- 試合予定
- 2022年度戦績 (11-2)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
ワシントン州シアトル市
所属カンファレンス
Pac-12
ホームスタジアム
ハスキースタジアム
通算戦績
752勝463敗50分け
通算ボウルゲーム戦績
20勝20敗1分け
ヘッドコーチ
ケレン・デボアー
11勝2敗(2年目)
11勝2敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
1991年度
前回Pac-12優勝年度
2018年度
前回ボウルゲーム出場年度
2022年度(アラモ)
AP
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Coaches
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見どころ
2014年に発足したカレッジフットボールプレーオフ(CFP)において、西海岸のPac-12カンファレンスからこのプレーオフに出場を果たしたのは2チーム。1つは2014年度のオレゴン大、そしてもう一つが2016年度のワシントン大です。
そのワシントン大を最後にPac-12カンファレンスからは未だプレーオフ進出を果たしたチームはいない訳ですが、ご存知の方も多いかと思いますがワシントン大は来年からBig Tenカンファレンスへ移籍することが決まっており、Pac-12カンファレンス代表としてこの大舞台に立つことができるのは今年が最後となります。
ワシントン大がCFPに出場した際チームを指揮していたクリス・ピーターセン(Chris Petersen)氏が突如コーチングから引退を表明したのが2019年度シーズン後。その後釜を担ったジミー・レイク(Jimmy Lake)氏はチームをまとめ上げる前に2年間で7勝9敗という残念な結果しか残せず解雇。そして2022年に監督に就任したのがケレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督です。
デボアー監督が最初に名を上げたのは2019年。この年Big Tenカンファレンスのインディアナ大でオフェンシブコーディネーターを務めましたが、万年しょっぱかったインディアナ大のオフェンスを改革。結果、このシーズン1試合平均443ヤードと飛躍的に攻撃力が向上。最高で全米24位にランクインする原動力となりました。
その腕を買われて2020年から2年間フレズノ州立大で監督を任され、2022年からレイク氏が解雇された後釜としてワシントン大のHCに就任しましした。そしてその直後に彼がやってのけたのが、インディアナ大で彼の下でプレーしたことがあったQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)をトランスファーポータル経由で勧誘したことです。
そのペニックス・Jrは昨年度4641パスヤードを記録して堂々全米トップのスタッツを残し、チームでもトータルオフェンスで全米2位となるオフェンスをデボアー監督とタッグを組んで世に生み出しました。このペニックス・Jrが今季も戻ってくるのは強みですし、そのこともあってワシントン大の開幕前の評価はここ最近で最高潮に達しています。
そのPenix Jrからパスを受け取るのはローム・オドゥンズ(Rome Odunze)とジェイレン・マクミラン(Jalen McMillan)。昨年2人とも1000ヤード超えのレシーブヤードを記録しており、今年もペニックス・Jrの頼れるターゲットとなりそうです。しかもこのグループに転校生であるジャーミー・バーナード(Germie Bernard、下ミシガン州立大)を加えれば、ワシントン大のレシーバー陣は全米トップクラスと言っても過言ではありません。
ただ少し気掛かりなのはOL陣。先シーズンの先発であるトロイ・ファウタヌ(Troy Fautanu)とロジャー・ローゼンガーテン(Roger Rosengarten)が戻ってはきますが、残りの3選手を補充しなければなりません。もしこのユニットを確固なものに仕上げ、尚且つペニックス・Jrが怪我などで戦線離脱しなければ(インディアナ大ではACLを断裂した)、ワシントン大は西海岸からその存在感を大いに示すことができるでしょう。
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今季開幕の時点で全米屈指のパスラッシャーの1人とされているのがこのワシントン大のブレイレン・トライス(Bralen Trice)。昨年カンファレンスで3位となるQBサック数9個を計上し、相手QBの脅威となった彼が健在なのは強み。そのトライスと2020年度のオールアメリカンであるザイオン・トゥプオラ・フェトゥイ(Zion Tupuola-Fetui)が組めば鬼に金棒です。
ただ昨年オフェンス的には大躍進したものの、彼らの足を引っ張ってしまったのがパスディフェンス。FBS(フットボールボウルサブディビジョン)には130チーム(当時)所属していましたが、ワシントン大のパスディフェンスは全米100位。1試合平均で250ヤード以上を空中戦でやられてしまいましたから、ここのオーバーホールは必須案件です。
そんな時に便利なのがトランスファーポータルですが、オフシーズンにコーチ陣はオクラホマ州立大のCBジャバー・ムハマッド(Jabbar Muhammad)を獲得。即戦力として期待されます。また2列目にはサザンカリフォルニア大からラレン・ゴフォース(Ralen Goforth)も転校生として受け入れ、着実に戦力を整えてきています。
そんなことからも少なくとも昨年のパスディフェンスよりはよくなることが見込まれていますが、同じカンファレンスのサザンカリフォルニア大、UCLA、オレゴン大、ユタ大などと渡り合って抜け出すにはディフェンス陣の急成長が急務となりそうです。
スケジュール
上記の通り今年がワシントン大にとってPac-12最後の年となりますが、彼らとしてはやはり最後の年に(というかPac-12自体がなくなってしまうかもしれないのでPac-12の歴史上最後に)優勝を飾りたいところです。
開幕戦は前述のピーターセン氏が指揮をとったことがあるボイジー州立大との試合。実力を出せば勝てる相手ではあると思いますが、ボイジー州立大も調子の上がってきているチームなので油断していると足元をすくわれかねません。
それを無難に乗り越えれば10月まではまず安泰。そして6戦目のオレゴン大戦を迎えることになります。昨年ワシントン大は勝ちはしましたが、この試合彼らのエースQBボ・ニックス(Bo Nix)が怪我で途中退場したこともあり、今年からが万全であることを考えれば厳しい試合になると予想されます。
また11月一発目のサザンカリフォルニア大戦も鬼門。ハイズマントロフィー受賞QBケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)とぺニックス・Jrの投げ合いに期待大です。
さらに翌週のユタ大戦も大一番。ここのところカンファレンスタイトル2連覇しているユタ大にはスターQBキャメロン・ライジング(Cameron Rising)がおり、この試合もそう簡単に勝たせてくれる試合ではないと思われます。
そしてレギュラーシーズン最終戦は恒例のライバリーゲームである「アップルカップ」のワシントン州立大。ワシントン州立大は今回カンファレンス拡張の波に乗り遅れて西海岸に止まることになってしまいましたが、長年続いてきたこの著名ライバリーがワシントン大のPac-12離脱によって断絶してしまうとなればそれは非常に寂しいことです。
Pac-12カンファレンスは解体寸前にまで陥っていますが、カンファレンス自体には高い戦力を持つと言われるチームが多く存在しますから、ワシントン大がリーグタイトルを獲得することはそう簡単なことではありませんが、彼らのオフェンス力を考えるとやはり期待度は上がってしまいます。果たしてそれに応えることができるでしょうか・・・。