元フロリダ大リクルートでアリゾナ州立大へ転校し今年からジョージア大にやってきたジェイデン・ラシャーダ(Jaden Rashada)が、そのフロリダ大および同大監督のビリー・ネイピアー(Billy Napier)監督をこのオフ中に訴えました。
2021年時に多數の強豪校からリクルートを受けていたラシャーダ。彼は高校生ながらNIL(Name/Image/Likeness、肖像権を用いてお金を稼げる仕組み)を通じてスポンサーを取り付けた初の高校生アスリートになっていました。
その彼が進学を決めたのはマイアミ大。というのも、マイアミ大に行くことで更に950万ドル(1ドル100円計算で約9億5000万円)もの巨額のNILディールを約束されていたからだと言われていました(ラシャーダ自身はこれを肯定していませんが)。
しかしマイアミ大へ進学すると公言したあとも彼を熱心にリクルートしていたのがフロリダ大でした。そしてフロリダ大のコレクティブ(NILを斡旋する第三者機関)はマイアミ大NILディールのカウンターディールとも言える、総額1385万ドル(約13億円)の巨額のNILディールをラシャーダに提示。そして彼はこれに尻尾を振ってフロリダ大進学を決めたのです。
しかし、後にこのディールがおじゃんになったことで、ラシャーダ側は話が違うとフロリダ大側に進学の取り消しを要求(すでにNLI/National Letter of Intentにサインしてしまったあとだったため)。一悶着あったものの、フロリダ大はラシャーダの進学を無条件で白紙に戻し、彼はというとアリゾナ州立大へ進学していました。
またこれとは別に、もしナショナルサイニングデー(NLIに正式にサインする日)にフロリダ大進学の書類にサインをすればボーナスとして100万ドルを上げるとネイピアー監督に言われていたと主張していました。このお金は払われなかったようですし、ネイピアー監督もこの話を完全否定しています。
とはいえ、もしマイアミ大に残っていれば950万ドルのNILディールが約束されていたのに、フロリダ大がありもしないNILディールをちらつかせたことでマイアミ大を蹴ってフロリダ大に進学したのに、それがおじゃんになったことでラシャーダ側は大損失を被ったわけです。ということで、ラシャーダ側がこの度賠償金1000万ドル(約10億円)を求めて裁判を起こしたというのが話の流れです。
大学に入る前からそのような超巨額のお金が動いていることも驚きですし、またまだ大学レベルでプレーもしていない、17〜18歳の選手に投資するには額が逸脱しているとも言えます・・・。
またネイピアー監督が本当に100万ドルを約束していたというのなら、これは完全なるメジャーな規則違反です。
ネイピアー監督はフロリダ大で2年間指揮していますが、ここまで11勝14敗と散々な上にこんな裁判で訴えられるとは・・・。いいところがまったくなく、今年なんとか上昇気流に乗らなければ彼の首も危なそうです。
ついでに、ラシャーダはアリゾナ州立大からジョージア大に転校しましたが、ジョージア大とフロリダ大は言わずとしれたカレッジフットボール界を代表するメジャーなライバル関係にあります。こうなると今年の11月2日のジャクソンビル対決が今から楽しみになりそうです(ラシャーダが先発することはおそらくないでしょうが)。