ミシシッピ大(12位)@ アラバマ大(1位)
今週一番の注目カードはこの2校の戦い。SEC(サウスイースタンカンファレンス)西地区対決、全米12位のミシシッピ大が1位のアラバマ大に乗り込みます。両校とも4勝無敗同士。いずれかのチームに今季初黒星がつくことになります。
前年度覇者であるアラバマ大はプレシーズンから全米1位を5週連続で守ってきました。昨年のチームからは多くの主力選手が抜けたため、今季のスクワッドがどのような戦力を持っているのか気になりましたが、さすがリクルーティング力の賜物か選手層が厚いために各々のポジションで次世代の選手が育っていました。
最大のキープレーヤーはQBブライス・ヤング(Bryce Young)。小柄ながら素晴らしい判断力とクイックリリースで1124ヤードに15TD、1INT、QBレーティングは全米6位の87.7ポイントを記録。安定した働きを見せています。
ただ2週前のフロリダ大戦ではディフェンス陣が苦戦。相手に245ヤードもランで稼がれるというここ近年では珍しく相手にやられていました。そういった意味ではアラバマ大も無敵というわけではないわけです。
一方ミシシッピ大はQBマット・コラル(Matt Corral)が絶好調。今季ハイズマントロフィーレースで上記のヤングとともに名を連ねるコラルはここまで997ヤードに9TD、INTが未だゼロとし、QBレーティングではヤングの上を行く全米4位(89.3ポイント)。この才能あふれるコラルを操るのがオフェンスの鬼才であるレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督です。
昨年就任初年度だったキフィン監督はかつてアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督の下でオフェンシブコーディネーターを務めていたことがあります。その彼は昨年アラバマ大と対戦し63対48と大いに彼らを追い詰めました。今年のミシシッピ大はディフェンスが昨年よりもアップグレードされており、ひょっとしたら王者の牙を折ることもあるかも・・・。
ちなみにセイバン監督はこれまで彼に仕えたことのある「弟子」との直接対決において23勝無敗というとんでもないレコードを持っています。はたしてこの記録をキフィン監督が破ることができるでしょうか?
アーカンソー大(8位)@ ジョージア大(2位)
同じく注目のカードは上記と同じようにSEC内対決であるジョージア大(SEC東地区)vsアーカンソー大(SEC西地区)の一戦です。
ジョージア大はここまで破竹の4連勝中。開幕戦でクレムソン大から貴重な白星を奪うとそのままランクを2位に上げてここまでずっと1位のアラバマ大を追随しています。全米随一のフロントセブンを誇る強固なディフェンス、そしてフィールドを広く使うことができるQB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)を擁しオフェンス力も例年よりアップ。実力的にはアラバマ大と大差ないかもしくは上回る存在ともいえます。
ただダニエルズが肩に怪我を負っていると報道されており、彼の具合がどの程度なのか気になるところです。
しかし対するアーカンソー大も侮れません。ここまで長いこと苦汁を舐めるようなシーズンばかり送ってきましたが、今季で2年目となるサム・ピットマン(Sam Pitman)監督指揮下で選手たちの意気込みが激変。特に今季は攻守ともにフィジカルでこれまでとはまるで別のチームのよう。OL畑出身のピットマン監督ならではと言える指導方法に選手たちがしっかりとついてきているような印象です。
またオフェンシブコーディネーターのケンダル・ブライルス(Kendal Briles)氏、及び元ミズーリ大監督で現ディフェンシブコーディネーターのバリー・オドム(Barry Odom)氏といった腕の立つコーディネーターがいることも忘れてはなりません。
今年はここまで大御所テキサス大とテキサスA&M大を見事に撃破しており、今年のシンデレラチームの最大手です。注目はQB K.J.ジェファーソン(K.J. Jefferson)。今季のアーカンソー大オフェンスの立役者ですが、先週のテキサスA&M大戦で怪我を負った素振りを見せており、彼がどれだけ復調しているかがポイントとなりそうです。
シンシナティ大(7位)@ ノートルダム大(9位)
このランカー同士の対戦も上の2試合に負けじと劣らぬ好カードです。
中堅カンファレンズ群とされる「グループオブ5」のアメリカンアスレティックカンファレンスに所属するシンシナティ大は昨年大躍進した流れを今年も維持してここまで無傷で全米7位につけています。「グループオブ5」出身チームがこれまでCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に出場したことがないことを考えると、今年のシンシナティ大にはその風習をぶち壊してくれるだけの可能性があるということで彼らには大きな期待がかかっています。
その最低条件はシーズンを無敗で終えること。そしてそのスケジュールに組まれている上位カンファレンス群「パワー5」チーム相手に対等以上の展開で勝利をおさめることです。彼らは先週「パワー5」のインディアナ大を破りましたが、今週末の大御所ノートルダム大をアウェーで倒すことができればいよいよシンシナティ大がCFPレースに本格的に絡んでくることは必死です。このような一世一代のチャンスをシンシナティ大がモノにできるか注目が集まります。
一方のノートルダム大はここまで3年間で2度CFPに駒を進めてきた名門。しかし彼らもここまで無敗とはいえ相手チームを圧倒して勝ったという展開はまだ1度もありません。そういった意味では現時点での彼らはCFPレースであともう一皮剥けたいといった状況。
ただ彼ららしいところといえば、どんな状況でもどのような形でも白星を取り続けることができるという事実。そして当然彼にしてもCFPの大舞台に舞い戻るには当然このシンシナティ大戦を落とすことは出来ません。彼らのホームでシンシナティ大の野望を打ち破ることができるのか?
オレゴン大(3位)@ スタンフォード大
全米3位のオレゴン大はスタンフォード大とのアウェーゲーム。Pac-12カンファレンス内で唯一となった無敗チームのオレゴン大ですが、2週目にオハイオ州立大から金星を奪って以来まともな相手と対戦してきていません。スタンフォード大はターナー・マッキー(Tanner McKee)を新たな先発QBに据えて以来攻撃力がアップ。オレゴン大のアンソニー・ブラウン(Anthony Brown)との投げ合いに注目です。
インディアナ大 @ ペンシルバニア州立大(4位)
今週全米4位にまで上昇してきたペンシルバニア州立大がホームにインディアナ大を迎えます。昨年開幕後5連敗という最悪のスタートを切ったペンシルバニア州立大ですが、その悪夢の始まりとなったのがこのインディアナ大戦での敗戦。おそらく彼らはリベンジに燃えていることでしょう。翌週の大一番であるアイオワ大との対戦を控えいい形でインディアナ大を倒しておきたいところ。
アイオワ大(5位)@ メリーランド大
3週連続で全米5位を堅持しているアイオワ大はここまで無敗のメリーランド大と対戦。前述の通り彼らは来週ペンシルバニア州立大との決戦が待っていますが、このメリーランド大を甘く見たら痛い目にあってしまいます。特に元アラバマ大所属で同校のQBだったトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)の実弟であるトゥリア・タガヴァイロア(Taulia Tagovailoa)はここまで1340ヤードに10TD、1INTと絶好調。金曜日のナイトゲームとして行われるこの試合で波乱が巻き起こるか?
フロリダ大(10位)@ ケンタッキー大
現在3勝1敗で10位のフロリダ大と4勝無敗のケンタッキー大とのSEC東地区対決。ケンタッキー大はたしかにここまで手強い相手と対戦してきてはいないとはいえ無傷の4連勝中というのは特筆に値する事実。特にトータルディフェンスで全米9位を誇る彼らのディフェンス力はあまく見ることは出来ません。
とはいえタレントレベルで言えばフロリダ大有利は変わらず。もし怪我で欠場中のQBアンソニー・リチャードソン(Anthony Richardson)が復帰できれば鬼に金棒です。
ミシガン大(14位)@ ウィスコンシン大
今季ここまで4連勝で波に乗る名門ミシガン大。今季で7シーズン目を迎えるジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督ですが、ここ数年はあまりいいところがなく初期に目立っていたカリスマ性に陰りが見え始めていました。そろそろ結果を残さなければ自身のクビも危うくなってくる・・・そう囁かれていたところの今季の快進撃。いよいよ本格的に名門復活かという声が高まっていますが・・・。
明らかに今季違うのはランゲームが格段に向上したこと。現在1試合平均約280ヤードで全米5位という数字を誇っています。QB出身のハーボー監督としてはこの傾向は興味深いですが、古き良きBig Tenフットボールを彷彿させるようで逆に清々しいです。
ただ今回対峙するウィスコンシン大は1勝2敗と負けが先行してはいますがディフェンス力はトップクラス。トータルディフェンスは全米2位の1試合平均210ヤード、ランディフェンスに至っては全米1位で平均被ヤードがたったの23ヤードとなっています。このディフェンスを相手にミシガン大がこれまでのようにランで勝てるのかは未知数。となればプレーアクションパスなどで・・・。
ミシシッピ州立大 @ テキサスA&M大(15位)
先週アーカンソー大に初黒星を食らってしまったテキサスA&M大。今季に向けてファンの期待度は高まっていただけにこの敗戦は精神的にかなり痛手となったのではないでしょうか。それを引きずったままこのミシシッピ州立大戦に臨むとなれば2連敗なんてこともありえる・・・かも。
ベイラー大(21位)@ オクラホマ州立大(19位)
両校とも今週圏外からトップ25位以内に飛び込んできた4勝0敗チーム。Big 12カンファレンスレースにて非常に重要なマッチアップとなります。
ベイラー大のデイヴ・アランダ(Dave Aranda)監督は2019年度にナショナルタイトルを獲ったルイジアナ州立大のディフェンシブコーディネーターだった人物。ベイラー大再建を担ったアランダ監督ですが、今年で2年目にも関わらず開幕後4連勝中。このオクラホマ州立大にも勝つことができればさらに株を上げることになります。
一方のオクラホマ州立大も無敗街道まっしぐら。先週は当時25位のカンザス州立大を倒して見事にランクイン。彼らのこれまでの試合を見返すと必ずしも何かが突出しているチームというわけではありませんが、過去の彼らの展開を思い出すとシーズン終盤までカンファレンスタイトルレースに絡んでいくパターン多々。結局大一番を落とすというオチ付きなのですが(笑)果たして今年はいかに?
アーバン大(22位)@ ルイジアナ州立大
「タイガース」同士の対決。22位のアーバン大は先週ジョージア州立大相手に少々冷や汗をかかされました。一方のルイジアナ州立大は開幕戦でUCLAに敗れて以来ランク外に沈んでいますが、この対決を制することができればトップ25への返り咲きも十分ありえます。SEC西地区争いでも重要なこのカード。どちらの「虎」が最後に雄叫びを上げることができるでしょうか?
ルイビル大 @ ウェイクフォレスト大(24位)
今年のACC(アトランティックコーストカンファレンス)レースはワイドオープン。誰が抜け出してもおかしくないと言われる中で未だ無敗チームなのがこのウェイクフォレスト大と後述のボストンカレッジのみ。派手さはなくても堅実なフットボールで無敗を守ってきたウェイクフォレスト大ですがルイビル大を破って連勝記録を伸ばすことができるか?
ボストンカレッジ @ クレムソン大(25位)
常勝クレムソン大が今週まさかの25位。あまりにも見慣れなくて気持ち悪いですが(笑)、オフェンス力にまったくパンチがなく、また頼みのディフェンス陣でもけが人続出でシーズン前半だというのに苦戦中。一方ボストンカレッジは先週SEC所属のミズーリ大にOTの末に競り勝つなどして4勝0敗中。このモメンタムがあればスランプ中のクレムソン大を叩くことも十分に有り得そうです。
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