12月31日開催のボウルゲームプレビュー

いよいよ2018年も大晦日を迎えますね。きっと日本では年末年始の独特の雰囲気たっぷりなのでしょうが、アメリカはと言うと大晦日は至って普通の人変わらない日と考えられており、いつも通り時間が過ぎていっております。考えてみるとアメリカでは12月31日はNBA(プロバスケ)があったりNHL(プロアイスホッケー)があったりと大晦日でもスポーツが普通に行われていますが、日本だったら格闘技ぐらいでしょうか?

そしてカレッジフットボールでも12月31日にボウルゲームが行われるのはいつものこと。今年は1日に開催される試合数では最大となる6ゲームが開催予定。それらを簡単に見ていきたいと思います。

ミリタリーボウル

シンシナティ大 vs バージニア工科大

2014年のマッチアップと同じ顔合わせとなった今年のミリタリーボウル。この時はバージニア工科大がシンシナティ大を33対17で破りましたが今年はどうなるでしょうか。

バージニア工科大は今年1993年より続いていた連続ボウルゲーム出場記録が途絶える危機を迎えましたが、シーズン中にハリケーンの影響でキャンセルされたイーストカロライナ大との試合の埋め合わせとしてシーズン最後に行われたマーシャル大とのシーズンフィナーレに勝って何とかボウルゲーム出場権を獲得。このミリタリーボウルに招待されるに至りました。

オフェンス力はそこそこありますが、問題はディフェンス。今シーズン平均失点数が30.7点とちょっと多めなのが気になるところ。特にピッツバーグ大戦でDLの主力であるホウシュン・ゲインズ(Houshun Gaines)を膝の怪我のせいで失ってからさらに守備陣は手薄になってしまいました。

シンシナティ大は「グループオブ5」の一つであるアメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)所属チームですが、彼らは2012年以来の二桁勝利シーズンを達成。この試合で2009年以来となる11勝目を狙います。今季のシンシナティ大オフェンスは数字上では全米でも上位に位置され、平均得点数は全米25位の約35点。1年生QBデスモンド・リダー(Desmond Ridder)はルーキーながら62.5%のパス成功率で2359ヤードに19TD、そして犯したINTはたったの5つという記録を残しています。また2年生RBマイケル・ワーレン(Michael Warren II)は17TDを含む1163ヤードを足で稼ぎました。

さらにシンシナティ大はディフェンス陣も充実しており、失点数は全米7位となる16.1点。特にランディフェンスは平均102.4ヤードと「グループオブ5」チームながら10勝挙げるだけの結果を残してきました。いかに名門バージニア工科大でも今年の彼らの状態を考えれば、現在乗りに乗っているシンシナティ大に足元をすくわれる可能性は十分ありそうです。

サンボウル

スタンフォード大 vs ピッツバーグ大

スタンフォード大はレギュラーシーズン最後の3試合で3連勝を収め、その勢いのままにこのサンボウルに乗り込みます。今年のスタンフォード大は当初の予想を裏切る形で前半からカンファレンス優勝レースに乗り遅れました。その為彼らに注目が集まることはほぼありませんでしたが、その影に隠れて彼らはいつもよりもちょっとだけ違うプレースタイルでこのシーズンを乗り切ってきました。

というのも普段ならば強力なランプレーとディフェンスで試合の流れを掌握するスタイルがデヴィッド・ショウ(David Shaw)監督好みでしたが、今年はよりパスアタックに比重を置くオフェンスを披露してきました。その結果スタンフォード大のパスオフェンスは全米19位にランクされており、40点近くをコンスタントに叩き出すオフェンスに様変わりしていたのです。それを指揮するのがQB K.J. コステロ(K.J. Costello)。ロングボールを積極的に投げて相手DB陣にチャレンジするそのスタイルは相手からパスをINTすることを苦手とするピッツバーグ大にとっては要注意です。

ただスタンフォード大はこのゲームにてWR陣の要となるトレント・アーウィン(Trent Irwin)が今流行のNFLドラフト準備のためのボウルゲーム欠場を決めており、それが彼らのエアーアタックにどう影響するか気になるところ。さらにスターRBであるブライス・ラブ(Bryce Love)もアーウィンと同じようにボウルゲーム出場を回避。彼らのカレッジ最後のプレーが拝めないのは何とも残念なことです。

そのラブが欠場することはピッツバーグ大ディフェンスにとっては朗報と言えるでしょう。というのも彼らのランディフェンスは今季不振を極め、特に彼らが出場したアトランティックコーストカンファレンス(ACC)優勝決定戦ではクレムソン大ランオフェンスにけちょんけちょんにされました。ですから元ハイズマントロフィー候補選手でもあるラブの欠場はピッツバーグ大にとっては有利に働くはずです。

レッドボックスボウル

ミシガン州立大 vs オレゴン大

全米17位のスコアリングオフェンスを持つオレゴン大と全米13位のスコアリングディフェンスを持つミシガン州立大との対戦となったレッドボックスボウル。カレッジフットボール界でも革新的なチームとして知られるオレゴン大と、ブルーカラー(ガテン系)で知られるミシガン州立大という真逆のチーム同士の興味深いマッチアップです。

今季のミシガン州立大はQBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)が期待を裏切る不調でそれが影響して彼らのスコアリングオフェンスはなんと全米120位。レウワーキは昨年20TDを記録しましたが今年はたったの8つ。しかもINT数がTD数を上回る10つということでこれでは点が取れるはずがありません。

一方のオレゴン大はスコアリングに関しては何の問題もありません。超カレッジ級のQBジャスティン・ハバート(Justin Herbert)は今季3000ヤード超のパスに28TD(8INT)という全米レベルで見ても上位に数えられる逸材を擁し、今季1試合平均得点37点という数字を残しました。ハバートは今シーズン後NFL入りするものだと思われていましたが、来年もオレゴン大に残留することを表明しており、その事もオレゴン大がこの試合で勢いづくキッカケとなることでしょう。

リバティーボウル

ミズーリ大 vs オクラホマ州立大

両チームの平均得点数の合計が75点、そして1試合平均獲得ヤード数の合計が1000ヤード近くあるこのリバティーボウルのマッチアップ。ハイスコアリングなゲームが期待できそうです。

ミズーリ大はここまで3連勝と波に乗っています。それを指揮するのが4年生のQBドリュー・ロック(Drew Lock)。後半戦6試合で13TDにたったの2INTというパフォーマンスを見せてくれたロックの活躍もさることながら彼を守るOL陣の強固さも光ります。彼らがロックを守り続ける限りミズーリ大の攻撃力は相手の脅威となり続けます。

そのOL陣に対峙するオクラホマ州立大ディフェンスですが、彼らは今季7試合で30点以上の失点を許してしまっているユニット。もしミズーリ大OL陣を切り崩してロックにたどり着くことが出来なければオクラホマ州立大にとってこの試合は悪夢となる可能性大です。

ただそのオクラホマ州立大もハイスコアを望めるオフェンスを擁しています。特にパスオフェンスは1試合平均308ヤードで全米10位。QBテイラー・コーネリアス(Taylor Cornelius)は今季3862ヤードに28TD(11INT)という数字を残しており、1点差で敗れたオクラホマ大との「ベッドラムの戦い」では501ヤードを投げるパフォーマンスを見せました。対するミズーリ大ディフェンスのパスディフェンスは全米103位となる256.1ヤードということで、こちらの方はミスマッチと言えます。

互いのエアーアタックでボールが宙を舞うハイスコアゲームとなる予感大です。

ホリデーボウル

ノースエスタン大 vs ユタ大

レッドボックスボウルに続きBig TenとPac-12出身チーム同士となったホリデーボウル。ノースウエスタン大、ユタ大ともカンファレンスタイトルゲームに進出しながら敗れてタイトル奪取を逃したチーム同士でもあります。

ユタ大は先発QBタイラー・ハントレー(Tyler Huntley)を鎖骨骨折でシーズン後半失いました。その彼がホリデーボウルに間に合うのかどうかはいまだ明らかになっていませんが、彼が出場できないとなれば1年生の代役ジェイソン・シェリー(Jason Shelley)を起用せざるを得なくなり、そうなればユタ大のオフェンスはランゲームに頼らざるを得なくなるでしょう。

しかしユタ大は先発RBザック・モス(Zack Moss)も膝にシーズン絶望の大怪我を負ってこの試合には出場不可能。この状況で彼らはPac-12優勝決定戦でワシントン大と対決しましたが、案の定FGの3点しか奪うことは出来ませんでした。

ただそんな彼らにも明るい材料はあります。それは彼らのランディフェンスが全米4位という強力ユニットであること。ディフェンス陣がノースウエスタン大QBクレイトン・ソーソン(Clayton Thorson)にプレッシャーをかけ続け、ランに切り替えるように仕向けられればノースウエスタン大は何もさせてもらえなくなるでしょう。

というのもノースウエスタン大のオフェンスは今季カンファレンスレコード8勝1敗という素晴らしい数字を残してはいるものの、得点力自体はかなり手薄でパスオフェンスは全米60位、ランオフェンスは118位という不甲斐なさ。

ということで今年のホリデーボウルはロースコアで地味な試合になってしまうかもしれません。

ゲーターボウル

ノースカロライナ州立大 vs テキサスA&M大

ノースカロライナ州立大はQBライアン・フィンリー(Ryan Finley)を軸として、スコアすることに何ら苦労しないチームとして今季渡り歩いてきました。フィンリー自体は3789ヤードに24TDを記録し、QBレーティングは驚きの151.9ポイントを保持しています。そのパスヤードの多くを占めてきたのがWRケルヴィン・ハーモン(Kelvin Harmon)とジャコビ・マイヤーズ(Jakobi Meyers)ですが、ハーモンはNFLドラフトに備えるためにこの試合には出場しないことにしましたので、そのことでフィンリーのプロダクションがどれだけ低下するか気になるところ。

しかしテキサスA&M大のパスディフェンス大が全米109位であることを考えればノースカロライナ州立大はフィンリーの肩に託して相手の弱みに付け込まない手はありません。特にテキサスA&M大のランディフェンスが全米2位ということになれば、ノースカロライナ州立大はパスで相手を切り崩せなければ後がないという状況にも落ちかねません。

一方のテキサスA&M大はQBケレン・モンド(Kellen Mond)、RBトレイヴォン・ウィリアムズ(Trayveon Williams)、TEジェイス・スターンバーガー(Jace Sternberger)など駒が揃っており、ジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督1年目となった今年から彼らのオフェンスは大分様変わりをして強い相手にも立ち向かえるようになりました。来年にはSEC西地区でその存在感を示すためにもまずはこのゲーターボウルでノースカロライナ州立大を倒しておきたいところです。

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