第6週目の見どころ - ANY GIVEN SATURDAY

第6週目の見どころ

第6週目の見どころ

ノースウエスタン大(全米13位)対 ミシガン大(全米18位)

Big Tenカンファレンスでは全米1位のオハイオ州立大と4位のミシガン州立大がクローズアップされることが多いですが、現在無敗で13位のノースウエスタン大と新コーチを迎えて古豪復活の兆しが高い18位のミシガン大とのこの一戦は見ものです。

数字だけで見るとこの試合は古き良きBig Ten特有のディフェンス勝負なゲームになりそうです。ヘッドコーチ、パット・フィッツジェラルド(Pat Fitzgerald)監督率いるノースウエスタン大は今季全米トップランクのディフェンスを誇り、スコアリングディフェンスは全米1位(1試合平均7点)、トータルディフェンスは全米5位(1試合平均247.5ヤード)とディフェンス陣の好調さを表しています。一方新コーチ、ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督率いるミシガン大はトータルディフェンスが全米2位(1試合平均184ヤード)にスコアリングディフェンスが全米2位(1試合平均7.6点)とまさに全米トップクラスのディフェンス力が相見えるのです。

ディフェンス力の力比べとなりそうなこの試合ですが、勝敗を分けそうなのはターンオーバーです。ミシガン大は好調を維持しているものの現在で9つのターンオーバーを記録しています。ターンオーバーのマージン(自身がターンオーバーを犯した数と相手からターンオーバーを引き出した数の差)はミシガンがマイナス2(つまり自身が犯すターンオーバーの数が上回る)であるのに対し、ノースウエスタン大のマージンはプラス4。これはノースウエスタン大ディフェンスがターンオーバーからボールを奪う頻度が高いと言う事と、オフェンスがしっかりとボールを相手に渡さずに保持しているという両方が言えると思います。

ディフェンスの話ばかりになりましたが、オフェンス力を見てみましょう。ノースウエスタン大のオフェンスはRBジャスティン・ジャクソン(Justin Jackson)を軸としたランオフェンスに重みを置いています。ジャクソンは現在全米1位のラン回数(138回)を誇っています。チームの総合ラン回数でもノースウエスタン大は全米1位にランクされその回数は285回となっています。一方のミシガン大は先発RBデヴォン・スミス(De’Veon Smith)が先週のメリーランド大戦を足のけがのために欠場しましたが、この試合に復帰してくる予定です。

過去の対戦成績はミシガン大が56勝15敗2分けと圧倒的にリードしています。しかもここ最近ではミシガン大がノースウエスタン大に4連勝中。しかし、両チームがランクインしている状態で対戦した場合は5勝4敗2分けでミシガン大が辛うじて勝ち越している程度です。今回のマッチアップではどちらもランクインしていますので、この数字だけ見ればどちらが勝ってもおかしくないと言えそうです。


カリフォルニア大(全米23位)対 ユタ大(全米5位)

Pac-12カンファレンスのランクチーム同士のマッチアップはカリフォルニア大QBジャレッド・ゴフ(Jared Goff)とユタ大QBトラヴィス・ウィルソン(Travis Wilson)の2人の有能QBの対決でもあります。ゴフはNFLドラフトでトップクラスのQBと評価されていますが、ウィルソン率いるユタ大は全米5位と全米優勝争いではウィルソンに軍配が上がっています。

カリフォルニア大、ユタ大両チームともこれまで全勝でこのビッグゲームを迎えることになります。ユタ大はシーズン開幕以前から彼らのランオフェンスとディフェンスには定評がありましたが、QBポジションが不安要素とされていました。ウィルソンは昨シーズンも先発QBとして出場したものの、思うようなプレーができずにベンチに下げられることもあったからです。今季の先発の座も夏のプレシーズンキャンプを通してようやく勝ち取ったもの。ユタ大ファンもウィルソンがチームを勝利に導くことができるプレーヤーなのか大変疑問視する者もいるほどでした。しかしシーズンが始まれば現在まで513パスヤード、4TDにパス成功率68%とファンの不安を裏切る素晴らしいパフォーマンス見せています。特に2週間前のオレゴン大戦ではアウェーで62対20と大勝。ユタ大にウィルソンありと見せつける素晴らしいゲームとなったのです。それは今回対戦するカリフォルニア大のヘッドコーチ、ソニー・ダイクス(Sonny Dykes)も認めるところです。

対するカリフォルニア大のゴフはQBレーティング、パス成功率、パスヤード、パスTDのいずれもが全米トップ10にランクしているエリートQB。ユタ大のディフェンシブコーディネーター、ジョン・ピースはゴフのパフォーマンスは現NFLシンシナティベンガルズで元テキサスクリスチャン大のQBアンディ・ダルトン(Andy Dalton)を連想させるとコメントしています。それだけゴフが完成形に近いQBだということがわかります。

両チームともカンファレンスゲームがまだまだ残っていますが、この試合が各々の今後を占うターニングポイントとなってくると思われます。カリフォルニア大にとってユタ大のディフェンスは今まで戦ってきたどのチームよりもパワフルで、とくにフロントセブンはゴフにとって大きな脅威となります。ユタ大はカンファレンスタイトルだけでなくプレーオフ進出を狙える好位置につけており、これからどのゲームも落とせません。ウィルソンが安定したプレーを見せればユタ大に有利に試合が運ぶことが予想されますが、仮に彼の悪い癖が出てプレーに波が出るようなことがあれば、ターンオーバー数で全米ナンバーワン(18つ)のカリフォルニア大ディフェンスがここぞとばかりにウィルソンに襲い掛かることでしょう。

試合が均衡するならば、差が出るとすればRBポジションでしょうか。カリフォルニア大RBダニエル・ラスコー(Daniel Rasco)は開幕前その年のベストRBに贈られる、ドーク・ウォーカー賞の候補に名を連ねていましたが、腰を怪我してしまい2週間欠場、先週その怪我から復帰したものの10回のランでたったの22ヤードと奮いませんでした。ユタ大には頼れるRBデヴォンテイ・ブーカー(Devontae Booker)が健在ですので、ラスコーの出来次第で試合が左右するかもしれません。


オクラホマ大(全米10位)対 テキサス大

Red River Shootout」と銘打たれた、カレッジフットボール界きってのライバル同士のゲーム。今年は絶好調のオクラホマ大と絶不調のテキサス大という正反対のチーム状況の2チームが相見えます。ここまでの戦いぶりや数字を比べてみればオクラホマ大有利と予想するのは容易いもの。オクラホマ大はここまで対戦相手にオフェンス1試合平均で159ヤード差をつけて来た一方、テキサス大は相手チームに平均169ヤード逆に差を付けられています。オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)はパス成功率が実に69%と堅実なプレーを継続して来ていますし、彼のメインターゲット、WRスターリン・シェパード(Sterling Shepard)はここまで3TDを含む321レシーブヤードを記録。ディフェンスではオクラホマ大が14つのQBサックを記録している一方テキサス大は相手に18つのQBサックを許すなど、紙上の数字だけ見ればどちらが有利かは明らかです。

しかしこれはライバル校同士の戦い。何が起こるか分かりません。絶不調のテキサス大ではありますが、ここまで彼らが敗戦した4チーム、ノートルダム大カリフォルニア大オクラホマ州立大テキサスクリスチャン大、彼らの現在の戦績はトータルで実に19勝1敗。ノートルダム大が先週クレムソン大に惜しくも破れたため1敗となっていますが、他の3チームは現在まで全勝中でランクインを果たしている強豪チームばかり。開幕から1勝4敗という成績はテキサス大フットボール史上過去60年間で最悪の成績ですが、対戦相手に恵まれなかったとも言えます。

さらにこんな数字もあります。この同一カード最近7試合を振り返るとテキサス大がランク外でオクラホマ大がランクされている場合、テキサス大が5勝2敗と大きく勝ち越しています。2年前のケースを見てみると、オクラホマ大が下馬評で有利とされていた試合でテキサス大は36対20と番狂わせを演じ、また去年はテキサス大が前半を終えて17対13とリードされて折り返したのですが、前半だけでテキサス大が238ヤード稼いだのに対し、オクラホマ大はたったの19ヤードと数字の上では圧倒していたのです(リードされたのはキックリターンTDとインターセプションTDを許したため)。結果的にオクラホマ大が逃げ切ってテキサス大が負けはしましたが、オクラホマ大完全有利とされた試合でもテキサス大はアップセットを演じたり、負けても相手を苦しめるなど、予想を覆す試合を披露してきました。それはまさにこれがライバルゲームという特別な意味をもつ試合だからに他なりません。そのトレンドが今年も影響されるのであれば、絶不調のテキサス大がひょっとしたら・・・という試合展開になるかもしれません。

いずれにしても今年3年目となるヘッドコーチ、チャーリー・ストロング(Charlie Strong)にとってはどうしても勝ちたいゲーム。もしこれに負けるとなると開幕後1勝5敗となり、彼に対する風当たりは益々強くなるばかりです。


マイアミ大 対 フロリダ州立大(全米12位)

フロリダ州内のライバル校同士の対決ですが、以前ならばそれこそナショナルタイトルレースを左右するほどのマッチアップでしたが、近年はマイアミ大が全米の表舞台から離れて久しく、このカードの注目度もそれほど高くはありません。マイアミ大は現在3勝1敗と決して悪くない戦績ですが、最近2試合の内容がお粗末です。2週間前のネブラスカ大戦は結果勝ちをおさめましたが、前半33対10と大差で折り返したものの後半ネブラスカ大の猛攻を許し、3点差まで迫られたところを危うく逃げ切りました。そして先週はシンシナティ大相手にいい所がなく34対23と敗退。地元ではヘッドコーチ、アル・ゴールデン(Al Golden)監督の退任要求の声が日増しに高くなっている所です。特にこのライバルとのマッチアップでは未だ就任以来勝ち星を挙げたことがありません(4連敗中)。ゴールデン監督に向けられている批判の声を打ち消すにも、マイアミ大にとっては是が非でも勝っておきたい試合です。

一方フロリダ州立大はマイアミ大をホームに迎える訳ですが、同一カードでフロリダ州立大のホームでの試合では近年7勝2敗とセミノールズに大きく軍配が上がっています。また今季は現在まで対戦相手よりもオフェンスで1試合平均75ヤード上回るパフォーマンスを見せていますが、その原動力となっているのはノートルダム大からの転校生、QBイヴァレット・ゴールソン(Everett Golson)。注目したいのは彼のターンオーバーの数。ノートルダム大ではターンオーバー製造機という不名誉なあだ名までつけられたゴールソンですが、今季は現在まで7に0インターセプション。彼の安定したプレーがフロリダ州立大を全勝で導いているともいえます。ディフェンスは相手オフェンスを1試合平均282ヤードに抑え、この分野では全米5位につけている強力ディフェンス。

マイアミ大がシンシナティ大に前半だけで27点も失点したのは先発DBディオン・ブッシュ(Deon Bush)とスーパーサブDBジャマール・カーター(Jamal Carter)がネブラスカ大戦でパーソナルファールを犯して退場処分となり、その制裁のせいでシンシナティ大戦の前半に出場停止処分となっていたからかもしれません。実際後半から彼らが復帰すると後半はシンシナティ大の得点を7点のみに押さえることが出来ました。彼らがもしフルでプレーしていればこの試合も違う結果になっていたかもしれません。フロリダ州立大戦にはこの2選手がフル出場する予定ですので、それはマイアミ大にとっては朗報です。

昨年のこのマッチアップではマイアミ大がほぼ全般で試合をリードしていましたが、元フロリダ州立大QBジェームス・ウィンストン(James Winston)の活躍で逆転を許して破れました。今季ウィンストンが卒業してオフェンス力が落ちたフロリダ州立大ですので、マイアミ大にも付け入る隙は残されていると思われます。今年5年目を迎えるゴールデン監督ですが、地元マイアミではかつての強いハリケーンズ復活を熱望するファンや卒業生が、これ以上フロリダ州立大にいい顔されるのを黙って見ているとは思いません。彼の監督の座を安全なものとするためにも勝利必至のゲームとなるでしょう。


ジョージア工科大 対 クレムソン大(全米6位)

先週強豪ノートルダム大を倒し無敗を守ったクレムソン大。一方プレシーズンランキングでは全米16位にランクされるもノートルダム大、デューク大、ノースカロライナ大に3連敗して現在2勝3敗と負け越しているジョージア工科大。ジョージア工科大の特徴はトリプルオプションオフェンスですが、クレムソン大は同じオフェンスを擁するワフォード大(FCS)と既に対戦済み。ディフェンスにとってはまったくスタイルの違うオフェンスのためそれ相当の準備が必要になる訳ですから、ワフォード大戦でそのオフェンスを見たと言うのはクレムソン大にとってはアドバンテージと言えるでしょう。

ジョージア工科大の不調が続いている大きな原因は、昨年のトップラッシャー6人中実に5人が既にチームを去り、しかも今年のRB陣は怪我に悩まされていると言う事ではないでしょうか。オプションオフェンスは走ってナンボな攻撃形態ですので、RB陣のレベルダウンは直接オフェンス力の低下を意味するのです。しかしここ最近の傾向ではジョージア工科大はダークホース的ポジションにいる時に異様な強さを発揮しています。またクレムソン大には、大きな舞台で勝てなかったり、勝手も翌週に足下をすくわれると言った傾向がここ何年も見られ、それを揶揄した「Clemsoning(クレムソニング、肝心なときにずっこける事を指す)」という不名誉な造語も作られています。しかし先週ノートルダム大との大一番を制し、大舞台で勝てないと言うレッテルを打ち砕きました。あとはその直後のゲームで浮き足立つ事ないようジョージア工科大にしっかりと勝つことが出来ればこの「Clemsoning」という言葉もおのずと使われる事が無くなる事でしょう。

ルイジアナ州立大(全米7位)対 サウスカロライナ大

サウスカロライナ州を襲った洪水のため、開催地をサウスカロライナ大のホームからルイジアナ州立大に変更して行われるこの試合。急に会場を変更すると言うのは周囲が思うよりも大変負担がかかる事ですので、ただでさえ今季調子が良くないサウスカロライナ大に追い打ちを掛けるような状況です。ルイジアナ州立大はかつてハリケーン・カトリーナが街を襲い、キャンパス周辺を含むバトンルージュ、ニューオーリンズ一体が壊滅状態に陥った経験をしているため、今回サウスカロライナ大には出来る範囲の事を準備すると約束しています。その一環として今回チームに帯同できないサウスカロライナ大のマーチングバンドの代わりにルイジアナ州立大がサウスカロライナ大の応援曲を演奏すると表明しています。ゲームの勝敗はともかく、何とも暖かいストーリーです。カレッジスポーツが勝ち負けだけではないといういい一面だと思います。

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