2017年度のカレッジフットボールシーズンも残りわずか。世間ではどのチームがカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に進出するかという議論で持ちきりですが、忘れてならないのがそれぞれのチームが所属するカンファレンスの優勝争いです。プレーオフに進出できるのはたったの4チームですが、ナショナル争いに関われなくても所属カンファレンスのタイトル争いに関わっているチームは存在します。彼らにとってカンファレンスの王者になることは当然ながら大きな意味をなします。
もう少し早い段階から各カンファレンスの優勝争いをフォローしたかったのですが、なかなか忙しくて記事にできませんでした。それでは残り少ない試合数の中でどのチームがその栄光を目指して戦い続けているか見てみたいと思います。
*以下に記されている勝敗はカンファレンス内の成績で、トータルの成績ではありません。
アトランティックコーストカンファレンス(ACC)
アトランティック地区はクレムソン大が、コースタル地区はマイアミ大がすでにそれぞれの地区を制してタイトルゲーム進出を決めています。現在クレムソン大が2位、マイアミ大が3位ということでこのメガマッチアップはACCタイトルだけでなくプレーオフ進出がかかった試合になります(もちろん両チームとも残りの2試合を勝ち抜けばの話ですが)。
Big 12カンファレンス
Big 12カンファレンスでは現在オクラホマ大がカンファレンス戦6勝1敗でトップを走っています。それを追うのがテキサスクリスチャン大、オクラホマ州立大、ウエストバージニア大の3チーム(5勝2敗)。Big 12は地区制度を敷いていませんが、今年からカンファレンスタイトル戦を復活させたので、レギュラーシーズンの1位と2位チームがその栄光目指して相見えることになります。
オクラホマ大は今週カンザス大、そしてウエストバージニア大との試合を残しています。彼らがタイトルゲームに進出するのはまず間違いないと言えます。
そのオクラホマ大に挑むチームが誰なのか。有利なのはテキサスクリスチャン大です。彼らはオクラホマ州立大とウエストバージニア大にそれぞれ直接対決で勝っていますので、タイブレーカーになれば彼らがオクラホマ大にリマッチを挑むことになります。
オクラホマ州立大がタイトル戦に進むには少なくともテキサスクリスチャン大がテキサス工科大かベイラー大に敗れる必要があります。そしてウエストバージニア大にチャンスがあるとすれば同じくテキサスクリスチャン大に土がつき、しかも直接対決に敗れているオクラホマ州立大にも土がつかなければなりません。故に確率的にはテキサスクリスチャン大、オクラホマ州立大、ウエストバージニア大の順にタイトルゲーム進出の可能性があることになります。
Big Tenカンファレンス
西地区
西地区はすでに全勝中のウィスコンシン大が2位で7勝2敗のノースウエスタン大に2ゲーム差をつけて地区制覇を成し遂げました。
東地区
東地区ではオハイオ州立大が6勝1敗で首位に立ち、それを5勝2敗でミシガン州立大、ペンシルバニア州立大、ミシガン大が追う展開になっています。しかしミシガン州立大とペンシルバニア州立大はオハイオ州立大との直接対決に敗れているため、オハイオ州立大の地区制覇を妨げるチームはライバルであるミシガン大に絞られます。オハイオ州立大が今週のイリノイ大戦に、そしてミシガン大が全米5位のウィスコンシン大にそれぞれ勝てば東地区の命運は全米屈指のこのライバリーゲームで決まることになります。しかしもしミシガン大がウィスコンシン大に負ければその時点でオハイオ州立大の地区優勝が決定、ウィスコンシン大とのタイトルゲームに進出です。
Pac-12カンファレンス
北地区
北地区はワシントン大、ワシントン州立大、そしてスタンフォード大の三つ巴です。この3チームがカンファレンス戦で2敗で並んでいます。その中でも頭一つ分抜け出ているのはワシントン州立大。スタンフォード大戦ですでに勝利を納めているワシントン州立大は今週試合がなく、残すはワシントン大とのライバリーゲーム「アップルカップ」を残すのみ。これに勝ちさえすれば彼らのPac-12カンファレンスタイトルゲーム出場が決まります。
ワシントン大はスタンフォード大に先週敗れたため、彼らがカンファレンスタイトルゲームに進出するにはまず今週のユタ大戦に勝ち、そして最終戦のワシントン州立大からも勝ち星を奪い、さらに今週末に行われるスタンフォード大とカリフォルニア大の試合でスタンフォード大が3敗目を喫しなければなりません。つまりスタンフォード大がカリフォルニア大に今週勝つとワシントン大の優勝決定戦出場は消滅してしまうということです。
スタンフォード大が地区制覇するには先にも述べたようにワシントン州立大との直接対決で敗れているため、まずは自身がカリフォルニア大に勝ち、そしてワシントン州立大がワシントン大に敗れて3敗目とするシナリオが必要になります。
南地区
南地区はサザンカリフォルニア大が地区優勝をすでに決めました。
サウスイースタンカンファレンス(SEC)
東地区
東地区はジョージア大が地区優勝をすでに決めました。。
西地区
西地区はアラバマ大がアーバン大の一騎打ちです。アラバマ大は現在7勝0敗、そしてそれを追うアーバン大は6勝1敗。来週両チームは「アイロンボウル」で雌雄を決することになります。勝ったほうがジョージア大とカンファレンスタイトルゲームで対決です。
アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)
東地区
東地区は6勝0敗のセントラルフロリダ大と6勝1敗のサウスフロリダ大の間で争われます。セントラルフロリダ大は今週テンプル大との試合がありますが、サウスフロリダ大が今週バイウィークなため、このテンプル大戦の結果に関わらず、来週の直接対決で地区優勝が決定することになります。
西地区
西地区では現在メンフィス大が5勝1敗で1位、それを追うのが4勝2敗のヒューストン大。すでにメンフィス大がヒューストン大との直接対決を制しているため、今週のサザンメソディスト大戦にメンフィス大が勝利すればその時点で彼らの西地区制覇が決まります。ヒューストン大が逆転するためにはメンフィス大がサザンメソディスト大と最終戦のイーストカロライナ大戦に二連敗しなければなりません。不可能ではないですが、可能性はかなり低いでしょう。
カンファレンスUSA
東地区
東地区では今年レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の初采配シーズンとなるフロリダアトランティック大(FAU)がカンファレンス戦で破竹の六連勝中。残りの試合はフロリダインターナショナル大(FIU)とシャーロット大です。今週FAUがFIUを倒せばその時点でFAUの地区優勝が決まりますが、計算上ではFAUがこの試合に二連敗してFIUが二連勝(FAUとウエスタンケンタッキー大)すればタイブレーカーでFIUが逆転優勝となります。しかしたとえFAUが負けても、彼らの最終戦の相手であるシャーロット大は現在カンファレンス戦で1勝5敗、総合成績も1勝9敗ということで、FAUがカンファレンスタイトルゲームに進出する可能性は極めて高いです。
西地区
西地区はノーステキサス大がすでに地区制覇を決めています。
ミッドアメリカンカンファレンス(MAC)
東地区
現在東地区はアクロン大とオハイオ大が5勝2敗で並んでいますが、先週この両チームが対戦しその軍配がアクロン大に上がったため、アクロン大が来週火曜日に行われるケント州立大戦に勝てば彼らの地区優勝が決まります。オハイオ大がカンファレンンス優勝決定戦に進出するためにはアクロン大がケント州立大に敗れ、来週金曜日に行われるバッファロー大戦でオハイオ大が勝つことが条件です。
西地区
西地区でもトレド大とノーザンイリノイ大が6勝1敗で同率タイとなっていますが、トレド大が直接対決を制しているため、彼らが最終戦となるウエスタンミシガン大戦に勝てばそれで地区優勝が決定。しかしこの試合にトレド大が敗れ、ノーザンイリノイ大がセントラルミシガン大戦で勝利すればノーザンイリノイ大が西地区代表チームとなります。
マウンテンウエストカンファレンス(MWC)
山岳地区(マウンテン)
この地区ではボイジー州立大が現在カンファレンス戦無傷の六連勝。それをワイオミング大が1敗で追従します。ボイジー州立大がワイオミング大との直接対決を制していますので、今週金曜日に行われる空軍士官学校との試合にボイジー州立大が勝てばその時点で彼らの地区優勝となります。ワイオミング大が逆転優勝するためには、ボイジー州立大の二連敗(空軍士官学校、フレズノ州立大)が必須事項です。
西地区(ウエスト)
西地区は現在5勝1敗のフレズノ州立大が首位、それを4勝2敗のサンディエゴ州立大が追います。タイブレーカーで有利なフレズノ州立大が金曜日のワイオミング大戦に勝ちさえすれば彼らの地区優勝が決まります。サンディエゴ州立大が逆転するにはフレズノ州立大が残りの二試合(ワイオミング大、ボイジー州立大)を相次いで落とす必要があります。
可能性としてはレギュラーシーズン最終戦で対戦することになるボイジー州立大とフレズノ州立大がその翌週のカンファレンスタイトル戦で同一カード二連戦となる、珍しいケースになりそうです。
サンベルトカンファレンス
カンファレンスタイトル戦を行わないサンベルトカンファレンス(来年から地区制度を施行するためタイトルゲームが行われることになります)は現在4チームが1敗で並ぶ大混戦。トロイ大、ジョージア州立大、アパラチアン州立大が5勝1敗、アーカンソー州立大が4勝1敗です。そしてこのカンファレンスではタイブレーカーがないため、レコード次第で複数のチャンピオンが生まれることになります。
トロイ大とアーカンソー州立大、ジョージア州立大とアパラチアン州立大がそれぞれ直接対決を残しているため、カンファレンスチャンプが誰になるかまだわかりません。確率は非常に低いですが、もし全チームが2敗となれば現在4勝2敗のルイジアナ大ラフィエット校にも優勝のチャンスが生まれることになります。