ACCメディアデー:リキャップ①

先週行われたサウスイースタンカンファレンスのメディアデーについてはすでにお伝えしましたが、アトランティックコーストカンファレンス(ACC)も同じくメディアデーを行いました。4日間に渡って行われたSECのものとは違い2日間とコンパクトに収めたACCのメディアデー。ここでも各チームの監督から生の声を聴けるということでたくさんのメディアが集まったようです。

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それではその様子を少しここでもご紹介いたします。

フロリダ州立大

カレッジフットボールのコーチなら自分が所属しているカンファレンスが一番だと誰でも思うことでしょう。特にパワー5カンファレンスならなおのことでしょうが、フロリダ州立大ジンボ・フィシャー(Jimbo Fisher)監督はACC愛を込めてさらに突っ込んだコメントを残していました。

「我々ACCはカレッジフットボール界でもプレミアカンファレンスに成長したと思っています。SECチームやBig Tenチームとの対戦成績は8勝3敗と我々が上回っていますし、歴代最多勝率コーチトップ20のうち6人がACC出身なのです。」

昨年度ナショナルタイトルを確保したのはクレムソン大。もちろん彼らはACCの一員ですが、タイトルゲームに2年連続出場しただけでなく、誰もが目標にするアラバマ大を倒して獲得した昨年度の栄冠をして、ACCがカンファレンスとしてもSECに対抗できるまでになったと言いたいようです。また2013年にフロリダ州立大もナショナルチャンピオンに輝いていますので、クレムソン大のそれと合わせれば4年間で2つのACCチームがタイトルを獲得しているということになります。

「私は過去13年間SECでコーチングしてきました。彼らはそれはすごいカンファレンスです。またBig Tenも負けじと強豪ぞろいのカンファレンス。どちらも素晴らしいチームばかりです。しかし、最近5年間でACCチームが成し遂げたことを考えれば、我々もそのほかの強豪カンファレンスに引けを取らないカンファレンスになったと自負しています。」とフィシャー監督は付け加えました。

一昔前まではバスケットボールカンファレンスと呼ばれていたACCがここまで成長したのもアグレッシブなエクスパンションと各チームの地道なリクルーティングが実を結んだ結果なのでしょう。

フィッシャー監督がフロリダ州立大で成し遂げてきたことはアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督も大きく評価しています。今のフロリダ州立大ならどのSECチームと戦わせても勝利することができるでしょう。それでも唯一一筋縄ではいかないのはアラバマ大でしょうが、フロリダ州立大はそのアラバマ大と開幕戦で対戦することになっています。通常開幕戦は簡単に勝てそうな相手(こちらでは『カップケーキチーム』と呼ばれたりします)をスケジュールに組みますが、フィッシャー監督らはあえてこの「キング」と対戦することを選んだのです。

「私が自ら望んだ対戦カードですから、それに向けて準備万端で臨まなければなりません。彼らと対戦できるのは素晴らしいチャンスです。これこそがカレッジフットボールの醍醐味。カレッジフットボールを代表する二つの名門同士が相見えるのですから。これはACCにとっても、そしてカレッジフットボール界全体にとっても喜ばれるべき試合です。この試合で我々が現在どのくらいの力を持ったチームなのかが明らかになると思います。このようなビッグゲームは毎年組まれる訳ではありませんから、このチャンスを逃さず、我々がさらに進化を遂げるためにも貴重な経験となることでしょう。」とフィッシャー監督はこの「世紀の開幕戦」に向けた意気込みを語ってくれました。

シーズン開幕をアラバマ大戦で迎え、シーズンフィナーレをフロリダ大戦で終えるフロリダ州立大のスケジュールは全米で見ても最もも厳しいものの一つと言えるでしょう。アラバマ大とフロリダ大は共にSECチームであり、しかも彼らは昨年度のSECタイトルゲームに進出したチーム達なのです。もしフロリダ州立大が彼らをなぎたおすことができれば文句なくプレーオフ進出を果たすことになっているでしょうね。

ルイビル大

昨年開幕から度胆を抜くプレーの連発で序盤からハイズマントロフィーレースで独走態勢を築きそのまま賞を受賞したQBラマー・ジャクソン(Lamar Jackson)。彼の持ち味はそのダイナミックな機動力ですが、ボビー・ペトリノ(Bobby Petrino)監督は2017年度はジャクソンをよりポケットパサーとして起用していきたいと話しました。それがチームだけでなく、ジャクソンが将来的にプロで活躍できるのに貢献するからだということです。

「昨年まで我々のオフェンスでは稀に機能しなかったことがありました。それを修正するためにも、そしてラマーが次のステップ(NFL)で活躍するためにもそのようにチームのオフェンスを変える必要があるのです。」

ジャクソンは今シーズン後にNFLドラフト入りできる権利を獲得します。近代のNFLではその大半のチームのQBがポケットパサーであることを考えれば、ジャクソンが足だけに頼らずポケットパサーとして球を捌けるようになれば来年のドラフトで彼の株が大きく上がるという訳です。

「ルイビル大では『FTS』という言葉をよく使います。これは『Feed The Studs』(力のあるものにボールを託す)ということですが、ラマーは間違いなく『Studs』の中の一人であり、我々は彼に様々な形でボールを預けることになるでしょう。だから彼に対してポケットパサーであるようにコーチングするからといって彼の機動力を使わないということではありません。ビッグプレーを演出してくれるように彼にボールを託すということです。」とペトリノ監督は話し、チームがジャクソンを完全なるポケットパサーに仕立て上げるつもりはないとしました。

昨年ジャクソンは3543パスヤードに1571ランヤードを記録しトータルで51つものTDを奪いました。この数字だけ見てもハイズマントロフィー受賞を正当化できますが、彼の真骨頂はやはりその機動力。もしこれに大きく進化したパス能力が加われば、記録の面ではランヤードは減るかもしれませんが、チーム並びにジャクソン自身にとって長い目で見てプラスになるとペトリノ監督は踏んでいるのでしょう。2015年度にその機動力で世間を唸らせたクレムソン大のデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)が2016年度にはパスに重点を置いたプレーにシフトしたおかげでチームが全米制覇を果たし、彼自身もNFLヒューストンテキサンズにドラフトされたという前例もありますから。

ピッツバーグ大

ピッツバーグ大と言えば、昨年のサザンカリフォルニア大での開幕先発QBであるマックス・ブラウン(Max Browne)の転校先としても知られています。彼は夢のサザンカリフォルニア大の先発QBに指名されるも苦戦続きで結局その椅子をサム・ダーノルド(Sam Darnold)に奪われてしまいます。ダーノルドが先発QBとして確固たる地位を築くのを見たブラウンは新天地を求めオフシーズンにピッツバーグ大にトランスファーして来たのです。

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サザンカリフォルニア大ではある意味「脱落者」となってしまったブラウンですが、それでも彼のようなハイプロファイルなQBを迎えたピッツバーグ大では彼がそのまま先発QBとしてチームを率いていくものだと思っているファンも多いようですが・・・。

「先発QBをめぐる競争は今も続いています。春季トレーニングを終えた時点で、マックスがそれにもっとも近い選手であると言えましたが、彼自身もプレシーズンキャンプで後続のQBたちからの追撃があることを熟知しています。彼らも夏に何もしないでただ指をくわえて先発QBの座を明け渡すようなことはしません。だからQBポジションは未だレースが続いているのです。そして競争があるということは皆にとっていいことだと思っています。」とパット・ナドゥージ(Pat Narduzzi)監督は明言しました。

とは言えブラウンが先発の座にもっとも近いことは変わりないでしょう。彼は昨年のハイパワーオフェンスを牽引したネイサン・ピーターマン(Nathan Peterman)の後を継ぐことになります。またチームには万能アスリートであるカダリー・ヘンダーソン(Qadree Henderson)が健在ではありますが、チームの精神的リーダーでもあったRBジェームス・コナー(James Conner)の抜けた穴も埋めなければなりません。それに加え今年はルイジアナ州立大へ移ったオフェンシブコーディネーターのマット・カナダ(Matt Canada)氏に変わって新たにOCに就任したショーン・ワトソン(Shawn Watson)氏を招聘しています。昨年とは一味違ったピッツバーグ大攻撃陣になることが予想されます。

ジョージア工科大

以前このサイトでジョージア工科大のスケジュールが他のチームと比べて不公平だ!と叫ぶポール・ジョンソン(Paul Johnson)監督の記事を紹介しましたが、今回2018年から施行されるルール変更において、彼の不満が解消されることになりました。

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新ルールでは各チームの対戦相手がバイウィーク(試合がない週)明けとなる試合の上限を1試合としたのです。ジョンソン監督はジョージア工科大だけ対戦相手の多くがバイウィークの翌週に自分たちと試合することに腹を立てていたのですが、それが聞き入れられた形になったわけです。

「この新ルールで2018年度から全てがより平等になります。これが全てのコーチたちが望んていたことなのです。これを現実のものにしてくれたリーグ関係者や各大学の体育局長たちに感謝します。

なんでも言ってみるものなのですね。

デューク大

昨年4勝8敗と失速し連続ボウルゲーム出場記録が4つで途切れてしまったデューク大ですが、デヴィッド・カットクリフ(David Cutcliffe)監督は2017年度に向けチームは再びボウルゲームに出場することが可能なくらいまで復活すると予測しているようです。

「昨年我々が結果を残せなかったのは、チームが戦っていけるだけの状態になかったからです。しかし今年のチームは私がデューク大にやって来て以来もっとも層の厚いチームであると言えます。確かに若さが目立つポジションもあります。また修正しなければならない面も多少見受けられます。しかし私は今年のチームはデューク大として自信をモテるチームに出来上がると感じています。そしてそれはいつでもチャンピオンシップを目指せるぐらいのものです。それが我々デューク大のゴールでもあるのです。しかしそれを証明する手立てはただ一つ。勝つことだけです。」とチームの意気込みを語ってくれました。