今週のこれまでのニュース【第5週目】

今週のこれまでのニュース【第5週目】

テキサス大QBビューシェルが先発に復帰

開幕時に先発QBに指名されながらそのメリーランド大戦で負傷して3試合連続欠場していたシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)が木曜日のアイオワ州立大戦に復帰。試合は17対7でテキサス大が勝利しました。

ビューシェル不在中は1年生のサム・エリンガー(Sam Ehlinger)が代わりに出場していましたが、その間チームは2勝1敗。唯一の敗戦もサザンカリフォルニア大との死闘だけでにわかにエリンガーがビューシェルから先発の座を奪うのではないかと思われていましたが、トム・ハーマン(Tom Herman)監督は怪我から戻ってきたビューシェルにスターターのポジションを返上しました。アイオワ州立大戦ではビューシェルは26回のパス中19回を成功させ1TD、1INTを含む171パスヤードを記録。試合には勝ったものの彼がエリンガーよりも優れていると言わせるには物足りない出来でした。しかもチームの勝利を導いたのは敵から3つものターンオーバーを奪ったディフェンスのおかげとも言えるかもしれません。今後のチームの状態によってはビューシェルかエリンガーかという議論が沸き起こる可能性はあります。


キフィン監督のポスターをセイバン監督のオフィスに?

久しぶりにレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の登場です・・・。

アラバマ大オフェンシブコーディネーターで現フロリダアトランティック大のHCを務めるキフィン監督ですが、チームのプロモーションとして彼のポスターをプレゼントするというキャンペーンを大学のツイッターアカウントで開催していますが、それに関してラジオのインタビューで彼はこう話していました。

「私自身も応募してこのポスターを貰いたいです。もしそうなったらそれを(アラバマ大の)セイバン監督に届けて彼のオフィスに飾ってもらいたいです。そうすればセイバン監督は毎日私との素敵な思い出を思い出してくれるでしょうから(笑)」とジョークを飛ばしていました。

これまでフロリダアトランティック大は1勝3敗と苦戦し、今週末はミドルテネシー州立大との試合を控えていますが、少なくともキフィン監督自身はそんなジョークを言えるほど切羽詰まってはいないようです。

ジョージア大vsテネシー大戦の特別ゲスト

今週末サウスイースタンカンファレンス(SEC)東地区内のトップチーム同士の対戦となるのが全米7位のジョージア大テネシー大の対決。テネシー大のホームとなるこのゲーム、何としてもこの試合に勝っておきたいテネシー大は10万人を超える観客の後押しを受けてジョージア大を迎え撃つことでしょう。

またこの試合はテネシー大の卒業生で昨年2年前にプロから引退し、先日カレッジフットボール殿堂入りを果たしたペイトン・マニング(Peyton Manning)氏が凱旋し殿堂入りの祝福を受ける事になっていますから、さらにファンの盛り上がりはいつも以上となる事でしょう。しかも時を同じくしてNFLのレジェンドでサザンミシシッピ大出身のブレット・ファーヴ(Brett Fabre)氏もこの試合に観戦にやってくるというからさあ大変!

ファーヴ氏はビジネスの要件でテネシー大キャンパスにやってくるらしいですが、すでにNFL殿堂入りを果たしたファーヴ氏、そして同じくNFL殿堂入りは間違い無いと言われるマニング氏が同時に揃うなんて、試合そっちのけでそっちの方に注目が集まりそうです。

テキサス大の学生たちがテキサスA&M大とのライバリー復活を熱望

同じテキサス州内でしのぎを削ってきたテキサス大テキサスA&M大は長年にわたり良きライバル関係を築いてきましたが、2012年にテキサスA&M大がBig 12カンファレンスからSECに鞍替えするとそのライバリーは休止状態に追い込まれてしまいます。

この伝統の一戦の復活を待ちわびる声はよく聞かれますが、当事者たちはそこまでこのライバリーに固執していないように聞こえます。しかしそれを一番待ち焦がれているのは学生たちです。先日テキサス大の学生会は在学生を対象にこのライバリーを復活するか否かを問うアンケートを実施したところ、実に投票者の約97パーセントが復活すべきだと答えたのです。アンケートに答えたのは全学生数の20%ほどでしかありませんが、こんなに大多数の生徒がこのライバル関係の復活を望んでいるのです。

だからと言って大学側がこのライバリーを復活させるとは限りませんが、少なくともこの考えにポジティブな態度を示している人物がいます。テキサス大のトム・ハーマン(Tom Herman)監督です。

「こんなにも学生たちが声を上げているならば、その声は該当者たちの耳に届けられなければならないでしょう。そして(開催するかどうかを決めることのできる)力をもつ人たちは決断を迫られる事になるはずです。」と

果たしてこの学生たちの声がライバリー復活への足がかりとなるでしょうか?

マイヤー監督、怒る

現在アメリカのスポーツシーンで話題になっているのはカレッジバスケットボール界で表面化したスキャンダルだということは前回の記事でお伝えしましたが、自然の流れとして同じ大学スポーツであるカレッジフットボール界にもその話題は飛び火するものです。こういったことがあるにしろないにしろ、カレッジフットボール関係者に意見を求められてるのは避けられません。

オハイオ州立大アーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督は地元のラジオ番組のインタビューでこの事件のことを聞かれ以下のように述べました。

「もし自分が犯した規則違反についてわざと嘘をつくような人物がいたとしたら、その人のコーチキャリアはそれで終わりです。謹慎処分だとか、リクルートと話を禁止されるとか、そんな柔なペナルティーで済むと思ったら大間違いです。そんな人はもう2度とカレッジレベルでコーチすべきではありません。いたって簡単なことです。」と半ば怒り気味に話しました。

またその事に関してマイヤー監督はすでに自身のスタッフに釘を刺しておいたという事です。間違っても同じような罪を犯すなよ、と。

カレッジフットボール界でも今回のスキャンダルのような事に手を染めていたコーチがいたとして、それが明らかになったとしたら確実にその人物のキャリアは終わってしまうでしょう。しかもそれだけでなくカレッジバスケットボール界の権威を損なう重大な罪として永久にその名を残してしまう事になります。願わくばそのような事にならないことを祈りたいです。

ジョージア工科大のジョンソン監督、胸を撫で下ろす

ジョージア工科大ポール・ジョンソン(Paul Johnson)監督もマイヤー監督と同じくスキャンダルに関して意見を求められましたが、彼の返答は少し変わっていました。

「この事件が明るみになった時、人生で一番『チームがラッセルアスレティクスと契約していて本当によかった』、と心から思いました。」

ジョージア工科大は現在用具契約をアメリカのスポーツブランドの老舗であるラッセルアスレティクスと結んでいます。実は2018年からチームはアディダスに乗り換える予定になっています。そしてアディダスは今回のスキャンダルに大きく関わったブランド。もしジョージア工科大がすでにアディダスに乗り換えていたとしたら、そのせいで彼らにも捜査のメスが入る事になっていたのではないか、という事でジョンソン監督はラッセルアスレティクスと契約していてよかったと胸を撫で下ろしているわけですね。

スウィニー監督が将来アラバマ大の監督になる可能性は?

クレムソン大監督に就任して8年目となるダボ・スウィニー(Dabo Swinney)監督ですが、ご承知の通り彼の作り上げたチームは全米でも随一のパワーハウスとなり、2015年度と2016年度に連続でナショナルタイトルゲームに進出し、昨年念願の全米制覇を成し遂げました。

スウィニー監督の指揮官として手腕はもう疑う余地もありませんが、そんな彼につきまとう噂があります。それはもしアラバマ大ニック・セイバン監督が引退した後にスウィニー監督がアラバマ大の次期監督に就任する気があるかどうか、という事です。

なぜそんな噂が立つかといえば、何を隠そうスウィニー監督は現役時代アラバマ大でプレーしていた卒業生だからです。

セイバン監督がアラバマ大で成し得てきた事は想像を絶するくらいすごい事です。すでにアラバマ大でナショナルタイトルを4つ、カンファレンスタイトルは6つと過去10年間でチームを常勝チームに育て上げ、今のところ彼よりも腕の立つコーチは見当たりません。しかし、そんなセイバン監督もいつまでもコーチングできるとは限りません。「もしセイバン監督が引退してしまったらどうしよう?」と考えるファンも少なくないと思います。そうなった時、彼が築き上げてきた「ダイナスティー」を誰に託すべきか?それはアラバマ大にとって死活問題ともいえます。

そこで挙がってくるのがスウィニー監督の名前です。アラバマ大出身でアラバマ大と張り合えるクレムソン大の監督を務めるスウィニー監督はセイバン監督の後継者としては適任だと言わざるを得ません。

2015年に彼はそのような可能性があると思うかと質問された時「You don’t ever say never(絶対ないとは言えません)」と含みを持たせて返答したことがあります。そして先日も同じ質問をされた時彼はこう答えました。

「I’ve always said you never say never because you never know what the dynamics will be(いつも言っていることですが、絶対にないとは言えません。それはその時になった時にどんな状況であるか今はわからないからです)」

今年8月クレムソン大と契約更新をし、その結果彼は2024年までチームの長として君臨することを確実なものにしました。この新契約では7年間で5400万ドル(約54億円)が彼に支払われる事になりますが、もし彼がこの契約期間にクレムソン大を去る事になればそれ相応のペナルティー費を大学に支払わなければならない契約にもなっています。

ちなみにセイバン監督もアラバマ大と契約更新をこの春に行いましたが、その結果彼はスウィニー監督と同じく2024年までアラバマ大の監督の座に座ることが確認されました。2024年にはセイバン監督は73歳になっていますが、それ以降引退するかもしくは引き続きアラバマ大を率いる事になるのか・・・それが注目されるところです。面白い事に2024年にスウィニー監督は56歳になっていますが、実はセイバン監督がアラバマ大監督に就任したのはなんと56歳での出来事。偶然か否か・・・。

元アラバマ大QBコーンウェルがネバダ大から退部へ

昨年12月にアラバマ大から転校することを決意し、大学院生としてネバダ大にトランスファーしたデヴィッド・コーンウェル(David Cornwell)ですが、今回再び転校する事になったそうです。

プレシーズンのキャンプ開始時には先発候補として名をあげましたが、キャンプを通してその他のQBが台頭し先発の座を奪われてしまいます。しかし先週のワシントン州立大では満を持してスターターに任命されましたが、その試合で不甲斐ない結果しか残すことができず、再び先発の座を追われ3番手のQBに降格してしまいました。そして今回の転校という運びになったのです。

2014年度のリクルーティング時には全米4位のプロスタイルQBとして4つ星評価を受けていましたが、そのポテンシャルを十分に引き出せず、どうやら彼のカレッジキャリアは風前の灯火となっているようです。

先週ネブラスカ大の体育局長(Athleitc Director=AD)であるショーン・エイコースト(Shawn Eichorst)氏がチームの不調の責任をとって解雇されましたが、この度その臨時ADに同チームのレジェンドであるデイヴ・リミントン(Dave Rimington)氏が就任したことが発表されました。

リミントン氏は大学がエイコースト氏の正式な後継者を見つけ出すまで最長60日間ADの職務を遂行するということです。

リミントン氏は1979年から1982年までネブラスカ大でセンターとしてプレーし、1981年と1982年にはオールアメリカンに選出されました。また1981年にはカンファレンス(Big 8)の最優秀選手に選ばれましたが、ラインマンとしてMVPを受賞したのは後にも先にもこのリミントン氏ただ一人です。卒業後はシンシナティベンガルズなどで合計7シーズンプレー。1997年にはカレッジフットボール殿堂入りも果たしました。

レジェンドの力を借りてネブラスカ大が復活を目指します。

元ミシシッピ大監督のフリーズ氏の謝罪

今シーズン開幕直前に自身のセックススキャンダルが暴露されてミシシッピ大HCの職を辞したヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)氏。彼の辞任に関しては大学、選手、ファンに大きな傷跡を残しましたが、そのフリーズ氏が今回ファンらに向けて謝罪の言葉を発表しました。

【関連記事】ミシシッピ大のフリーズ監督が辞任

「私がここでコメントを残すことは批判や負のイメージを生んでしまう可能性があることは十分承知しています。しかし私はミシシッピ大に対して私が失望させてしまったこと、苦痛を与えてしまった事に対して謝罪しなければならないと思ったのです。」

フリーズ氏はミシシッピ大時代に大学から支給された携帯電話を使ってコールガール(娼婦)のサービスを受けていたという事実が明らかになり、それを受けて彼は辞職したのです。彼がミシシッピ大に就任して以来、チームではリクルーティングにおいてNCAAのルール違反疑惑の話があとを絶ちませんでしたが、自身の犯した不貞のせいで彼はキャリアを棒に振る事になってしまったのでした。

「もうご存知の通り今年の7月にADのロス・ビョーク氏から私の携帯電話に残されていた電話番号に関して尋ねられました。そして私は彼に私の過去の過ちを告白し、辞職する決意をしたのです。報道されている一部の内容は正確なものではありませんが、一番重要なのは私がしてしまったことは間違ったことだったとみなさんに伝えたいということです。そして私が悪いことだと知りながら身勝手に行ってしまった行為に関して何も言い訳する余地はありません。私はミシシッピ大ファンを大きく傷つけてしまいました。どうか私が犯した罪を許していただきたいのです。」

あんなに腕の立つ監督だったのにこのような形でカレッジフットボール界から去ってしまうのは残念ですが、一方であれが犯した行為によるミシシッピ大への影響は計り知れません。これはまさにしょうがないことですが、時間が経って彼がこの失敗を糧に次に活かせるようになれば、状況次第ではまたどこかでチームを率いることができるかもしれません。

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