レシーバーとしてはスナップ後の立ち上がりが素早くルートに乗るのが非常に上手い上、2列目でLBとのミスマッチを何度も生み出していました。またワン・オン・ワンの状態になったとしてもディフェンダーを薙ぎ倒すことができるフレームとパワーも持ち合わせています。またブロッカーとしても安定した技術を保持しており、ただパスを捕るだけのTEというわけではありません。

コンバインでの40ヤードが4.7秒ということで足がものすごく速いというTEではありませんし、その他の数値を見ても運動能力がモンスター級というわけでもありません。そういった意味ではプレーメーカーなTEというわけではないかもしれませんが、安定感のある堅実なTEを欲しているチームにニーズが大いにありそうです。

AGSの選ぶメイヤーのベストゲーム

ブリガムヤング大戦（2022年度）

当時全米16位だったブリガムヤング大とラスベガスのアレジアントスタジアムで対戦したノートルダム大はメイヤーの11キャッチ118ヤード2TDの活躍もあり28対20で番狂せを披露。この試合でメイヤーはTEとしての最多レセプション数でスクールレコードを樹立しています。

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ダーネル・ワシントン（ジョージア大）

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カレッジキャリアスタッツ

	REC (#)	REC (YD)	AVG (YD)	TD
2020	7	166	23.7	0
2021	10	154	15.4	1
2022	28	454	16.2	2

2021年と2022年は後輩TEブロック・ボワーズ（Brock Bowers）にTE1の座を譲りますが、ブロックがメインのオールドスクールTEとして6フィート6インチ（約198センチ）270バウンド（約122キロ）の巨漢を活かしてその存在感を大いにアピールしていました。

レシーバーとしての特長はやはり何といってもそのフレームの大きさ。彼ほどの的の大きさを誇ればQBとしてもターゲットとして見つけやすいはず。そしてパスを取ることのできる範囲が広いのも大きな魅力。多少のコンタクトを受けても負けずにボールをキャッチすることが可能。ハンドスキルに優れているわけではありませんが、それは手の大きさでカバーできてしまいそうです。

またランゲームでのブロッカーとしてもその巨体を活かして相手エッジラッシャーをしっかりと食い止めることができる技術を持っています。またその体格に似合わず体重を崩されても持ち直すことができる粘り強さも持ち合わせています。またダウンフィールドでのブロッキングも秀逸でここでも体格を生かしたプレーを見せることができます。

ただ、前述の通りボワーズの影に隠れ3年間でのスタッツが乏しい（45回のキャッチで774ヤードに3TD）ことで、サンプルサイズが小さいところがネック。そういった意味ではある種の賭けとも言え、ブレークするかもしれないしバストとなる可能性も・・・。しかしやはりこのサイズ感は見逃すことはできません。

AGSの選ぶワシントンのベストゲーム

ミシシッピ州立大戦（2021年度）

このミシシッピ州立大戦でワシントンは2021年度のSECタイトル戦で獲得して以来のTDを記録。捕球数5回で60ヤード（1キャッチ平均12ヤード）を記録し45対19で相手を蹴散らすのに一役買いました。

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ダルトン・キンケイド（ユタ大）

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カレッジキャリアスタッツ

	REC (#)	REC (YD)	AVG (YD)	TD
2018	24	374	15.6	11
2019	44	835	19.0	8
2020	1	14	14.0	0
2021	36	510	14.2	8
2022	70	890	12.7	8

FCS（フットボールチャンピオンシップサブディビジョン）のサンディエゴ大でカレッジキャリアをスタートさせたダルトン・キンケイド（Dalton Kincaid）は新型コロナで揺れた2020年にユタ大へ転校。その翌年である2021年と2022年にチームは2年連続でPac-12カンファレンスを制してローズボウルへ出場。昨年のローズボウルこそNFL入りを見越して出場しませんでしたが、その頃には今年のNFLドラフトのTEプロスペクトの中でトップクラスに躍り出ていました。

もともとバスケットボールをプレーしていたという背景もあり、長身（6フィート4インチ/193センチ）ながら非常に運動神経に長けた選手。ボディーバランスも良く、オフターゲットのボールにアジャストするのもこなすことができます。またそれなりのクイックネスも持ち合わせており、相手ディフェンダーとのスペースを作り出すことが非常に上手い選手。そしてキャッチした後の舵取りも○。

ただランブロッカーとしての評価はあまり良くないようです。今後プロでカレッジよりもより早く強いラッシャーを食い止めるには今のところは役不足と言われていますので、ショートヤードのランプレーなどには不向きなのかも。またコンバインでのメディカルチェックで発覚した腰の骨の骨折（サイズはかなり小さいようですが）の状態も気がかりです。

今年のTE勢はそれぞれが各々の特徴を持つ人材が揃っていますが、キンケイドはどちらかと言えばレシーバー寄りのTEといえそうです。あともう少し背丈があれば文句はなかったかもしれませんが（6フィート4インチ）、持ち前のハンドスキルとクックネスで近代のNFLのスキームにて徴用される選手になるかもしれません。

AGSの選ぶキンケイドのベストゲーム

サザンカリフォルニア大戦（2022年レギュラーシーズン）

昨年レギュラーシーズン中に対戦したサザンカリフォルニア大（USC）戦、キンケイドは16キャッチに234ヤード（1TD）という鬼神の如き活躍で7位だったUSCを43対42で破る大金星獲得に大いに貢献。ユタ大のTEとしては1988年にカール・ハリー（Carl Harry）が記録した255ヤード以来のヤード獲得となりました。

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タッカー・クラフト（サウスダコタ州立大）

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カレッジキャリアスタッツ

	REC (#)	REC (YD)	AVG (YD)	TD
2020	7	90	12.9	0
2021	65	773	11.9	6
2022	27	348	12.9	3

NCAA1部の上位カンファレンス群であるFBS（フットボールボウルサブディビジョン、旧I-A）の下位サブディビジョンともいえるFCS（フットボールチャンピオンシップサブディジョン、旧I-AA）に属するサウスダコタ州立大は、昨年度自身初となるFCSナショナルチャンピオンに輝きましたが、そこに所属するのがこのTEタッカー・クラフト（Tucker Kraft）。

6フィート5インチ（約195センチ）で255パウンド（約115キロ）という体型からも、ウエイトルームでガチガチに鍛えたことがよく分かりますが、そのフレームには似つかないクイックネスを備えたTE。直線でのスピードも平均以上のものを持っていますが、彼が重用されたのはクロス、フラット、カールといったミドルレンジでのパスプレー。2列目のLBとならばミスマッチを誘うことも十分可能でしょう。キャッチ後はスピードで抜き去るというよりもディフェンダーを引き連れてヤードを稼ぐといったイメージ。

またランゲームではサウスダコタ州立大がラン基調のオフェンスだったこともあり、クラフトのブロック力には定評があると言われています。とくにダウンブロッキングでは相手ディフェンダーを吹き飛ばすほどのスキルとパワーを備えており、パワープレー系で威力を発揮しそうです。

ただプレーしてきた界隈がFCSということで、プロレベルでは当然これまで対峙してきた相手の何倍も強く速く巧い選手を相手にしなければならなく、その点は未知数だとも言えます。そういった意味ではプロレベルでの育成が必要なのかもしれませんが、FCSからの刺客として周囲を驚かせてほしいと思わせてくれる選手です。

AGSの選ぶクラフトのベストゲーム

モンタナ州立大戦（2022年FCS準決勝戦）

FCSプレーオフの準決勝戦、サウスダコタ州立大はモンタナ州立大と対戦。この試合でクラフトは4回の捕球で69ヤードに1TDを記録。チームのナショナルタイトルゲーム進出に貢献しました。

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その他の候補者たち

ルーク・マスグレイヴ（Luke Musgrave、オレゴン州立大）
サム・ラポータ（Sam LaPorta、アイオワ大）
ルーク・スクーンメーカー（Luke Schoonmaker、ミシガン大）
ブレントン・ストレンジ（Brenton Strange、ペンシルバニア州立大）
デーヴィス・アレン（Davis Allen、クレムソン大）
キャメロン・ラトゥ（Cameron Latu、アラバマ大）
ザック・カンツ（Zack Kuntz、オールドドミニオン大）

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当サイトのポッドキャストにてドラフトプロスペクトに精通されているTamagoさんに来たるドラフト候補生からなる「All Tamagoチーム」を選んでいただいています。ドラフトに備えて非常に面白いエピソードとなっていますので、まだ試聴されていない方はぜひ！！