既にこのサイトでも紹介しているように、ヒューストン大の新監督にはオフェンシブコーディネーターのメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)氏が昇格しました。当初はアラバマ大オフェンシブコーディネーター、レーン・キフィン(Lane Kiffin)氏が最有力候補とメディアでは流されていましたが、結局その話はなかったことになった訳です。個人的にはキフィン氏はヒューストン大ではマッチしないのではないのかと勝手に思っていましたが、この度ヒューストン大が何故キフィン氏にチームの再建を託さなかったのかという理由がいくつか明らかになりました。
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ヒューストン大上層部の一人でありビリオネアビジネスマンでもあるティルマン・フェティッタ氏はキフィン氏を雇用する事は「危険な賭けだ」と話しています。
まずそもそもフェティッタ氏はキフィン氏がヒューストン大監督になりかけたと言う報道を一蹴しています。
「キフィン氏は他の候補者とほぼ同一線で並んでいました。彼が飛び抜けて他の候補者よりも抜きん出ていたというのはでまかせです。彼が最有力候補者であるというニュースは彼のエージェントが流した情報です。そうする事がエージェントの手法なのです。」
「確かに私はキフィン氏と面接を2度しました。彼は非常にいい人物でしたが、ヒューストン大が彼のやり方に合うかどうか、彼が連れてくるOC、DCがチームにマッチするかを考えた結果、キフィン氏は我々に合わないと感じたのです」とフェティッタ氏は語っています。
また前任であるトム・ハーマン(Tom Herman)氏の在籍年数は2年。来年4年生になる選手達にとっては次期監督が3人目のヘッドコーチとなります。彼らにとっては再び外部の人間がチームの指揮を執るよりは内部を知るアップルホワイト氏の方がチームの移行がスムースだと考えたようです。
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さらに言えばキフィン氏はこれまで主に西海岸を土壌にしてきたコーチであり、テキサス州との繋がりが薄いというのも問題視されたようです。カレッジフットボール界においてチームの運営と共に重要なのがリクルーティングです。タレントの宝庫であるテキサス州でいかにリクルーティング戦争で勝つはチームの死活問題とも言われますので、テキサス州との関係性が薄いと危惧されるキフィン氏はヒューストン大には合わないと考えられたということです。
「テキサス州の高校のコーチ達は自分の生徒達をメジャー・アップルホワイトのもとで育ててもらいたいと思っているのです。それは彼らがキフィン氏のことを好きか嫌いかということではなく、全てはリクルーティングに繋がっているという事です。アップルホワイト氏はかつてテキサス州のお膝元・テキサス大でスターQBでした。テキサス州で彼の事を知らないフットボール関係者はおらず、さらに既に彼はテキサス州で高校のコーチ達と素晴らしい関係を築いています。キフィン氏にはそれがないのです。」とフェティッタ氏は話しました。
「正直なところ、新監督探しを始めた当初は有名コーチにスポットライトを当てていました。なぜなら監督とは名前が全てだと思っていたからです。有名コーチの元にはいい選手が集まってくると。私はヒューストン大フットボール部が今後も強くなって欲しいと願っています。(元ルイジアナ州立大の)レス・マイルズ(Les Miles)氏やキフィン氏は素晴らしいコーチですし、彼らはいずれどこか別のチームで大成功を収めるでしょう。しかし我々の状況下で長期的にチームの成功を願うとき、満場一致でメジャー・アップルホワイトが我々に適任だという結論に至ったのです。」とフェティッタ氏は結びました。