話題に事欠かないミシガン大フットボール部です・・・。
昨シーズンの流行語大賞とも言うべきは「サテライトキャンプ」でした。地元を離れ他の地域で練習、もしくはサマーキャンプを行うという、「キャンプ」と名を借りた「リクルーティング」の手法として取り挙げられました。その最たる例がミシガン大のフロリダ州遠征でした。これは昨年の春休みにミシガン大フットボール部がフロリダ州へ大遠征をしてそこで数日間春季トレーニングを行った、というものです。
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これには様々なチームが反発し大論争を巻き起こしましたが、結局ミシガン大の遠征は決行されました。それを受け、つい先週NCAAは学校の休暇中にキャンパス外での練習を禁止すると言う新ルールを発表。俗に「ミシガンルール」と呼ばれるこの規定により2017年8月1日以降から春季トレーニングを遠征先で行えないことになりました。
ローマで春季トレーニングキャンプを画策中
しかしミシガン大のジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督はサテライトキャンプを行う事をまだ諦めてはいなかったのです。
NCAAの規制の穴をかいくぐって数々の奇行(?)を行ってきたハーボー監督ですが、今回目をつけたのがこの「ミシガンルール」の施行が8月1日以降であるという点でした。つまり「その前だったらまだ遠征してもいいんだろ?」ということです。
そしてその遠征先に選んだのがなんとイタリア・ローマでした。
以下がハーボー監督の声明です。
「我々は常から学生アスリート達に素晴らしい教育の機会、そして文化的で国際的なフットボールの経験をさせてあげたいと考えてきました。そして今回我々ミシガン大がローマに赴き学生アスリート達にとって大変魅力的な教育の機会を与えることが出来る事に私も大変嬉しく思っています。」
NCAAでは男子・女子バスケットボール部が海外へ遠征する事は珍しくありませんが、私の知る限りミシガン大のようにフットボール部が海を越えて練習を行う(と思われる)のは聞いたことがありません。
当然これは他ライバルチームたちの批判を浴びることになるのでしょうが、ミシガン大サイドからすればこれはルールの範囲内の行動であり、とやかく言われる筋合いは無いと一蹴する事でしょう。今後数ヶ月のうちに「ミシガンルール」が前倒しになれば話は別ですが・・・。
人とは違うことを思いつくハーボー監督
ハーボー監督の奇抜なアイデアは昨年のフロリダ遠征や今回のローマ遠征だけではありません。ハーボー監督は昨夏精力的に夏のサテライトキャンプを全国各地で行いましたが、これはキャンプと言う名のリクルーティングであると話題になりました。このサテライトキャンプの問題では、NCAAが禁止令を発したと思えばその直後にそれを撤回すると言うごたごたも付いて回りました。
また昨年のナショナルサイニングデーではハーボー監督は当日に大々的にファンを集めたイベントを開催。ここに元ニューヨークヤンキースのデレク・ジター(Derek Jeter)や同大卒業生でNFLニューイングランドペイトリオッツのスターQBトム・ブレディ(Tom Brady)ら著名人を集めて華やかにサイニングデーを祝ったり。ミシガン大のブランド力を挙げる為にありとあらゆる手を尽くしてきたのがこのハーボー監督でした。
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さて、果たしてミシガン大は本当にローマへたどり着くことが出来るか?もしくは他チーム達がこの遠征をもみ消す為にNCAAに働きかけるか?どうなるか見物です。