先週は「パワー5」カンファレンスのタイトルゲーム及びカレッジフットボールプレーオフにどのチームが出場するのかと言う話題で持ちきりでしたが、一方で「グループオブ5」カンファレンスたちもそれぞれ優勝決定戦を行いリーグチャンプを決定しました。それをここではおさらいしてみたいと思います。
スコット監督のファイナルダンス
セントラルフロリダ大 62、メンフィス大 55
アメリカンアスレティックカンファレンス(ACC)の優勝決定戦はセントラフロリダ大とメンフィス大の間で争われましたが、この試合はリーグ制覇だけでなく勝者が俗に言う「ニューイヤーズ6ボウル」のいずれかに招待されると言うこともあり非常に重要なマッチアップとなりました。
試合は両チームが点を取り合う展開となり、第4Q残り10分足らずでセントラルフロリダ大が2TD差のリードを奪いこのまま逃げ切るかと思われましたが、メンフィス大も負けじと2つのTDを奪い返して同点となり、さらに残り時間2分半でメンフィス大が自陣43ヤード地点から攻撃を開始し、FGの射程距離に進撃します。そのキックをセントラルフロリダ大がブロックしたかに見えましたが、その直前にスコット・フロスト(Scott Frost)監督がタイムアウトをとっており、メンフィス大に再び勝ち越しのチャンスが訪れます。が、そのキックは大きく左に外れ48対48のまま試合はオーバータイムへ。
お互いがTDを奪い合った後に迎えたダブルOT。セントラルフロリダ大が先制した後、迎えたメンフィス大の2nd & ゴールと言う状況でメンフィス大QBライリー・ファーガソン(Riley Ferguson)のパスをセントラルフロリダ大のトレ・ニール(Tre Neal)がインターセプトしゲームオーバー。劇的な幕切れで全米唯一のセントラルフロリダ大がAACタイトルの栄冠を手に入れ、全米唯一となる無敗を守りました。
またこの試合中まだゲームは終わっていないのにもかかわらず、スコット監督が母校のネブラスカ大の監督に就任すると言う速報ニュースが入る珍事が起きました。再終了直後のインタビューで非常に感情的になっているフロスト監督にこの質問をぶつけると、彼は涙目になりながら「今はただこの勝利をチームとともに分かち合うだけです」と話していました。
Thank you @coach_frost. What you did this year was special. Best of luck in Nebraska. pic.twitter.com/HInHttyUxm
— Barstool Knightly (@UCFStool) December 2, 2017
結局翌日には実際にフロスト監督がセントラルフロリダ大を離れてネブラスカ大の新監督に就任することが発表されました。若く才能溢れるフロスト監督がたった2年で全敗だったチームを全勝チームまでに再建した手腕は確かなもので、それはネブラスカ大でも大いに期待されるものになるでしょう。選手たちにしてみればフロスト監督のようなリーダーを失うのは大変な痛手でしょうが、今はこの全勝シーズンとピーチボウル(アーバン大と対戦)出場を心ゆくまで楽しんでもらいたいものです。
Lane Did It!!
FAU 41、ノーステキサス大 17
元アラバマ大のディフェンシブコーディネーターで今季からフロリダアトランティック大(FAU)の監督に就任しているレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督ですが、チームが出場したカンファレンスUSAの優勝決定戦にてノーステキサス大を41対17と寄せ付けずに勝利してチーム史上初のリーグタイトル獲得に貢献しました。
この試合に勝ったことでFAUは連勝記録を9つに更新。そしてカンファレンス戦でも無敗を守るなど、キフィン効果は抜群。オフェンスマスターと呼ばれるキフィン監督が操る攻撃陣はこの日も爆発し、WRカリブ・ウッズ(Kalib Woods)はスクールレコードとなる208レシーブヤードを記録するほど。全体でも633ヤードをノーステキサス大ディフェンスから奪い力の差を見せつけました。
これで10勝2敗と言う素晴らしい戦績を残したFAUですが、これはキフィン監督にとっても2011年度に率いたサザンカリフォルニア大が残した10勝2敗に並ぶ自身最多タイ勝利記録となりました。彼が就任する以前の2年間(2015年と2016年)はどちらも3勝9敗だったことを考えるとキフィン監督が無し得たことは筆舌に尽くし難い偉業と言えます。しかも先発選手の中には今年トライアウトで入部してきたような選手もいるほど決して層が厚いとは言えないチームをここまで短期間で育て上げたのですから。
トレド大が13年ぶりの栄冠を獲得
トレド大 45、アクロン大 28
今季この試合まで10勝2敗と二桁勝利をすでに納めていたトレド大は7勝5敗のアクロン大と対戦。試合は両チームの今季の勝ち星が示すようにトレド大が圧勝。45対28でアクロン大を下し2004年度シーズン以来のミッドアメリカンカンファレンス(MAC)の頂点に立ちました。
トレド大はQBローガン・ウッドサイド(Logan Woodside)が4TDを含む307パスヤードを記録し、WRのテリー・スワンソン(Terry Swanson)はそのうちの180ヤードと2TDを一人で獲得。またディフェンス陣もアクロン大オフェンス陣を最初の3Qで合計123ヤードに抑える圧倒的格差を見せつけて相手を一蹴したのでした。
ボイジー州立大が雪辱を晴らす
ボイジー州立大 17、フレズノ州立大 14
マウンテンウエストカンファレンスのタイトルゲームは前週に行われたのと同一カードとなるボイジー州立大とフレズノ州立大との間で行われました。前哨戦となった先週の試合は28対17でフレズノ州立大に軍配が上がっていましたが、このタイトルゲームではロースコアのディフェンスゲームとなり、結果的に第4Q残り5分を切ったところでボイジー州立大のRBライアン・ウォルピン(Ryan Wolpin)の2ヤードランTDで彼らが逆転し、ディフェンス陣も後半フレズノ州立大に得点を許さず、17対14と言う接戦を制しました。これでボイジー州立大にとっては過去4年間で2つ目のリーグタイトル。勝利数も10勝3敗と勝利数が二桁台に乗り、かつて「BCSバスター」と呼ばれ数々の強豪校を苦しめるも、それを影で演出し続けたクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督がワシントン大へ旅立って行ったことでチームの戦力は落ちるかと思われながら、こうして未だに多くの白星を飾ることができるのは素晴らしいことだと思います。
サンベルトカンファレンスの栄冠は・・・
FBSの中で唯一タイトルゲームを開催しないサンベルトカンファレンスは今季も昨年に続き2チームが同時優勝すると言う状況に陥りました。
先週のシーズンフィナーレを迎えるにあたり、アパラチアン州立大、トロイ大、アーカンソー州立大がそれぞれカンファレンス戦績で6勝1敗と並んでいました。アパラチアン州立大はルイジアナ大ラフィエット校を63対14で一蹴。またトロイ大とアーカンソー州立大は直接対決を行いトロイ大が32対25で競り勝ち、結果としてアパラチアン州立大とトロイ大がカンファレンスタイトルを分け合うことになったのでした。
ちなみにサンベルトカンファレンスは来年から他のFBSカンファレンスと同じように二地区制度を敷いてカンファレンス優勝決定戦を設けることになっています。