昨年までサウスカロライナ大を指揮し、監督業を引退したスティーブ・スパリアー(Steve Spurrier)氏。最近自伝書を出版しその本の売り込みのためにメディアを行脚していましたが、米スポーツ専門局ESPNに出演した際彼の口から驚くべき言葉が発せられました。
サウスカロライナ大は同州に位置するクレムソン大と犬猿の仲です。それはミシガン大とオハイオ州立大、アラバマ大とアーバン大のように水と油の関係で、お互いを本気で嫌い合っているような間柄。そんなサウスカロライナ大のヘッドコーチだったスパリアー氏でしたが、なんと在任中の際宿敵クレムソン大を応援していたことがあると暴露したのです。
サウスカロライナ大時代に母校のフロリダ大と対戦したスパリアー氏
「(クレムソン大の)ダボ(スウィニー監督)とはとても馬が合い、また彼の奥様と私の妻も仲がよく、ゴルフのチャリティーイベントなどでもよく共に時間を過ごしたものでした。これはサウスカロライナ大ファンなら絶対にしないことでしょうが、個人的にはクレムソン大を応援しています。それはダボがヘッドコーチであるからです。彼はクレムソン大で素晴らしい仕事をしています。私はダボが大好きなんです。」とインタビューで話しました。
もちろんサウスカロライナ州内の覇権を争う上でクレムソン大に負けられないという気持ちはあったでしょうが、元々フロリダ大出身で母校でもカリスマ的コーチだったスパリアー氏は個人的にクレムソン大を極端に敵視する理由がないわけです。
しかしこれに怒ったのがサウスカロライナ大ファンたちです。長らくSECでお荷物チームだったサウスカロライナ大をスパリアー氏が鍛え直し、強いチームに育て上げ、サウスカロライナ大史上最多勝利コーチとなったことで、ファンはスパリアー氏に大きな思い入れがあったことでしょう。しかし今回ライバルのクレムソン大を応援しているということを知って、多くのサウスカロライナ大ファンはソーシャルメディア等で「信じられない」「スパリアー氏は過去の人となった」「裏切り者」と散々な言われよう。
もっとも引退後は母校のフロリダ大に凱旋し特別顧問としてサウスカロライナ大を完全に離れたスパリアー氏ですから、このようなヤジもあまり気にならないことでしょう。