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NFL、未開催のコンバイン招待選手を発表

NFL、未開催のコンバイン招待選手を発表

今年のコンバインは中止に

NFLドラフトまであと2ヶ月を切りましたが、通常ならばちょうど先週ぐらいにドラフトに向けて非常に重要なイベントである「スカウティングコンバイン」が行われる時期でした。

「スカウティングコンバイン」はNFLドラフト候補生をインディアナ州インディアナポリスにて一堂に集めて健康診断やら基礎運動テスト、ポジション別ドリル、更には面接やペーパーテストなどを行って実際にスカウト陣やコーチ陣が候補生たちを品定めする「見本市」のようなイベントです。

しかし新型コロナウイルスの影響で今年のコンバインはキャンセルに。候補生たちの見本市はそれぞれの大学で独自に行われる「プロデー(Pro Day)」に依存せざるを得なくなりました。

ただ、NFL側は先日もし今年コンバインが開催されていた場合にこのイベントに招待したであろう候補生たちのリストを発表しました。通常のコンバインは行われないものの、このリストに名前が載った選手たちは各地で行われるプロデーにて腕を披露することになり、夢のプロの世界への階段の前に立つことが出来たと言えるかと思います。

参考ページ2021 NFL Scouting Combine: Full list of invited prospects

このリストによると実に323人もの選手が名を連ねていますが、単純計算で224人(実際にはもう少し多い)しかドラフトで指名されないわけですから、コンバインに招待されたからと言ってプロ選手になれるという保証は無いわけです。


チーム別招待選手数

  • オハイオ州立大:13人
  • ジョージア大:12人
  • アラバマ大ノートルダム大:11人
  • フロリダ大:9人
  • ルイジアナ州立大ミシガン大テキサスA&M大:8人
  • ケンタッキーサザンカリフォルニア大:7人
  • ブリガムヤング大フロリダ州立大オクラホマ大オレゴン大、ペンシルバニア州立大ピッツバーグ大テキサス大:6人
  • クレムソン大デューク大アイオワ大マイアミ大ミズーリ大ノースカロライナ大オクラホマ州立大サウスカロライナ大スタンフォード大:5人

上位4チームのうち3チーム(アラバマ大、オハイオ州立大、ノートルダム大)が昨年度CFP(カレッジフットボールプレーオフ)に出場を果たしたチームとあり納得の結果に。その他にも強豪チームが名を連ねています。

そしてこの数字から分かることはそれぞれのチームがそれだけの人数の先発選手を失うということ。オハイオ州立大は13人のプロ候補をコンバインに送り込んでいたかもしれないということで彼らの層の厚さを物語っては居ますが、逆に言えば2020年度の先発陣から13人もの選手が抜けるということを意味します。これを2021年度シーズンには補填しなければいけないわけですから、オハイオ州立大としては手放しで喜べません。

実際2019年度のナショナルチャンピオンだったルイジアナ州立大は2020年のNFLドラフトで史上最多タイとなる14人をNFLへ送り込みましたが、その後のシーズンとなった昨年度はチームの戦力ダウンは明らかで5勝5敗と惨敗。リクルーティングで毎年トップクラスを維持しているオハイオ州立大ですから選手の層は厚いと思われますが、来年度どのようなチームを送り込んでくるか見ものです。

ポジション別招待選手数

  • QB:13人
  • RB:25人
  • WR :50人
  • TE:19人
  • OL:56人(OG:12、OT:36、C:8)
  • DL:52人(DT:21、DE:31)
  • LB:32人
  • DB:67人(CB:44、S:23)
  • SP:9人(K:4、P:4、LS:1)

圧倒的に多いのはDB陣で特に浪費の激しいCBです。またWRも単体としては50人とかなり多め。この2つのポジションはスピードだけでなくアジリティや瞬発力など最上級の能力を必要とされるため、なかなかプロの世界でも長い間一線で活躍するのが難しいポジションとされています。またハムストリング(裏腿)を怪我しやすいポジションとしても知られ、ハムストリングの肉離れを起こしてしまえば4週間から6週間の戦線離脱は珍しくありません。すなわち需要が高いポジションとも言えます。

またOTの36人というのも昨年に続きかなり多めの数字です。昨年のドラフトでは合計20人のOTがドラフトされましたから、今年もOT豊作の年となるかも。

メジャーじゃなくても!

NFLドラフトにおいてとかく注目を集めるのはNCAAでも1部でさらにその上位リーグと言われるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)に所属するチームの選手たちですが、毎年のようにFBS以外の中堅以下のカンファレンスやチームに所属する選手でもドラフトで高順位で指名されるほどの能力を持った選手が存在します。

今回の「コンバインに招待された選手リスト」を見てみても強豪チーム出身チームに混じってFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)勢やさらにそのしたのNCAA2部3部のチーム出身者の名前を見つけることが出来ます。

  • セントラルアーカンソー大(FCS)
    • ロバート・ロシェル(CB)
  • セントラルミズーリ大(D2)
    • ザック・デーヴィッドソン(TE)
  • チャールストン大(D2)
    • マイク・ストラチャン(WR)
  • グランブリング州立大(FCS)
    • デイヴ・モアー(OG)
  • イリノイ州立大(FCS)
    • ドリュー・ハイムルマン(OT)
    • クリスチャン・アップホフ(S)
  • ニコルス州立大
    • ダイジーン・ディクソン(WR)
  • ノースカロライナセントラル大
    • ブライアン・ミルズ(CB)
  • ノースダコタ州立大(FCS)
    • トレイ・ランス(QB)
    • ディロン・ラダンズ(OT)
  • ノーザンアイオワ大(FCS)
    • スペンサー・ブラウン(OT)
    • エラーソン・スミス(DE)
  • サウスダコタ州立大(FCS)
    • ケイド・ジョンソン(WR)
  • ウィスコンシン大ホワイトウォーター校(D3) 
    • クウィン・メイナーズ(OT)

この中から夢の切符を掴むことのできる選手が現れるか・・・。

各地の主なプロデーの予定

前述の通りNFLスカウトコンバインが行われない代わりに実技披露の場は各大学で開催されるプロデーに一任されることになりました。その中でも主なチームのプロデーの予定をご紹介しておきます。

  • 3月5日:カンザス大
  • 3月9日:カンザス州立大、ノースウエスタン大
  • 3月10日:アーカンソー大、メリーランド大、ウィスコンシン大
  • 3月11日:クレムソン大、テキサス大
  • 3月12日:ノースダコタ州立大、オクラホマ大
  • 3月15日:陸軍士官学校、ヴァンダービルト大
  • 3月16日:ジョージア工科大、テンプル大
  • 3月17日:アリゾナ大、ジョージア大、イリノイ大、ピッツバーグ大
  • 3月18日:アーバン大、バッファロー、スタンフォード大、ウエストバージニア大
  • 3月19日:メンフィス大、テキサスクリスチャン大
  • 3月22日:空軍士官学校、フロリダ州立大、アイオワ大、ミズーリ大
  • 3月23日:アラバマ大、アイオワ州立大、パデュー大、ネブラスカ大
  • 3月24日:ミシガン州立大、ミシシッピ州立大、サウスカロライナ大、サザンカリフォルニア大、バージニア大
  • 3月25日:ミシシッピ大、ペンシルバニア州立大、サザンメソディスト大、テネシー大
  • 3月26日:ボストンカレッジ、ブリガムヤング大、ミシガン大、バージニア工科大
  • 3月29日:アリゾナ州立大、デューク大、マイアミ大、ノースカロライナ大、ワシントン州立大
  • 3月30日:ルイビル大、オハイオ州立大、テキサスA&M大、ワシントン大
  • 3月31日:ベイラー大、ボイジー州立大、フロリダ大、ケンタッキー大、ルイジアナ州立大、ノートルダム大、ウェイクフォレスト大
  • 4月1日:ミネソタ大、オクラホマ州立大、オレゴン州立大、セントラルフロリダ大
  • 4月2日:インディアナ大、オレゴン大
  • 4月7日:テキサス工科大

今年のNFLドラフト本番は4月29日から5月1日に行われる予定です。

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