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2015年度シーズン

The Calm Before the Storm 〜第9週目レビュー〜

The Calm Before the Storm 〜第9週目レビュー〜

今季のカレッジフットボール第9週目は多くのトップランクチームがバイウィークでお休みだったため、目立ったサプライズはありませんでした。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ノートルダム大24、テンプル大20

周囲の予想を裏切って接戦となった両者の戦いは、ノートルダム大QBデショーン・カイザー(DeShone Kizer)が残り時間2分9秒でWRウィル・フラー(Will Fuller)への17ヤードTDパスを決め、さらにテンプル大最後のドライブではノートルダム大DBカイバリア・ラッセル(KeiVarae Russell)がテンプル大QB、P.J. ウォーカー(P.J. Walker)のパスをダイビングキャッチでインターセプトしテンプル大の野望を打砕きました。テンプル大にとってチーム史上もっとも注目された試合といってよかったこの一戦はその期待に応えて非常に見応えのあるものでした。第4Qには全米9位のノートルダム大相手に残り5分を切ったところでついにリードを奪い、ホームファンの熱気は最高潮に達しました。が、前述の通りカイザーが点を取り返し惜しくも世紀の大金星とはなりませんでした。が、テンプル大の強さは本物です。伊達に7連勝してきたチームではないと全米中に知らしめることができました。


スタンフォード大30、ワシントン州立大28

全米8位のスタンフォード大ワシントン州立大相手に思わぬ苦戦を強いられ、あわよくばワシントン州立大に大金星を与えてしまう所でしたが、辛くも逃げ切って1敗を守りました。28対27とワシントン州立大リードで迎えた第4Q。残り2分を切った所でスタンフォード大キッカー、コンラッド・ウクロピナ(Conrad Ukropina)のフィールドゴールが決まり30対28と逆転。しかしワシントン州立大も諦める事無く残り2分弱でスタンフォード大へ攻め込み、試合終了直前に決まれば逆転勝利というフィールドゴールのチャンスをえます。しかしこのキックがゴールポストの右にそれて試合終了。スタンフォード大がなんとか逃げ切りました。スタンフォード大はこれでPac-12カンファレンスゲームで無敗を守り、唯一の全勝チームとなりました。一方ワシントン州立大はここまで3連勝で波に乗っていましたが、その連勝記録も潰えてしまいました。

ミシガン大29、ミネソタ大26

先週ミネソタ大ヘッドコーチ、ジェリー・キル(Jerry Kill)が健康上の理由で突然コーチ業からの引退を表明。臨時ヘッドコーチの指揮下の元、ミシガン大に挑んだミネソタ大は強豪相手に善戦しましたが、あと一歩のところでそれに及びませんでした。ミネソタ大リードで迎えた第4Q残り5分、ミシガン大は第3Qに負った怪我のため離脱した先発QBジェイク・ルドック(Jake Rudock)の穴を埋めたバックアップQBウィルトン・スピート(Wilton Speight)が活躍。WRジェウ・チェッソン(Jehu Chesson)への12ヤードTDパスが決まりこの時点で勝ち越します。しかしミネソタ大も負けじとミシガン大陣地になだれ込みます。そしてクライマックス、ミシガン大自陣1ヤードでミネソタ大は試合を振り出しに戻すフィールドゴールを選ばず、あえて逆転のTDを狙い、QBミッチ・リドナー(Mitch Leidner)のスニークがあと少しのところでミシガン大ディフェンスに阻まれ万事休す。ミシガン大が九死に一生を得ました。

オクラホマ州立大70、テキサス工科大53

2人のQBシステムを敷くオクラホマ州立大メイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)とJ.W. ウォルシュ(J.W. Walsh)がそれぞれ2TDパスを決め、RBレイモンド・テイラー(Raymond Taylor)も2つのランTDを記録してテキサス工科大に逆転勝ち。ハイパワーオフェンスを誇るテキサス工科大との乱打戦に打ち勝ちました。オクラホマ州立大は見ての通り70点を取れるだけのオフェンス力を持っていますが、同時に大量失点も許してしまうディフェンスが今後11月の重要な時期にどう進化するかがプレーオフへの鍵を握っています。

クレムソン大56、ノースカロライナ州立大41

クレムソン大QBデショーン・ワトソン(Deshaun Watson)が合計6つのTDに関わる大活躍でノースカロライナ州立大をアウェーで撃破。ワトソンの5TDパス、1TDランを含む383パスヤードが光り、クレムソン大はこれで8勝無敗。いよいよ来週宿敵フロリダ州立大との一大決戦を控えます。これを制することができればクレムソン大のプレーオフ進出が現実味を帯びてきます。

アイオワ大31、メリーランド大15

全米10位のアイオワ大メリーランド大をホームに迎えたこの一戦。アクラム・ワドリー(Akrum Wadley)、レショーン・ダニエルズ(LeShun Daniels)、デリック・ミッチェル(Derrick Mitchell)がそれぞれランTDを決め、さらにDBデスモンド・キング(Desmond King)の88ヤードのパスインターセプションリターンTDがダメ押しとなり、アイオワ大が難なくメリーランド大を一蹴。無敗を守ったアイオワ大は虎視眈々と上位進出のチャンスを狙っています。

フロリダ大27、ジョージア大3

フロリダ州ジャクソンビルで行われたライバリーゲーム。今年の両チームの勢いをそのまま反映させたゲームとなり、6勝1敗で波に乗るフロリダ大が5勝3敗でファンの期待を裏切り続けているジョージア大を圧倒。特にフロリダ大ディフェンスは圧巻でジョージア大RBソニー・ミシェル(Sony Michel)とQBファトン・バウタ(Faton Bauta)を完全にシャットダウン。ジョージア大のトータルヤードを223ヤードに抑えました。攻めてはフロリダ大RBケルビン・テイラーが2TDを含む121ランヤードと地上戦を制しました。これでフロリダ大はSEC東地区ライバルのジョージア大を倒したことでまた一歩カンファレンスタイトルゲームへ近づきました。

ユタ大27、オレゴン州立大12

全米13位のユタ大がホームにオレゴン州立大を迎えたPac-12カンファレンスゲーム。ユタ大は最初の2回の攻撃をどちらもTDに結びつけて14対0とリードを奪うとそのまま試合の主導権を奪いゲームをコントロール。RBデヴォンテ・ブーカー(Devontae Booker)が1TDを含む121ヤードを走る活躍で勝利に貢献。1敗を守りカンファレンスタイトル戦へ望みをつなぎました。

オクラホマ大62、カンザス大7

全米14位のオクラホマ大が未だ全敗中のカンザス大を62対7と大差で下しました。オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)が32回中27回パスを成功させる安定感で4TDを含む合計383ヤードを投げる活躍。WRスターリング・シェパード(Sterling Shepard)が183ヤードのパスレシーブを記録すれば、RBサマージャ・ペリン(Samaje Perine)が2TDを含む90ヤード走るなど非常にバランスの取れたオフェンスを見せてくれました。オクラホマ大はプレーオフ進出には少々手が届きづらい位置にいますが、カンファレンスタイトルは残りの3試合次第では十分獲得可能です。

メンフィス大41、トゥレーン大13

非パワー5カンファレンスチームとしてシンデレラストーリーを地でいく全米16位のメンフィス大トゥレーン大相手に41対13と快勝。出だしこそ13対0とトゥレーン大にリードを許しましたが、QBパクストン・リンチ(Paxton Lynch)の1TDを含む343パスヤードのパフォーマンス、そしてドラランド・ドーセウス(Doraland Dorceus)、アンソニー・ミラー(Anthony Miller)、ジャヴィス・クーパー(Jarvis Cooper)らがそれぞれランTDを奪い一気に41点を連続して奪い取って見事無敗を守りました。

フロリダ州立大45、シラキュース大21

先週ジョージア工科大に試合終了間際にショッキングな逆転負けを喫したフロリダ州立大でしたが、今週はシラキュース大相手にその影響を全く見せる事なく勝利を飾りました。フロリダ州立大はQBエバレット・ゴールソン(Everett Golson)とRBダルヴィン・クックという2人のプレーメーカーを欠きながらも、今季ベストとも言えるオフェンシブパフォーマンスでシラキュースを蹴散らしました。ゴールソンの代わりを務めたショーン・マグワイア(Sean Maguire)が3つのパスTD、そしてRBジャッキース・パトリック(Jacques Patrick)も3つのランTDを決め、フロリダ州立大オフェンストータル550ヤードに花を添えました。

ヒューストン大34、バンダビル大0

メンフィス大とならび非パワー5のヒューストン大がパワー5チームであるバンダビル大戦にて完封勝利を収めました。QBグレッグ・ワード(Greg Ward Jr.)は肩と足で1つずつTDを稼ぎ、またディフェンスがバンダビル大から4つのターンオーバーを奪って快勝。前半を終えた時点ですでに20対0と点差が開き、この時点で試合は既に決まっていました。これでヒューストン大は8勝無敗。この快進撃はいつまで続くのでしょうか。

マイアミ大30、デューク大27

先々週のミシガン大対ミシガン州立大でのファンブルリカバーからのTD、先週のジョージア工科大対フロリダ州立大でのフィールドゴールブロックからリターンTDと2週続けてドラマティックな幕引きをした試合が続きましたが、なんと似たようなドラマが今週も待っていました。マイアミ大23対20リードで迎えた歳終局面、デューク大QBトーマス・サーク(Thomas Sirk)が残り6秒でQBスニークを決めTDを奪い27対23と大逆転。試合は完全にデューク大の逆転勝利と思われましたが・・・。残り6秒でのキックオフリターン、マイアミ大は奇蹟的にラテラルパスを繋ぎ続け、あれよあれよという間にデューク大陣内へ。その後もラテラルパスは続き、結局8回目のラテラルパスを受けたマイアミ大のコーン・エルダー(Corn Elder)が最後にデューク大のエンドゾーンへなだれ込み、なんと奇蹟の再大逆転劇を演じました。

その他

  • キーナン・レイノルズ(Keenan Reynolds)、海軍士官学校/ネイビー
    ネイビーの4年生QBキーナン・レイノルズは対サウスフロリダ大戦にて自身77つ目のラッシュTDを決め、NCAA史上最多タイ記録を打ち立てました。ちなみにもう一人の記録保持者は2012年の元ウィスコンシン大RBモンテー・ボール(Montee Ball)です。またネイビーはチーム新記録となる、100ヤードラッシャーを3人排出するという偉業をやってのけました。元来ランオフェンス重視のチームですので納得できますが、それでもすごいことです。
  • アンソニー・ブラウン(Anthony Brown)、パデュー大
    パデュー大の4年生DBアンソニー・ブラウンは対ネブラスカ大戦で3つのパスインターセプションを記録し55対43の勝利に大きく貢献しました。この勝利でパデュー大は対Big Tenカンファレンスチーム連敗記録を9で止め、今年3年目のヘッドコーチ、ダレル・ヘイゼル(Darrell Hazell)にとってカンファレンス戦初のホームでの勝利となりました。
  • アレックス・コリンズ(Alex Collins)、アーカンソー大
    アーカンソー大の4年生RB、アレックス・コリンズは自己新記録となる5TDを含む173ヤードのランを見せテネシー大マーティン校相手に63対28と勝利に貢献。
  • ブレット・リピエン(Brett Rypien)、ボイジー州立大
    ボイジー州立大の1年生QBブレット・リピエンは自己新となる469パスヤードを記録して対UNLV戦で諸うりに貢献。投げては2TDを決め、さらにはトリックプレーでレシーブTDも1つ決めるなど活躍しました。
  • ガーナー・キール(Gunner Kiel)、シンシナティ大
    シンシナティ大の3年生QBガーナー・キールは5TDを含む319ヤードのパスを投げ、元シンシナティ大QBで現臨時ヘッドコーチのダニー・バレット(Danny Barrett)率いるセントラルフロリダ大を倒しました。
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