インディペンデンスボウル
デューク大56、テンプル大27
【関連記事】インディペンデンスボウルプレビュー
前半リードを奪いこのまま9章目も頂きかと思われたテンプル大でしたが、後半デューク大QBダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)が目覚めあっという間に逆転するとそのまま得点を重ね、終わってみれば56対27でデューク大が圧勝。なんとデューク大は後半7連続TDを奪って一気に点差を広げたのです。
ジョーンズはこの日423パスヤードに5TDを獲得。どちらの数字もインディペンデンスボウルの新記録となりました。しかも彼はランでも1つTDを奪っており、合計7つのTDに絡む大活躍。その恩恵を受けたWR Y.J. ラーミング(T.J. Rahming)は240レシーブヤードを記録。テンプル大ディフェンスは彼らに為す術もなく敗れ去ったのでした。
デューク大はもともとフットボールで知られていた大学ではなく、創部以来ボウルゲームで勝利を上げたのはこの日を覗いてたったの5度。この試合で勝ったことによってそれは6度に増えたわけですが、そのうち3つは現HCデヴィッド・カットクリフ(David Cutcliffe)監督によるもの。彼がこのチームに与えている影響の大きさを示していると思います。
またQBジョーンズはこの日の活躍によって来るNFLドラフトにおいてスカウトたちに非常に有意義な見せ場を作ることが出来ました。おそらく4月のドラフトでは彼の名前が上位に挙げられているのではないでしょうか。
ピンストライプボウル
ウィスコンシン大35、マイアミ大3
【関連記事】ピンストライプボウルプレビュー
ニューヨークヤンキースの本拠地であるヤンキースタジアムで行われたピンストライプボウルですが、名門同士の戦いの割に試合はウィスコンシン大の一方的な試合展開となり、35対3でウィスコンシン大が今季8勝目を挙げることに成功しました。
今季最優秀RBに贈られるドーク・ウォーカー賞を獲得したウィスコンシン大のジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)は1TDを含む205ヤードのランを記録。全米屈指のOL陣のガードのもとにマイアミ大ディフェンスを縦横無尽に蹴散らしていきました。
昨年10勝を挙げて今年はそれ以上を、と期待を受けたマイアミ大でしたが、今季は昨年の元気を全く感じることが出来ず7勝6敗と撃沈。マーク・リクト(Mark Richt)監督3年目で上昇するどころか3歩ほど交代してしまうという不甲斐ないシーズンを送ってしまいました。その集大成がまさにこのピンストライプボウルで出てしまったというわけです。
テキサスボウル
ベイラー大45、ヴァンダービルト大38
【関連記事】テキサスボウルプレビュー
ボウルシーズンでは得てしてあまり注目されていなかった試合が見応えあるものになるというケースが良くありますが、今年のテキサスボウルはまさにそれに当てはまるでしょう。ベイラー大とヴァンダービルト大が対戦したテキサスボウルでは両チームが点を取り合ってハイスコアゲームとなり、試合ではビッグプレーの連発。マッチアップ的には魅力的とは決していえませんでしたが、観るものを楽しませてくれるには十分すぎる試合を見せてくれました。
ベイラー大QBチャーリー・ブリューワー(Charlie Brewer)は投げては2TDを含む384ヤードに走っては1TDを含む109ヤードを記録。またRBトレスタン・エブナー(Trestan Ebner)は90ヤードのランに109ヤード(75ヤードのレシービングTDを含む)と活躍。
しかしさらにすごかったのはヴァンダービルト大のRBキーション・ヴォーン(Ke’Shawn Vaughn)。彼は3つも60ヤード超えのロングランを披露するなど大活躍。243ヤードを足で稼ぎだし、敗戦チーム所属ながら勝利チームを食う勢いをもっていました。
またヴァンダービルト大のQBカイル・シューマー(Kyle Shurmur)はこの日286パスヤードを記録したことによってトータルパスヤードで大学新記録を達成しました。それもこれも両チームのディフェンスが仕事をしなかったことによるものでもあるのですが。どちらにしてもこの日インディペンデンスボウルとピンストライプボウルがワンサイドゲームとなってしまっていた中、このテキサスボウルは予想外の見ごたえある試合を提供してくれたのでした。
ミュージックシティーボウル
アーバン大63、パデュー大14
【関連記事】ミュージックシティーボウルプレビュー
SECとBig Tenチーム同士の対戦となった今年のミュージックシティーボウルボウルでしたが、なんとアーバン大が試合開始直後から猛攻をかけ、7度の攻撃全てをスコアに繋げ、さらにパデュー大QBデヴィッド・ブロウ(David Blough)のパスをアーバン大DBビッグ・カット・ブライアント(Big Kat Bryant)がインターセプトしてそのままエンドゾーンへ運ぶ、いわゆる「ピックシックス」で得点を重ね、前半を終えた時点でのスコアが56対7。ハーフタイム時のスコアとしては史上最高スコアとなりました。
当然この時点で既に試合は終ったも同然ですし、既にパデュー大を恥さらしにしてしまったので後半は1つのTDに止めましたが、それにしてもパデュー大としては何とも嫌なシーズンの幕切れを迎えてしまいました。
アーバン大はレギュラーシーズン後にオフェンシブコーディネーターのチップ・リンジー(Chip Lindsey)氏がカンザス大へヘッドハントされましたが、この試合ではガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督が直々にオフェンスのプレーコーリングをこなしました。既にチームは来季の新OCにメンフィス大のOCケニー・ディリンガム(Kenny Dillingham)氏の起用を決めていますが、実際の試合でのプレーコーリングはマルザーン監督が引きるけることに変更。今回の大勝はOCとしてのマルザーン監督体制のプレビューとなりました。
キャンピングワールドボウル
シラキュース大34、ウエストバージニア大18
【関連記事】キャンピングワールドボウルプレビュー
ウエストバージニア大はQBウィル・グリアー(Will Grier)ら3人の先発選手が欠場するなか、今季大進撃を見せたシラキュース大が34対18でBig Eastカンファレンス時代のライバルから白星を奪い、2001年度以来となる10勝目を挙げてシーズンを終えることが出来ました。
シラキュース大はQBエリック・ダンジー(Eric Dungey)を中心にウエストバージニア大ディフェンスにアタック。彼にしてみればパーフェクトとは程遠いパフォーマンスでしたが(2INTを献上)、1TDを含む303ヤードのパスヤードを記録。これにてダンジーがシラキュース大のパスヤード新記録保持者となりました。
一方のウエストバージニア大はグリアーの代役で先発出場したジャック・アリソン(Jack Allison)が来季以降に期待できそうなポテンシャルを見せてくれはしましたが、この日はシラキュース大に追いつくまでには至りませんでした。
しかしこの試合では、これまで長いことカレッジフットボール界の底辺をうろちょろしていたシラキュース大を改革して戦える集団に変貌させたディノ・バーバーズ(Dino Babers)監督の手腕を再確認させてくれるのに充分なものを見せてくれました。シラキュース大があと何年バーバーズ監督をキャンパスに留めることが出来るのかはわかりませんが、彼がいる限りシラキュース大は今後もどんどん実力をつけていくことでしょう。
アラモボウル
ワシントン州立大28、アイオワ州立大26
【関連記事】アラモボウルプレビュー
ワシントン州立大のスターQBガードナー・ミンシュー(Gardner Minshew)がカレッジキャリア最後の試合をスリリングな展開の末に勝利で飾り、チームの新記録となる11勝目に大きく貢献。299パスヤードという数字はミンシューからすれば並の数字ではありますが、それでもこの日の活躍によって所属するPac-12カンファレンスのシーズンパス記録の新記録を樹立しました(ちなみに全記録保持者は現LAラムズで元カリフォルニア大QBのジャレッド・ゴフ)。
マイク・リーチ(Mike Leach)監督の操るパスヘビーオフェンスはこの日も健在で、ミンシューは合計9選手にパスを投げ分け、しかもそのうち7人が20ヤード以上を記録するという離れ業をやってのけました。
アイオワ州立大は前半複数の選手がターゲットの反則で退場処分になったり、マット・キャンベル(Matt Campbell)が珍しく非紳士的行為の反則を取られるなどして沈黙しましたが、後半にようやくエンジンが掛かりワシントン州立大を追撃。終盤にQBブロック・パーディ(Brock Purdy)が2つのTDを獲得して追いすがりましたが、あと2点が遠く逆転はなりませんでした。