CFPナショナルチャンピオンシップゲームプレビュー①

CFPナショナルチャンピオンシップゲームプレビュー①

大要

2017年度のナショナルタイトルの栄冠はカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキング3位のジョージア大(13勝1敗)とアラバマ大(12勝1敗)との間で争われることになりました。ジョージア大にとっては2014年から設立された現行のプレーオフシステムになってから初めての出場。一方のアラバマ大はこれまで唯一の4年連続プレーオフ進出チーム。しかも過去3年間は連続してタイトルゲームに進出している言わずと知れた常勝チームです。ちなみにこのマッチアップは2014年度にCFPが導入されて以来初めての下位シードチーム同士の戦いでもあります。

ジョージア大は1980年シーズン以来3度目の全米制覇を狙います。一方のアラバマ大は17度目の栄冠を目指してこの試合に臨ことになります。アラバマ大はニック・セイバン(Nick Saban)監督が2007年に監督に就任して以来4つナショナルタイトルを獲得してきましたが、もし今シーズンも優勝して5つ目獲得となれば同チームのレジェンドであるポール・ベアー・ブライアント(Paul “Bear” Bryant)元監督のもつ6度優勝にあと1つ、そしてセイバン監督がルイジアナ州立大で獲得した2003年度のタイトルも含めればタイ記録になります。

そしてこのタイトルゲームはサウスイースタンカンファレンス(SEC)チーム同士(アラバマ大は西地区、ジョージア大は東地区)の対決となります。アラバマ大は所属カンファレンスのタイトルを保持していませんが(今季はジョージア大が獲得)、そのようなチームがプレーオフの決勝戦に進むのも初めてのことです。最後にナショナルタイトルゲームが同じカンファレンス出身チーム同士で争われたのは2011年度シーズンのBCSナショナルチャンピオンシップゲーム。これに出場したのは何を隠そう今年も出場するアラバマ大とルイジアナ州立大です。この時はレギュラーシーズンで9対6とディフェンシブゲームに競り負けたアラバマ大がタイトルゲームで21対0と全米1位のルイジアナ州立大にリベンジを果たしたのでした。

会場はジョージア州アトランタ市に新設されたメルセデスベンツスタジアム。今季こけら落としとなったNLFアトランタファルコンズの本拠地ですが、アラバマ大は開幕戦のフロリダ州立大をこのスタジアムで戦っており多少の「慣れ」はあるかもしれませんが、この事が勝敗を左右するとは考えられません。それよりもジョージア大のキャンパスがあるアセンズ市から車でたったの1時間という立地条件、そしてアトランタ市にはジョージア大卒業生が9万人もいるという事で、ジョージア大のホームゲーム感が強くなる方がより試合に影響を及ぼす気がします。もっともアラバマ大のあるタスカルーサ市も車で3時間程ですし、アラバマ大のファンが全米どこへでも駆けつけることは周知の事実ですから、このスタジアムが満員御礼となることは必死です。

それにしてもここ数年はSECがカレッジフットボール界でその力を失いつつあると言われてきました。2006年から2012年までの7年間は全てナショナルタイトルをSEC出身チームが獲得してきました(2006年フロリダ大、2007年ルイジアナ州立大、2008年フロリダ大、2009年アラバマ大、2010年アーバン大、2011年アラバマ大、2012年アラバマ大)が、2013年と2014年はフロリダ州立大オハイオ州立大にその栄冠を譲り、また全米ランキングを見てもアラバマ大以外のチームが上位に食い込めなくなっていたのです。SECチームの独壇場だったカレッジフットボール界も終わりを告げたのだという声が高まっていたのは事実です。

が、そんな中で今シーズンはSECチーム同士が全米の頂点を争うというこの展開は興味深いです。全体のパワーバランスを見るとやはり一時期よりもSEC全体の力は衰えたのは確かです。テネシー大ミシシッピ大フロリダ大テキサスA&M大アーカンソー大といった常にランクインしてきたチームが不調なためにカンファレンス全体のレベルを下げたのです。しかしそれでも今年最後の最後に生き残ったのはSEC出身のこの2チームでした。

長い間同じカンファレンスでしのぎを削ってきた両校の直接対決戦績はアラバマ大が38勝25敗4分けでジョージア大をリードしています。両チームは1941年から1965年まで毎年のように対戦してきましたが、それ以降は徐々に対戦回数が減り、2008年からは3度しか対峙していません。その3度ともアラバマ大が勝利しています。一番最近では2015年度にジョージア大のホームで行われた一戦。この時ジョージア大は全米8位でアラバマ大は13位ということで下馬評ではジョージア大有利とされていましたが、一時は38対10と圧倒的な差をつけられ敗れました。そしてアラバマ大はそのまま勝ち続けて全米制覇を成し遂げたのです。ちなみにこの時のアラバマ大のディフェンシブコーディネーターは現ジョージア大HCのカービー・スマート(Kirby Smart)氏でした。

全米の頂点を決定するこの試合は1月8日月曜日、現地東部時間午後8時キックオフ(日本時間で1月9日午前10時)。FBS(フットボールボウルサブディビジョン)129校の頂点に立つのは一体どちらのチームとなるでしょうか・・・。

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