- 試合予定
- 2022年度戦績 (8-5)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
テキサス州オースティン市
所属カンファレンス
Big-12
ホームスタジアム
ハスキースタジアム
通算戦績
936勝389敗33分け
通算ボウルゲーム戦績
31勝24敗2分け
ヘッドコーチ
スティーヴ・サーキジアン
13勝12敗(3年目)
59勝47敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
2005年度
前回Big 12優勝年度
2009年度
前回ボウルゲーム出場年度
2022年度(アラモ)
AP
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Coaches
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見どころ
名門テキサス大は2005年度シーズンにナショナルタイトルを獲得。2009年にはBig 12カンファレンスを制覇していますが、以来そういったタイトルからは遠のいてしまっています。当時のHCであるマック・ブラウン(Mack Brown、現ノースカロライナ大)監督を2013年度シーズン後に解雇してからこれまでチャーリー・ストロング(Charlie Strong、現アラバマ大アナリスト)氏、トム・ハーマン(Tom Herman、現フロリダアトランティック大)氏に復活を託してきましたが、いずれも失敗に終わっています。
堪忍袋の尾が短いといわれるテキサス大の運営者やサポーターからの期待値のハードルがめちゃくちゃ高いと言われる中、その業火に敢えて飛び込んで行ったのが現在3年目を迎えるスティーヴ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督です。
元はブリガムヤング大でスターQBだったサーキジアン監督は2000年代に絶頂期だったサザンカリフォルニア大のピート・キャロル(Pete Carroll、現シアトルシーホークス)監督に師事。2009年にワシントン大の監督に就任すると、彼の親友でもあるレーン・キフィン(Lane Kiffin、現ミシシッピ大)監督が解雇されて空きが出ていたサザンカリフォルニア大の監督に2014年に就任します。
しかしここでアルコール依存症に悩まされ、チームを指揮することができないほどに健康状態が悪化したこともあって監督職を解かれてしまいます。が、2016年に1年ほどアラバマ大でアナリストを務め、この年チームはナショナルタイトルゲームに出場しますが、その数日前に当時オフェンシブコーディネーターだった前出のキフィン氏がチームを去った(決別した)ため、クレムソン大とのタイトルゲームで急遽このサーキジアン氏がOCを務めたという経緯もあります(試合はデショーン・ワトソン率いるクレムソン大に敗退)。
その後2017年から2年間NFLアトランタファルコンズでOCを務め、2019年からアラバマ大に戻ってきてOCを任されます。ここではトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa、現マイアミドルフィンズ)、マック・ジョーンズ(Mac Jones、現ニューイングランドペイトリオッツ)を指導。2020年には全米制覇も成し遂げました。
その腕を買われて2021年にテキサス大から白羽の矢が立ち、ロングホーンズ再建を託されたわけです。
初年度の2021年は5勝7敗と負け越しましたが、2022年度は8勝5敗と勝ち越し、地元テキサス州での期待度は膨らんでいます。ただ先も言ったようにテキサス大ファンは気が短く、前任のストロング氏もハーマン氏も4年以上生き延びることはできませんでした。それを考えるとサーキジアン氏は8勝以上を手に入れなければ途端に批判の矢面に立たされる可能性はあります。
そのテキサス大の鍵を握っていると言えるのがQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)。高校時に全米トップクラスの評価を受けてオハイオ州立大に入部するもC.J.ストラウド(C.J. Stroud、現ヒューストンテキサンズ)の壁に阻まれ早々に出場機会を求めて転校。その新天地に選んだのがテキサス大でした。今年からチームにはあのペイトン、イーライを叔父に持つサラブレッドのアーチ・マニング(Arch Manning)も入部してきましたが、ユワーズが先発を死守。ただ彼が苦戦すればファンからマニングを欲する声がすぐにでも湧いて出てくるかもしれません。
そのユワーズのパスをキャッチするWR陣は魅力的。昨年のリーディングレシーバーであるゼイヴィアー・ウォーシー(Xavier Worthy)とジョーダン・ウィッティントン(Jordan Whittington)が健在。さらにジョージア大からの転校生アドナイ・ミッチェル(Adonai Mitchell)に加えポテンシャルの高い若いWR選手が待機済み。ユワーズの武器となって多くの数字を残してくれるでしょう。
ただチームからは稀代のRBとも言われたビジャン・ロビンソン(Bijan Robinson)がNFL入りして離脱。彼の穴を埋めるのはそう簡単ではありません。ロビンソンの後継者となる候補には彼のバックアップだったジョナサン・ブルックス(Jonathan Brooks)、アラバマ大からの転校生ケイラン・ロビンソン(Keilan Robinson)、さらには今年度のリクルーティングクラスでナンバーワンRBの呼び声が高い新人のC.J. バクスター(C.J. Baxter)が控えます。どの選手がRB1となるのか見ものです。
OL陣を見ると昨年の5人が全員今年も戻ってきておりここは非常に心強い点。とくに昨年フレッシュマンオールアメリカン(1年生限定で選出されたオールアメリカン選手)に選ばれたLTケルヴィン・バンクス・Jr(Kelvin Banks Jr)は将来性抜群だと言われています。
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先シーズンのテキサス大は8勝5敗と中の上程度の戦績しか残せませんでしたが、要所で光るパフォーマンスを見せていました。その中の一つがディフェンシブライン陣。
テキサスのDLユニットは昨年全米1位となるQBプレッシャー率を誇り、相手OLならびにQBを大いに困らせました。その当時のメンバーであるバーリン・ソレル(Barryn Sorrell)とテヴァンドレ・スウェット(T’Vondre Sweat)が今年も帰ってきており、彼らに加えてバイロン・マーフィー・II(Byron Murphy II)も今季のDL陣の一角を担います。
2列目には昨年119タックルに10TFL(タックルフォーロス)、4INT、3ファンブルフォース、2ファンブルリカバーを記録した超人的LBジェイレン・フォード(Jaylan Ford)が構えます。今年4年生となったフォードは今季の活躍次第では来年のNFLドラフトでLB界隈でトップピックになっている可能性も十分ありそうです。
そしてテキサス大のディフェンシブバックフィールドは経験値豊かなユニット。5人中3人(テキサス大ディフェンスはベースが4-2-5)が昨年の先発メンバーで、それぞれが今年4年生というベテラン揃い。
その中でも注目なのがニッケルバックのジャダエ・バーロン(Jadae Barron)。昨年彼はチーム最多となる11.5TFLを記録したハードヒッター。これにジェリン・トンプソン(Jerrin Thompson)とライアン・ワッツ(Ryan Watts)が脇を固め、おまけに元アーカンソー大のジェイレン・カタロン(Jalen Catalon)と元ウェイクフォレスト大のギャヴィン・ホルムス(Gavin Holms)が加わってこのユニットは安泰といえそうです。
スケジュール
テキサス大のスケジュールでなんと言っても目を引くのは第2戦目のアラバマ大戦。
昨年はホームにアラバマ大を迎え相手を追い詰めるも、ユワーズが負傷退場し、さらにハイズマントロフィー受賞QBブライス・ヤング(Bryce Young、現カロライナパンサーズ)の個人技もあって19-20で惜敗しました。
今季のテキサス大は昨年よりも戦力が充実し、アラバマ大からはヤングも去ったこともあり是非とも雪辱を果たしたいところ。そうなれば一気にトップ10入りは間違いありません。ただ今回の開催はアラバマ大のホームなのでやりづらさは否めません。
10月9日に予定されているライバル・オクラホマ大との「レッドリバーの戦い」も当然注目すべきカード。昨年はテキサス大が49対0でオクラホマ大を完膚なきまでに叩きのめしました。オクラホマ大は当然リベンジに燃えているでしょうから、昨年の大勝にうつつを抜かしていると足元をすくわれかねません。
また、古き良きサウスウエストカンファレンス(SWC)時代のリーグメイトだったヒューストン大との対戦は胸熱です。テキサス大がBig 12に鞍替えして以来別々のカンファレンスに所属しており、最後に対戦したのが2002年。しかしながらヒューストン大(ならびにセントラルフロリダ大、シンシナティ大、ブリガムヤング大)がBig 12に今年から合流することでこのカードが復活します。
その他には昨年のカンファレンスチャンピオンであるカンザス州立大や昨年CFP(カレッジフットボールプレーオフ)の決勝戦まで駒を進めたテキサスクリスチャン大戦も控えますが、テキサス大は持てる力を有効に発揮すればリーグタイトルは夢ではありません。勝つべき試合をしっかりと取りこぼさないことが重要となるでしょう。