フットボールをするものならば誰もが辿り着きたい最高峰の世界がNFLです。全カレッジ選手の中でもたったの2%未満ほどの選手しか辿り着くことができない、まさに選ばれし選手たちしか踏み入ることのできない世界。そのNFLに挑戦するための登竜門とも言えるのがNFLドラフトです。
2025年NFLドラフト ウィスコンシン州グリーンベイ市
4月24日(第1日目):第1巡目
4月25日(第2日目):第2巡目&第3巡目
4月26日(第3日目):第4巡目〜第7巡目
ここ数年NFLドラフトに際して個人的に気になるプロスペクトを紹介する記事を過去に挙げてきました。しかしながら近年はプロスペクト情報に精通されている方をネット上で多く見かけ、またアメリカンフットボールマガジンさんが今年も「NFLドラフト名鑑」を出版されるということで、つけ刃的な私のドラフト選手情報に需要があるのかと考える様になったのは事実。
ただ、ドラフト本番まで時間が迫っている中で今年も自分の記録用にやってみようと重い腰を上げてみました笑。
第10弾目はディフェンスの3列目を守るDBの中でもWRとバトルを繰り広げるCB選手をご紹介します。

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トラヴィス・ハンター(コロラド大)
すでにWR編に登場しているコロラド大の「二刀流」トラヴィス・ハンター(Travis Huner)。2022年度にFCSのジャクソン州立大で大学デビューすると、監督のディオン・サンダース(Deion Sanders)がコロラド大に移籍したことを受けて自身も転校。ここでもWRとCBを見事に兼任。4つのパスINT、11つのパスブレーク、33タックル、1ファンブルフォースを記録して年間最優秀守備選手賞の一つである「ベドナリク賞」を獲得。しかもWRとしても年間最優秀WR賞である「ビレントニコフ賞」を獲得し、挙げ句の果てにはカレッジ界の最高峰の栄誉とも言える「ハイズマントロフィー」も獲得。
WRとしての経験を活かしボールの軌道を追うのが得意。そのせいもあり非常に優秀なボールホークでキャリアトータル7つのパスINTを記録。反応速度、加速度、そしてトップスピード、どれをとってもカレッジではトップレベル。マンカベレージも去ることながらゾーンカベレージでもそつのないプレーを見せる器用さと高いフットボールIQをも持ち合わせています。体のフレームが多少小さめなのが気がかりではありますが、とにかくNFLのレベルで早く見てみたい逸材。最大の焦点はNFLでも二刀流をやらせてもらえるのか、ということですが・・・。
AGSの選ぶハンターのベストゲーム
ユタ大戦(2024年度)
CBとしてのハンターのベストゲームはユタ大戦。この試合でハンターは1パスINT、2パスブロックを記録しますが、何よりも自分のマークする相手選手にたったの1度もパスを成功させなかったことです。対峙したWRはユタ大のWR1ダミエン・アルフォード(Damien Alford)でしたが、彼をほぼ完全にロックダウンしてQBアイザック・ウィルソン(Isaac Wilson)の選択肢を効果的に減らしてチェックダウンへのパスを余儀なくさせていました。(ちなみにWRとしても2つのTDを獲得)
キャリアハイライト動画(CB)
ウィル・ジョンソン(ミシガン大)
名門ミシガン大で2度もオールアメリカンに選出され、2023年時の全米制覇の一員でもあるウィル・ジョンソン(Will Johnson)。2024年度シーズンには2つのパスINTを記録し、そのどちらもリターンTDとなる、いわゆる「ピックシック」に。彼がマンマークしたWRにパスを成功されたのは195回中たったの16回で、しかも許したTDはゼロ。6フィート2インチ、202パウンドという恵まれたフレームを持ち、プレスで力負けしない選手。また高いフットボールIQで相手のルートを読む力に長けており、それは特にゾーンカベレージで威力を発揮。タックル力もあり今季ドラフトでトップ15位以内という評価もされるほどです。
AGSの選ぶジョンソンのベストゲーム
ワシントン大戦(2023年度CFP全米王座決定戦)
2023年度の全米タイトルゲーム、この試合でジョンソンはワシントン大のWR1ローム・オドゥンゼ(Rome Odunze)をカバーするという大役を任されますが、オールアメリカンのオドゥンゼを完全にロックダウンして許したヤードは27ヤード(オドゥンゼのこの年の1試合平均レシーブヤードは109ヤード)。しかも第2QにはQBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)からオドゥンゼに放たれたパスを見事にピック。34対13で勝利して全米優勝を果たすのに大きく貢献しました。
キャリアハイライト動画
ジャデイ・バーロン(テキサス大)
テキサス大で5年間プレーを全うした、ベテランCBジャデイ・バーロン(Jahdae Barron)。トータルで56試合に出場経験があり、カレッジ生涯スタッツでは189タックル、10TFL、7パスINT、1ファンブルフォースをそれぞれ記録。特に2024年度はセーフティ/ニッケルバックからCBへとポジションを代えて67タックル、5パスINTと爆発。年間最優秀DB賞である「ジム・ソープ賞」を見事に獲得し、オールアメリカンにも選出されるなど、今季を代表するCBに成長しました。
AGSの選ぶバーロンのベストゲーム
ジョージア大戦(2024年度)
2024年度のレギュラーシーズンにてホームに全米1位だったジョージア大を迎えた大一番。この試合でバーロンは相手QBカーソン・ベック(Carson Beck、現マイアミ大)から2つのピックを奪う大活躍。試合には残念ながら30対15で敗れますが、この試合でバーロンの株は間違いなく上がったと言えます。
キャリアハイライト動画
ベンジャミン・モリソン(ノートルダム大)
ノートルダム大で3年間で31試合に出場したベンジャミン・モリソン(Benjamin Morrison)。この間84タックル、9パスINT、18パスブレークを記録。1年生時にすでにフレッシュマンオールアメリカン(1年生限定)にも選出され、ノートルダム大のバックフィールドを守り続けてきた逸材。2024年度は怪我のせいで思うようにプレーできませんでしたが、9つのピックという数字からも分かるように天性のボールホークとしての臭覚を持つ選手です。マン/ゾーンそれぞれのカベレージで柔軟に対処でき、またコンバインで見せた40ヤードダッシュ4.39秒という記録からも直線のスピードはピカイチ。フレームが少々小さめで、さらに昨年の怪我の具合も気になるところですが、割と早い段階で名前が呼ばれるのではないかという評価のされているプロスペクトです。
AGSの選ぶモリソンのベストゲーム
オハイオ州立大戦(2023年度)
当時6位だった強豪オハイオ州立大と対戦したノートルダム大。オハイオ州立大は2023年度のベストWRと名高かったマーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)を擁していましたが、モリソンはこの試合でハリソン・Jr、さらには今年のドラフト候補WRエメカ・イブカ(Emeka Egbuka)と対峙することになります。そしてモリソンはそのハリソン・Jrを2回の捕球でたったの19ヤードに抑え込むことに成功。試合には17対14で惜しくも敗れますが、当時からドラフト候補として名高かったハリソン・Jrを抑え込んだことでモリソンの株は大きく上がることになりました。
キャリアハイライト動画
トレイ・エイモス(ミシシッピ大)
ミシシッピ大のCBトレイ・エイモス(Trey Amos)はルイジアナ大ラフィエットエット校、アラバマ大と渡り歩いたジャーニーマン。ルイジアナ大では35試合、アラバマ大では14試合に出場するもいずれもローテ要員でしたが、ミシシッピ大に転校して開花。先発CBとして13試合に出場し、50タックル、3.5TFL、3パスINT、13パスブレーク、1ファンブルフォースを記録し、ミシシッピ大ディフェンスでなくてはならない存在に。マン・ゾーンそれぞれに対応できる器用さ、プレスの強さ、優れた空間識別能力から今季ドラフトでも注目のCBの一人に急成長しました
AGSの選ぶエイモスのベストゲーム
ジョージア大戦(2024年度)
全米3位のジョージア大をホームに迎えたこの試合、エイモスは相手QBカーソン・ベックのパスを194ヤードに抑え込んだディフェンスの一員として活躍。6つのタックル、1つのファンブルフォースを記録し、ジョージア大レシーブ陣の前に大きく立ちはだかりました。この試合でエイモスは優れた空間識別能力、巧みな足捌きとハンドテクニック、アグレッシブネスを十二分に披露し自身のプレーヤーとしての評価を上げることに成功。チームも28−10と番狂せを起こしこれ以上ない結果を残したのでした。
2024年度ハイライト動画
その他の候補者たち
マックスウェル・ヘアストン(Maxwell Hairston、ケンタッキー大)
ダリエン・ポーター(Darien Orter、アイオワ州立大)
シャヴォン・レヴェル・Jr(Shavon Revel Jr.、イーストカロライナ大)
アザレイヤ・トーマス(Azareye’h Thomas、フロリダ州立大)
ゼイ・アレキサンダー(Zy Alexander、ルイジアナ州立大)
デンゼル・バーク(Denzel Burke、オハイオ州立大)
ドリアン・ストロング(Dorian Strong、バージニア工科大)