を24点(今季最少)に封じ込めた守備は、まさに全米トップレベルのユニットです。
このフィエスタボウルでミシシッピ大に勝てば、地元マイアミで行われる全米王座決定戦への切符を手にします。かつて全米を席巻した「Swagger」軍団が、2001年に全米制覇を成し遂げた時以来となる、24年ぶりの歓喜を地元に持ち帰る日が近づいています。
ゴールディング新監督の手腕
レギュラーシーズン終了直後、名将レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督がルイジアナ州立大へ電撃移籍するという衝撃のニュースが走りました。誰もが「これでミシシッピ大は終わりだ」と思ったはずです。しかし、そのピンチをチャンスに変えたのが、新HCに昇格したピート・ゴールディング(Pete Golding)監督でした。
ミシシッピ大のピート・ゴールディング監督
ゴールディング監督はもともと、名門アラバマ大でニック・セイバン(Nick Saban)氏の下でディフェンシブコーディネーターを務めた守備のスペシャリスト。キフィン氏がミシシッピ大のHCに就任した際に同大のDC就任を打診されて移籍。そして2025年11月30日に正式にヘッドコーチに就任すると、わずか数週間でチームを完全に立て直しました。
驚くべきは、そのプレーオフでの戦いぶり。まずファーストラウンドでのトゥレーン大戦では相手をほぼ完封する圧勝で駒を準々決勝に進めます。その準々決勝戦(シュガーボウル)では全米屈指の強豪ジョージア大と対戦。激しい乱打戦の末、39対34で劇的な勝利を飾りました。監督としてのキャリアを、いきなりCFPでの2連勝という最高の形でスタートさせたのです。
複数のコーチがキフィン氏と共にルイジアナ州立大へる去るという混乱の中、ゴールディング監督は「このチームは選手たちのものだ」と語り、空中分解しかけていたチームの団結力を高めました。 主力選手のザヴィアン・ハリス(Zxavian Harris)も「あの人(=キフィン氏)のせいで自分たちのシーズンを無駄にはさせない」と語るなど、ゴールディング監督の下でチームは「反骨心」を武器にした最強の集団へと進化しています。
ゴールディング監督の強みは戦術だけではありません。2024年に全米1位のサック数を記録したディフェンススキームを踏襲し、今季も重要な場面で相手を沈黙させています。また、就任直後にもかかわらず、2026年クラスで全米トップクラスのWRジェイス・マシューズ(Jase Matthews)ら逸材リクルートの獲得に成功。早くも「ゴールディング時代」の基盤を築いています。
「レーンゲイト」の混沌を最強の団結力に変えたゴールディング監督。彼がこのまま全米王座まで駆け上がるのかに目が離せません。
注目のマッチアップ
マイアミの強力DL陣 対 ミシシッピ大のOL
マイアミ大のDL陣は、ルーベン・ベイン・Jrとアキーム・メシドー(Akheem Mesidor)の両エッジラッシャーを筆頭に、プレーオフ2試合で12サックを記録するなど圧倒的なプレッシャーを誇ります。準々決勝のオハイオ州立大戦では、相手のラン攻撃を45ヤードに抑え込むなど、フィジカルな強さで相手OL陣を圧倒しました。
マイアミ大のルーベン・ベイン・Jr(#4)とアキーム・メシドー(#3)
一方のミシシッピ大のOL陣はシーズン序盤は負傷者に苦しみましたが、現在はディエゴ・パウンズ(Diego Pounds)やジェイデン・ウィリアムズ(Jayden Williams)らを中心に、非常に結束の固いラインを形成しています。シュガーボウルでは、ジョージア大の強力なフロントセブンを相手に39得点を挙げる攻撃を支え、その実力が本物であることを証明しました。
ミシシッピ大QL陣が機動力のあるエースQBトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)を守り抜き、パスを投げる時間を確保できるかどうか、もしくはそんなチャンプリスにマイアミ大DL陣がプレッシャーをかけ続けてリズムを崩すことが出来るか、これらの点が注目ポイントです。
両チームのRBアタック
ミシシッピ大およびマイアミ大には今季カレッジフットボール界でも指折りのRBが健在です。
マイアミ大のRBマーク・フレッチャー・Jr(Mark Fletcher Jr.)は、プレーオフ2試合連続で100ヤード以上のランを記録しており、現在チームのオフェンスの主役です。対するミシシッピ大の守備陣はラン阻止率が全米65位(1試合平均146.1ヤード)と幾分苦戦しており、マイアミ大が地上戦でゲームクロックをコントロールし、ミシシッピ大の得点力の高い攻撃陣をベンチに釘付けにできるかが焦点となります。
ただ、ミシシッピ大のディフェンスは試合の第1Qだけで見ると平均3.53ヤードしか許しておらず、試合開始直後のラン攻撃を完全に封じ込める傾向があります。逆に言えば後半バテてランを許してしまうとも言えますので、後半の地上戦が鍵となるかもしれません。
一方、ミシシッピ大のRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)は2年生にしてチームの絶対的エースとなり、今シーズンは歴史的な活躍を見せ続けています。今季のトータルランヤードは1464ヤードで獲得したTD数はスクールレコードとなる23個。キャリー数もスクールレコードの295回とまさに馬車馬の活躍を見せてきました。100mを10秒79で走る圧倒的なスピードと、210パウンド(約95kg)の体格を生かしたパワーを兼ね備え、特にレッドゾーンでの強さは驚異的で、一度ゴール前まで運べば確実にTDを奪う力があります。
ミシシッピ大のキーワン・レイシー
そのレイシーに立ちはだかるマイアミ大のランディフェンスは、クリストバル監督が築き上げた全米トップクラスの数字を誇っています。1試合平均で相手に許したランヤードはたったの83.4ヤードでこれは全米4位の数字。直近のコットンボウル(オハイオ州立大戦)では、相手のランをわずか45ヤードに抑え込み、相手RBがスピードに乗る前に2列目でしっかり仕留めるシーンが目立ちます。
「全米4位のランディフェンス」vs「スクールレコードを塗り替え続けるエースRB」。必見のマッチアップです。
ミシシッピ大レシーバー陣 対 マイアミ大セカンダリー
パスオフェンスで全米3位(1試合平均315.9ヤード)を誇るミシシッピ大は、上記のレイシーの走りと共に空中戦でも相手の脅威となります。今一番波に乗っていると言えるハリソン・ワレス・III(Harrison Wallace III)やシュガーボウルで活躍したデジョーン・ストリブリング(De’Zhaun Stribling)など、500ヤード以上のレシーブ記録を持つ選手を5、6人も擁し、どこからでもビッグプレーを狙えます。彼らを操るQBチャンブリスのパスアタックは、一瞬で試合をひっくり返す破壊力を持っています。
このダイナミックなレシーバー陣を迎え打つマイアミ大セカンダリーですが、彼らは2024年シーズンに弱点のユニットといったレッテルを貼られました。今季はここまで全米40位となる1試合平均201ヤードと昨年からの進歩がしっかりと確認できます。
彼らはコットンボウルでオハイオ州立大の強力なレシーバー陣を封じ込めたことで、大きな自信を手にしているはずです。この試合で70ヤードのピック6を決めたヒーローであるケイオンテ・スコット(Keionte Scott)は機動力があり相手のスピードスターたちを追撃する役割を担います。ワシントン大学からの移籍組のミシェル・パウエル(Mishael Powell)は今季4つのインターセプトを記録。オハイオ州立大戦でも相手の攻撃を寸断する活躍を見せ、守備のリーダーとして君臨しています。そしてダマリ・ブラウン(Damari Brown)は6フィート2インチの長身を生かし、大型レシーバーとのマッチアップを得意とします。彼とワレス・IIIとの「高さと強さ」の勝負は、この試合最大の見どころです。
Xファクター
この試合で勝敗の鍵を握っていると思われるのは、マイアミ大の1年生WRマラカイ・トニー(Malachi Toney)です。
トニーは今季、ルーキーながら1008ヤードに8TDを記録。また84回のターゲットに対しドロップ(落球)が一度もないという脅威のキャッチ力を持っています。そんなことから彼は今季ACCの新人王やオールアメリカン(PFF)に選出されたりもしました。
マイアミ大のマラカイ・トニー
さらにトニーの恐ろしさは、単にパスをキャッチするだけではない「多才さ」にあります。高校時代にQBを務めていた経験を生かし、今季はトリックプレーで2つのTDパスを成功させ、自らもランでTDを奪っています。ミシシッピ大ディフェンスは、彼がボールを持った瞬間に「ルートを走るのか、ボールをキャリーするのか、あるいは投げるのか?」という3択を迫られることになります。
また、彼はキャッチ後の獲得ヤード(YAC)でパワー4カンファレンスのトップを走っています。短いパスを20〜30ヤードのビッグプレーに変える能力は、ミシシッピ大のセカンダリーにとって非常に厄介です。
18歳になったばかり(シーズン開始時は17歳!)の彼は、物怖じしない性格と圧倒的なエネルギーとパフォーマンスでチームをひっぱります。大舞台の1stラウンド戦やコットンボウルでも重要な場面でレシーブを重ね、QBベックからの絶大な信頼を得ている存在。
ミシシッピ大ディフェンスは、ジョージア大戦でランを止めることに成功はしましたが、トニーのような「どこにでも現れる」変幻自在なプレーヤーへの対応は未知の体験となるでしょう。マイアミ大がもし序盤でラン攻撃を阻まれたとしても、トニーへのスクリーンパスや、彼を起点としたトリックプレーが決まれば、一気に試合の流れを引き寄せることができるかもしれません。
試合展望
現在のブックメーカーのオッズでは、マイアミ大が有利とされています。 彼らは準々決勝戦でオハイオ州立大を破った勢いと全米トップクラスの守備がありますが、対するミシシッピ大もシュガーボウルでジョージア大を倒したということもあり、どちらのチームも「ジャイアントキリング」としてのモメンタムがあります。
マイアミ大が勝利するシナリオは、ライン戦を制し、RBフレッチャー・Jrのランで時間を削り、得点力の高いミシシッピ大の攻撃回数を減らす、というものです。ミシシッピ大のオフェンス力は脅威ですが、マイアミ大のディフェンスラインがチャンブリスにプレッシャーをかけ続け、ターンオーバーを1つか2つでも誘発できれば、マイアミ大が2001年以来となる決勝進出を果たす可能性が出てきます。
ミシシッピ大としては、アグレッシブなマイアミ大のDLやLBがプレッシャーをかけてくる隙を突き、チャンブリスがRPO(ランパスオプション)などで素早くボールを放すことが重要となるでしょう。オハイオ州立大戦でも見られたように、マイアミ大セカンダリーの背後に生まれるスペースを突き正確に見抜ければ、ビッグプレーが生まれる可能性が出てきます。
彼らの命運は、如何にしてチャンブリスにプレーメークさせる猶予をOL陣が与えられるかにかかっていると言えそうです。
果たしてこの試合を制して全米王座決定戦に駒を進めるのは、2001年以来の優勝を狙うマイアミ大か、それとも1962年以来の王座奪還を目論むミシシッピ大か・・・。
⬇️ 勝利予想投票に是非ご参加ください!
🏜️フィエスタボウル 🏜️
— Any Given Saturday (@ags_football1) January 5, 2026
【CFP準決勝第1戦目】
#10 マイアミ大 🆚 #6 ミシシッピ大
🇺🇸 1月8日 7:30PM ET
🇯🇵 1月9日 9:30AM JST
🏟️ ステートファームスタジアム
マイアミ大が勝てば2001年以来の、ミシシッピ大が勝てば1962年以来の全米制覇に王手がかかります。
果たして勝つのはどっち?





