オフェンス比較
QB
J.ハーツ | J.フローム | |
---|---|---|
パスヤード | 2060 | 2383 |
TD | 17 | 23 |
INT | 1 | 5 |
成功率 | 61.3% | 63.7% |
アラバマ大のQBは2年生のジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)、ジョージア大は1年生のジェイク・フローム(Jake Fromm)が攻撃の起点となります。
ハーツは昨年の開幕戦に途中出場してからそのままナショナルチャンピオンシップまで先発QBとして出場し、今年もオフェンスの若きリーダーとしてチームを引っ張ってきました。上に挙げた数字はパスの記録ですが、彼の持ち味はRB並みの走力。ただ走れるだけのQBというわけではなく、チーム内でもトップクラスというパワーをいかんなく発揮したパワフルな走りはチームの第3のRBと言っても過言ではありません。ただ、投力に関して言えば彼の能力に疑問を呈する人も多くいます。数字だけ見ればQBとしてそれほどのものを残しているとは言えません。しかしもともとアラバマ大はランを主体にしているオフェンスですのでそのことも影響しているのかもしれません。それでも試合の状況によって彼のパス能力に頼らなければならなくなった時、その真価が問われることになるでしょう。
ちなみにアラバマ大にはバックアップとして機動力と投力に長ける1年生のトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)も健在です。
ジョージア大のフロームは昨年からの先発QBであるジェコブ・イーソン(Jacob Eason)が開幕戦で負傷退場した際に途中出場し、イーソンが欠場している間にそのまま彼から先発の座を奪った選手。純粋なパサーとしては驚くような数字を残してはいませんが、1年生ながらここまで大舞台でそこまで大きなミスもなくチームを率いてきました。アラバマ大と同じくジョージア大も後述のようにラン重視のオフェンスがモットーですので、フロームが何か特別なことをする必要もないのです。そういう意味では彼は「プレーメーカー」というよりも「ファシリテーター(仲介人)」という役割を負い、それを確実に実行してきたと言えます。
RB
ラン回数 | ヤード | AVG | TD | |
---|---|---|---|---|
ハリス | 129 | 983 | 7.6 | 11 |
ハーツ | 148 | 808 | 5.5 | 8 |
スカーボロー | 120 | 573 | 4.8 | 8 |
チャブ | 205 | 1320 | 6.4 | 15 |
ミシェル | 142 | 1129 | 8.0 | 16 |
前述の通り両チームともオフェンスの売りはランです。チーム全体としてはジョージア大は今季トータル3743ランヤードに41TD、アラバマ大は3325ヤードに36ヤードと非常に似通っています。
アラバマ大はダミエン・ハリス(Damien Hurris)とボ・スカーボロー(Bo Scarbrough)の二人のRBに加えてQBハーツがRB並みの走りを見せてきました。対するジョージア大はニック・チャブ(Nick Chubb)とソニー・ミシェル(Sony Michel)という全米を代表するRBデュオが健在。アラバマ大の3人を加えると2364ヤードに27TD、ジョージア大の2人を加えると2449ヤード31TDということでどんぐりの背比べといったところでしょうか。
強いて違いを見つけるとすれば、アラバマ大のRB陣は強力なOLを盾にインサイドからグイグイ押してくるスタイル。ジョージア大はスピードを生かして両サイドから抜けてくスタイルというところでしょうか。
WR
捕球回数 | ヤード | TD | |
---|---|---|---|
リドリー | 59 | 935 | 4 |
ウィムス | 44 | 704 | 7 |
ゴッドウィン | 34 | 591 | 6 |
前述の通りランオフェンスが売りの両校ですが、レシーバー陣がそれほどでもないというわけでもありません。アラバマ大は1年生時から活躍してきた3年生のカルヴィン・リドリー(Calvin Ridley)が明白なメインターゲット。彼の能力は数字には現れていませんが、ここぞという場面での彼の身体能力はオフェンスに緩急を入れるのに大変役に立っています。また彼らのオフェンスがショートパスを多用するためにジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy)、ヘンリー・ラグス(Henry Ruggs III)、デヴォンタ・スミス(DeVonta Smith)らも重宝されています。
ジョージア大はジャヴォン・ウィムス(Javon Wims)とテリー・ゴッドウィン(Terry Godwin)が合計13TDを獲得し、これがチームトータルの半数以上であるからもわかるようにフロームは彼らにボールを託す傾向にあります。またメコール・ハードマン(Mecole Hardman)も23回のキャッチで338ヤードを稼ぐなどチームのパスゲームに貢献しています。
どちらのチームにしても得意のランオフェンスを活かすために要所要所でパスを織り交ぜなければなりませんから、その時に頼れるWR陣の活躍が必須事項となってきます。
また両チームともTEは主にブロッカーとして起用されているようです。
スペシャルチーム
FG回数 | FG成功 | 成功率 | 最長FG | ||
---|---|---|---|---|---|
パパナストス | 21 | 16 | 76.2% | 46yd | |
ブランケンシップ | 20 | 17 | 85% | 55yd |
スペシャルチーム、特にFG/PATを軽視することはできません。特に大舞台ではなおさらです。両チームのキッカーを見るとジョージア大に軍配が上がりそうですが、特筆すべきはロドリゴ・ブランケンシップ(Rodrigo Blankenship)がローズボウルでの前半終了間際に決めた55ヤードのロングFG。あれがなければひょっとしたらオーバータイムに試合を持ち込めなかったかもしれないことを考えると、彼のロングFGが試合を左右したと言っても過言ではありません。ここぞという場面でFGを決めるのとそうでないのではその後の展開に関わってきますし、結果に大きく影響することも十分にあり得るということです。