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ブロイルズ賞のファイナリスト

ブロイルズ賞のファイナリスト

チームの成功を左右するのはヘッドコーチの手腕であったり、スター選手であったりすることは目に見えてわかりますが、それと同じ、もしくはそれ以上にチームの出来に貢献しているのはアシスタントコーチ、特にオフェンシブ・ディフェンシブコーディネーターと呼ばれる人物たちです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

実際の試合で監督自身がオフェンスやディフェンスのプレーコールを行うチームもありますが、殆どの場合現場でプレーコールを行うのはコーディネーターたちです。ここで成功すれば将来どこかでヘッドコーチになれるということもあり、コーチング界に身を置く人にしてみればコーディネーターに任命されるのは監督就任への大きな一歩となります。

もちろん敏腕コーディネーターになるには膨大な知識と弛まぬ研究が不可欠ですので、コーディネーターになったからといってそれが監督職に直結するとは限りません。しかし次世代を担う監督候補とされるコーディネーターは全米各地に存在し、そういった金の卵を発掘しようとする大学、そして監督という最大の夢に向かって努力するコーディネーターたちが渦巻いているのです。

そこで毎年カレッジフットボール界では最優秀コーディネーターを選出して彼らにもスポットライトを当てようというアワードが贈られます。それが「ブロイルズ賞」。そして今年もそのアワードのファイナリスト5人が発表されました。

ジェイ・ベイトマン(Jay Bateman)

陸軍士官学校DC

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今季陸軍士官学校は9勝2敗と絶好調でAPランキングでは23位にランクされています。その原動力となっているのは守備陣の活躍。今季ランディフェンスで全米12位、パスディフェンスで全米28位、トータルディフェンスで11位という驚きの数字を残し、あのオクラホマ大との試合でもあともう少しで世紀のアップセットを起こすところまで彼らを苦しめました。

そのディフェンスを指揮するベイトマン氏がノミネートされました。


マイク・ロックスリー(Mike Locksley)

アラバマ大OC

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今季のアラバマ大がこれまでと違う最大の点はパスでも相手ディフェンスを崩すことが出来るようになったことです。これまでなら鉄壁のディフェンスと試合の流れをコントロールするランオフェンスでチームを組み立ててきましたが、今年はパスで全米6位というこれまでのアラバマ大では考えられない数字を残し、トータルでも全米4位とトップクラスの攻撃力を誇っています。

もちろんそれを体現するのはハイズマントロフィー最有力候補QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)ですが、彼ばかりがクローズアップされる中オフェンスを組み立てているロックスリー氏の貢献度も忘れてはなりません。かつてニューメキシコ大で監督を努め、メリーランド大でも臨時監督を任されたことのあるロックスリー氏がアラバマ大オフェンスを次レベルに進化させたことは評価されるべきことです。

チップ・ロング(Chip Long)

ノートルダム大OC

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ノートルダム大が今年無敗の快進撃を続けている要因にはオフェンスの進化が挙げられるでしょう。特に開幕時の先発QBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)をベンチに下げイアン・ブック(Ian Book)を新先発QBに起用してからの彼らのオフェンスのレベルアップが現在の全米3位という位置にまでチームを押し上げたのです。

もちろんその決断を最終的に下したのはブライアン・ケリー(Brian Kelly)監督ですが、ブックの才能に合わせてプレーブックを適応させたロング氏の手腕も忘れてはなりません。

ジェフ・スコット(Jeff Scott)

クレムソン大OC

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クレムソン大も上に挙げたノートルダム大のように先発QBをシーズン途中で入れ替えたチーム。彼らの場合はケリー・ブライアント(Kelly Bryant)に変えてルーキーのトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)を投入したのですが、それを良しとしないブライアントがクレムソン大を退部したといういざこざまで生まれてしまいました。

しかしローレンスが先発を務めて以来クレムソン大のオフェンスはアンストッパブル。もちろん2018年のリクルーティングクラスで全米ナンバーワンの呼び声が高かったローレンスの才能もありますが、1年生QBをベテランQBに見せてしまうようなプレーブックを用意したスコット氏の貢献度は見逃せません。

ボブ・シュープ(Bob Shoop)

ミシシッピ州立大DC

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今季から新監督として元ペンシルバニア州立大OCのジョー・モアヘッド(Joe Moorhead)監督を起用しているミシシッピ州立大。モアヘッド監督はその手腕でペンシルバニア州立大オフェンスを復活させ、2016年にはBig Tenチャンピオンに、そして昨年は11勝を挙げフェイスタボウルで強力ディフェンスを持つワシントン大から勝利を奪いました。

そんなオフェンスの鬼才とも言えるモアヘッド監督就任1年目のミシシッピ州立大にとって攻撃陣には何ら問題ないと思われていましたが、焦点は彼らのディフェンスがどうなるかでした。そしてそんな不安を吹き飛ばしたのがDCのシュープ氏です。彼の指揮下でミシシッピ州立大守備陣は全米10位のランディフェンス、全米6位のパスディフェンス、トータルでも3位という数字を残し、強豪ひしめくSEC西地区でもその存在感を示しました。

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あまり光が当たらないアシスタントコーチ/コーディネーターたちの偉業を称えるこのブロイルズ賞、受賞者の発表は12月4日です。

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