ボイジー州立大で確かな戦績を残し、3年前に満を辞して「パワー5」の一つであるワシントン大の監督に就任したクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督。昨年はここ最近でもワシントン大にとってベストレコードを叩き出し、見事カレッジフットボールプレーオフにも進出。ワシントン大体育局にしてみればようやく「この人だ!」という監督に出会えたと胸を撫で下ろしていることでしょう。
そしてそんな敏腕コーチを離すまいと同大学は所属するPac-12カンファレンスで最高額となる契約金を新たにピーターセン監督に約束したのです。
先月契約を既存のものからさらに3年延長することを発表したワシントン大。これによりピーターソン監督は2023年までワシントン大の監督で居続けることが可能になりました。そして給料もアップされこれにより彼の年収は一気に487万ドル(約5億5千万円)にまで膨れ上がりました。
これまでPac-12でもっとも稼いでいたのはスタンフォード大のデヴィッド・ショウ(David Shaw)監督で年収406万ドル(約4億5千万円)でした。この新契約以前にはユタ大のカイル・ウィッティンガム(Kyle Whittingham)監督の365万ドル(4億1千万円)に次ぐ3位の高額所得監督でしたが、これで一気にピーターセン監督がトップに立つことになります。
ワシントン大はピーターセン監督指揮下育ててきたこの勢いを持続させたいことでしょう。ワシントン大がナショナルチャンピオンになるかどうかはまた別の次元の話ですが、Pac-12のディフェンディングチャンピオンとして来季以降も優勝争いに絡んでくることは違いありません。
ただピーターセン監督がワシントン大の強さをどれだけPac-12内で誇示し続けることができるかは彼の今後の大きな課題となることでしょう。昨シーズンはカンファレンスの頂点に立つことができましたが、シーズン中はサザンカリフォルニア大との決戦に敗れ、しかも彼らはワシントン大よりも勢いに乗るチーム。QBサム・ダーノルド(Sam Darnold)を擁し来季のナショナルチャンピオン候補にもあげられるほどです。
またここ数年カンファレンスを席巻してきたスタンフォード大も昨年は少し足踏みしましたが、ワシントン大からそう離れた場所にいるわけでもありません。オレゴン大は新監督のウィリー・タガート(Willie Taggart)監督のもと完全復活を果たすかもしれませんし、ワシントン大のライバル・ワシントン州立大も侮れません。つまりワシントン大がカンファレンスタイトルを簡単に連覇できるなどという保証はどこにもないわけです。
何れにしてもピーターセン監督はワシントン大をさらに踏み台にしてもっと上のチームに鞍替えするというような心算は今の所なさそうですし、チームが全米の強豪チームの仲間入りを果たした事実も本物です。全てが揃えばひょっとしたら彼らが本当の意味でのナショナルタイトル獲りの最右翼になる可能性もある・・・かもしれません。