ボウルゲームプレビュー:ミッドメジャーボウル編【その壱】

ボウルゲームプレビュー:ミッドメジャーボウル編【その壱】

12月16日に今シーズンのボウルゲームが始まり、すでに5試合を消化しました。プレーオフも含めて40試合以上ある今季のボウルシーズン。全ての見どころを紹介するのはキツイので(笑)、個人的に気になるゲームを勝手にプレビューしてみたいと思います。

今回は俗に言う「ニューイヤーズ6」ボウル以外の「ミッドメジャーボウル」から何試合か掻い摘んでみます。

12月19日

ボカレートンボウル

フロリダアトランティック大 vs アクロン大

フロリダアトランティック大(FAU)といえば何かと話題を振りまいてくれる、レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督が有名です。もともとオフェンスの天才としてアラバマ大でOCとして手腕を振るっていましたが、今年からFAUで監督としてチームを率いています。そして昨年3勝9敗だったチームをたった一年で10勝3敗にまで復活させ、見事カンファレンスUSAのリーグタイトルも手にしました。またその類稀なるオフェンスの頭脳だけでなく、ソーシャルメディアでも己を包み隠さず表現し、また前上司であるアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督にちょっかいを出すコメントを残すほどの図太さ。いつまでFAUで指揮をとるかわかりませんが、少なくともチームに在籍している間はプレッシャーの少ないこの大学とフロリダ州と言うロケーションを存分に楽しむに違いありません。

一方のアクロン大は今回調べるまで知りませんでしたが、テリー・バウデン(Terry Bowden)氏が率いるチームです。バウデン監督はかつて1993年から1998年まで名門アーバン大の指揮を執っていた人物。初年度の1993年には11勝無敗と華々しくデビューしてその年の最優秀監督賞を総なめした過去を持っています。その後コーチ業界から離れテレビで解説者を勤めていましたが、現場に復帰していたとは知りませんでした。ちなみに名前からもわかる通り、彼はフロリダ州立大のレジェンド、ボビー・バウデン(Bobby Bowden)氏の実子であります。

また彼の右腕となる副監督(Associate HC)には、フロリダ州立大でボビー氏の元で長年DCを務め、のちにノースカロライナ州立大の監督にもなったチャック・アマト(Chuck Amato)氏、さらには同じくフロリダ州立大でOCを務めたこともあり、テリー氏の弟でもあるジェフ・バウデン(Jeff Bowden)氏がWRコーチとして兄を手助けしています。アクロン大のコーチ陣も履歴書だけ見ればなかなか素晴らしい人材が揃っています。

ただ何れにしてもキフィン監督率いるダイナミックなオフェンスにアクロン大がついていけるかは疑問であり、大差でFAUが勝利するのではないかと言うのが個人的な予想です。

12月22日

バハマボウル

UAB vs オハイオ大

何かといえば「パワー5」のチーム達が注目を浴びる昨今ですが、アラバマ大バーミンガム校(UAB)の今季の大躍進は特筆に値すると思います。なぜかといえばUABは2014年度シーズン後に一旦廃部になり、今年から正式にFBSに復帰してきたチームだからです。当時財政困難だったUABは苦渋の決断としてフットボール部の廃部を決定。しかしそれに反対した在校生や卒業生の強い要望もありチームが復活することになったのですが、2015年と2016年は選手やコーチは存在したものの試合は一切組まれなかったのです。と言うことは今年のUABは実戦経験が過去2年間全くなかったチームというわけです。にもかかわらず復帰初年度となった今年は見事に8勝4敗という大成功となり、復帰できただけでも万々歳だったところ予想を大幅に上回るシーズンを送ったのでした。ちなみに8勝という数字はUABにとってFBSレベルの勝利数としては最多のものでもあります。

今季のFBSではセントラルフロリダ大を全勝チームに育て上げたスコット・フロスト(Scott Frost、来季からネブラスカ大監督に)や就任一年目で早くもチームをプレーオフ進出に導いたオクラホマ大リンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督、またオクラホマ大と同じくチームをプレーオフに送り出したジョージア大カービー・スマート(Kirby Smart)監督などの活躍がとりだたされていますが、それと同じかそれ以上の価値がUAB監督のビル・クラーク(Bill Clark)監督にあると思います。そんな彼らが有終の美をこのオハイオ大とのバハマボウルで飾れるかに注目が集まります。

12月24日

ハワイボウル

フレズノ州立大 vs ヒューストン大

今季からフレズノ州立大を率いているのは元カリフォルニア大HCのジェフ・テッドフォード(Jeff Tedford)監督です。母校に凱旋してきたテッドフォード監督は昨年1勝11敗だったチームを今季9勝4敗にまで立て直し、ハワイボウルで勝利すれば二桁勝利にも手が届くまでに至りました。数多くの名QBを世に送り出してきたコーチとして知られていますが(その最たる選手が現グリーンベイパッカーズQBアーロン・ロジャースでしょう)、このフレズノ州立大でもそのオフェンスはQBのパスを重視した典型的ウエストコーストオフェンス主体のチームとなるのではないかと思われてしました。しかし今シーズンのフレズノ州立大はオフェンスよりもそのディフェス力でシーズンを戦い抜いてきたチームという印象が強いです。またオフェンスではQBプレーよりもラインプレーの方に注目したいです。今季彼らはトータルで9つしかQBサックを許しておらず、全体的に見てパスが飛び交うハイスコアチームというよりも攻守にバランスが取れたチームに仕上がりました。

ヒューストン大は昨年まで2年間チームを指揮して監督市場でスターダムにのし上がったトム・ハーマン(Tom Herman)監督がテキサス大の新監督に就任し、それを受けてハーマン監督の下でオフェンシブコーディネーターを務めていたメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)氏がHCに昇格。今季1年目は7勝5敗と決して悪い数字ではありませんでしたが、このハワイボウルで勝利して8勝目を挙げるのと7勝6敗でシーズンを終えるのでは聞こえは全然違ってきます。このチームで注目したいのはDLのエド・オリバー(Ed Oliver)。2年生ながら今季アウトランドトロフィー(最優秀インテリアラインマン賞)を受賞するまでに至ったオリバーがフレズノ州立大の堅固なOLとどう対峙するかが見ものです。

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