- 試合予定
- 2024年度戦績 (8-5)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
フロリダ州ゲインズビル市
所属カンファレンス
SEC
ホームスタジアム
ベンヒルグリフィンスタジアム
通算戦績
768勝450敗40分け
通算ボウルゲーム戦績
25勝24敗
ヘッドコーチ
ビリー・ネイピアー
19勝19敗(4年目)
59勝31敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
2008年度
前回SEC優勝年度
2008年度
前回ボウルゲーム出場年度
2024年度(バスパリラボウル)
2025年度シーズンはフロリダ大のビリー・ネイピアー(Billy Napier)監督にとって今後の自身の去就をめぐり非常に重要なシーズンとなります。フロリダ大のHCに就任して今季で4期目を迎えますが、ここまで19勝19敗と勝率5割。これはお世辞にも褒められた数字ではありません。
昨年もシーズン途中に解雇もあるかもしれないなんて噂も立ちましたが、体育局長(AD)のサポートもあり続投が決定。するとシーズン後半に息を吹き返し4連勝でシーズンを終えたため、にわかに彼らへの期待は高まっています。
リクルーティングでもある程度の成功を収め、また鍵となる主要選手たちが今年も戻ってくることで、ネイピアー体制下となった以来最も力のあるチームが世に放たれると、ファンの間では久しぶりのワクワク感を開幕前から楽しんでいるようです。
オフェンス
今年のフロリダ大の前評判が高いのは、彼らのオフェンスに大きな期待が寄せられているからに他ありません。
その原動力となっているのが2年生QBのDJ・ラグウェイ(D.J. Lagway)。2024年度のリクルーティングクラスでも指折りのQBだったラグウェイは昨年1年生ながら先発を任されるようになり、スターターとして6勝1敗という好戦績を収めました。スタッツでも1年生QBとしては全米最高となるQBレーティング154.9を記録。また彼の魅力はその機動力で、昨年は足でも華麗なパフォーマンスを見せてくれました。すでにハイズマントロフィー候補ともいわれるラグウェイの存在があるからこそフロリダ大の今季のオフェンスには注目が集まっているわけです。
RB陣は昨年の先発ツートップが健在。2年生のジェイダン・バウ(Jadan Baugh)と3年生のジャコビ・ジャクソン(Ja’Kobi Jackson)は昨年2人合わせて1182ヤードに14TDを計上。今季も彼らのタンデムが観れるでしょう。
レシーバー陣はその何人かが春季トレーニング中に怪我を負ってしまいましたが、それでもタレント的には粒揃いなユニット。股関節の手術から復帰してくるユージーン・ウィルソン・III(Eugene Wilson III)がキーパーソンと言われていますが、そのほかにはUCLAからの転校生、J・マイケル・スターディヴァント(J. Michael Sturdivant)、そして期待の1年生ダラス・ウィルソン(Dallas Wilson)とヴァーネル・ブラウン・III(Vernell Brown III)も即戦力と期待されています。
さらにOL陣は昨年のメンバーから4人が残留ということでここも頼れるユニットに。アンカーとなるのはCでオールアメリカンのジェイク・スラウター(Jake Slaughter)。さらにそれぞれ25試合以上の実戦経験があるLTオースティン・バーバー(Austin Barber)とRGダミオン・ジョージ・Jr(Damieon George Jr)が脇を固める布陣です。
ディフェンス
フロリダ大のディフェンスは昨年大きな進歩を見せましたが、2025年度シーズンもさらにその強さが加速しそうな流れです。
今年単独ディフェンシブコーディネーターとして2年目となるロン・ロバーツ(Ron Roberts)氏の指揮の下、今季のフロリダ大守備陣は4メンラッシュを多用し、残り7人を下げ気味に使うスキームが身上。「クリーパーズ(creepers)」と呼ばれる、ディスガイズやモーション、不意な角度からのラッシュという独特のプレッシャーで相手QBを撹乱します。
そのコアとなるのがDL陣ですが、注目なのは4年生のケイレブ・バンクス(Caleb Banks)とタイリーク・サップ(Tyreak Sapp)。両選手ともプレシーズンのベドナリク賞候補と言われ、特にサップは昨年チームはいとなる13個のタックルフォーロスに7サックを記録し、今年は更なる飛躍が期待されます。また元5つ星の新人LJ・マクレイ(L.J. McCray)も即戦力として注目です。
LB陣からはシェマー・ジェームス(Shemar james、現ダラスカウボーイズ)が昨年のメンバーから抜けてしまいましたが、3年生のグレイソン・ハワード(Grayson Howard)とジェイデン・ロビンソン(Jaden Robinson)の昨年の先発選手が今年も健在。さらにポテンシャルの高いマイルズ・グラハム(Myles Graham)も虎視眈々と先発の座を狙います。
DB陣はまだまだ伸び代があるものの将来性豊かなユニット。彼らを牽引するのは4年生のCBデヴィン・モアー(Davin Moore)と3年生のSジョーダン・キャステル(Jordan Castell)とブライス・ソーントン(Bryce Thornton)。キャステルはFSとして55個のタックルにチーム最多となる9つのパスブロックを記録。またソーントンは3つのINT(チームハイ)という豊富な経験の持ち主たち。チーム全体で見ても昨年11個のINTをDB陣だけで獲得しており、ターンオーバーを引き出す能力に長けています。
今季のディフェンスの課題はいかに相手のランアタックを止めるか、そして3rdダウンでのコンバート阻止率の向上です。それにはベテランのリーダーシップと若手の育成がマスト条件となるでしょう。
注目のマッチアップ
予定されている対戦相手12チーム中、プレシーズンランキングで25位以内にランクされているチームが実に7校もあり、フロリダ大のスケジュールは今季のカレッジ界で最難関の一つと言えるでしょう。
9/13 @ ルイジアナ州立大
SEC戦初戦の相手がこのルイジアナ州立大。しかもアウェーゲーム。もしこの試合に勝つことができれば一気に波に乗れる可能性大。
9/20 @ マイアミ大
ルイジアナ州立大戦に続きまたしてもアウェーゲーム。その相手は同じフロリダ州出身のインステートライバル。マイアミ大もまた今季期待されているチームなだけあり、この試合の注目度は抜群となるはずです。
10/4 vs テキサス大
今季最大の難関と目されているのがこのテキサス大との試合。プレシーズンランキングで1位のテキサス大相手にフロリダ大の真価が問われます。QBラグウェイとテキサス大QBアーチ・マニング(Arch Manning)の投げ合いも見もの。ホーム開催であることが救いです。
10/11 @ テキサスA&M大
テキサス大との激戦も束の間、今度はテキサスA&M大とのアウェーゲームが待っています。テキサスとの試合で余力を残すようなことはないと思われるため、その試合に勝っても負けてもテキサスA&M大との試合は消耗戦になりそうです。
11/1 ジョージア大 @ ジャクソンビル
別名「世界最大級の屋外カクテルパーティー」と呼ばれる著名ライバリー。ジョージア大には今のところ4連敗中。この悪しき記録を断ち切れるか。
11/15 @ ミシシッピ大
こちらはシーズン終盤のトラップゲーム的な匂いがプンプンします。
11/22 vs テネシー大
かつてSEC東地区に所属していた頃に火花を散らしたライバルチーム。昨年はオーバータイムで敗れているため是非ともリベンジを決めたいところ。
11/29 vs フロリダ州立大
こちらもカレッジフットボール界でよく知られるライバリー。もしフロリダ大がこの時点までにプレーオフ進出も夢ではないという戦績を残していたとしたら、当然この試合の意味はライバルゲームということ以上に重くなります。
総評
今季のフロリダ大にはこれまでに無い期待がかかっていますが、実際の戦績を考えるとプレーオフ進出の可能性もあるという声もあれば、7勝止まりだという手厳しい見方をする声も聞かれます。
やはり無視できないのは非常に厳しいスケジュール。カンファレンス戦だけでなくマイアミ大とのノンカンファレンス戦もあり、今季もまた勝率5割に落ち着いてしまうのでは無いかという危惧もされています。
しかし、昨年後半にようやく生まれたモメンタムと期待のQBラグウェイの存在をして、そのような懐疑的な予想を反するだけのポテンシャルも秘めているとも言えます。周囲の疑惑の目をひっくり返すためには、ラグウェイのハイズマン級の大活躍が必須になってくるかと思われます。
もしこのスケジュールを2敗ないし3敗で切り抜けられれば、彼らのCFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出も夢では無いと言えるでしょう。