昨年創設されたばかりのこのカメリアボウル。実は2014年以前にもカメリアボウル自体は存在していました。元々下部リーグのNCAA2部、3部の準々決勝戦としてホストした経歴があり、昨年FBSのボウルゲームに「昇格」したというわけです。
今年はサンベルトカンファレンスからアパラチアン州立大、ミッドアメリカンカンファレンスからオハイオ大が顔を合わせます。正直商業的に心細いマッチアップではありますが…。
アパラチアン州立大マウンテニアーズ (10勝2敗、7勝1敗 Sun Belt)
FBSに昇格して2年目となるアパラチアン州立大(ASU)ですが、今のところ上位カンファレンスでも良い成功を納めています。今季は二桁となる10勝を挙げボウルゲーム出場権を見事獲得。昇格2年目でボウルゲームに招待されるのは大変な業績だと思います。
FBSでももっとも貧弱とされるサンベルトカンファレンスに加盟したASUはもともと得意だったランオフェンスで即カンファレンスで上位に上り詰めました。数字的には全米でも随一のスプレッドオフェンスを要するASUは下部リーグであるFCS時代にもミシガン大に世紀の大勝利をあげたこともあり(2007年)その実力は折紙付き。今季チーム内には4選手が350ヤード以上のランヤードを記録、さらにそれぞれが1キャリー平均5ヤードという驚異的な地上戦力を持っています。特に注目すべきはRBマーカス・コックス(Marcus Cox)。コックスは今季すべての試合で100ヤード以上のランを記録。ASUのランオフェンスのコアを成します。
ASUのディフェンスも負けてはいません。FBS内で13位のスコアリングディフェンスを誇り、今季相手チームを7点以内に抑えた試合が4つもあります。ただ、その4試合というのがハワード大、オールドドミニオン大、ジョージア州立大、ルイジアナ大ラフィエット 校と弱小チームばかり。一方彼らが対戦した格上チーム、全米1位のクレムソン大とアーカンソー州立大戦では逆に40点以上の失点を犯しました。全米13位のトータルディフェンスが本物かどうか、このカメリアボウルでしっかりと証明したいところです。
最後に出場したボウルゲーム:
アパラチアン州立大にとってこれが初のボウルゲーム出場
歴代ボウルゲーム戦績:
0勝0敗
オハイオ大ボブキャッツ (8勝4敗, 5勝3敗 MAC)
大変時間がかかりましたが、オハイオ大はゆっくりとしかし確実にミッドアメリカンカンファレンス内で強豪チームと呼ばれるまで成長してきました。今季8勝4敗という好成績を納め、これでオハイオ大は7年連続ボウルゲーム出場権を獲得しました。元ネブラスカ大ヘッドコーチ、フランク・ソーリッチ(Frank Solich)の指揮するバランスのとれたオフェンスは対戦する格上とされるチームにとっては足元をすくわれかねないちょっとした驚異です。
そのオフェンスをリードするのは4年製QBデリウス・ヴィック(Derius Vick)です。今季1809パスヤード、パス成功率64パーセントというパフォーマンスを見せてきたヴィックでしたが、足首のけがにより最終2試合を欠場。バックアップのJ.D.スプラーグ(J.D. Sprague)が残り2試合に出場。ボール州立大戦では見事チームを勝利に導きましたが、彼自身も怪我を負い3番手のグレッグ・ウィンダム(Greg Windham)が出場を余儀なくされました。
彼らが出場するカメリアボウルにはヴィック、スプラーグ両選手共怪我から復帰する予定ですが、仮に彼らが間に合わなくてもオハイオ大のランオフェンスはおそらく健在だと思われます。格上とされるノーザンイリノイ大戦ではトータル230ランヤードを記録して金星を挙げましたので、誰がQBを任されたとしても地上戦で相手を打ち負かすポテンシャルを持っています。
最後に出場したボウルゲーム:
2013年 ビーフオブレディーズボウル (イーストカロライナ大37、オハイオ大20)
歴代ボウルゲーム戦績:
2勝6敗