99パーセントのレギュラーシーズンスケジュールが終わった今(来週に陸軍士官学校と海軍士官学校の伝統の一戦を残すのみ)、カレッジフットボール界の焦点はどのチームがプレーオフに進出するか、に絞られます。昨日各地で行われた各カンファレンスの優勝決定戦でそれぞれがチャンピオンを輩出しましたが、それに伴いプレーオフに進出する4チームが誰になるのかという青写真もかなり見えてきました。ACCを制したクレムソン大、Big 12を制したオクラホマ大、そしてSECを制したジョージア大ら3チームはプレーオフ進出ほぼ当確と言えるチーム達です。Big Ten優勝決定戦では4位のウィスコンシン大が敗れたため彼らのトップ4からの陥落は間逃れず、そうすると残された最後の椅子に誰が座ることになるのか?これが今後数時間の注目点であります。
それは1敗ながらカンファレンスタイトルを獲得できなかったアラバマ大とカンファレンスタイトルは獲得したもののすでに2敗を喫しているオハイオ州立大のどちらを選ぶのか?ということです。
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アラバマ大は今季ほぼ全シーズンを通してランキング首位を守ってきましたが、最終戦となったアーバン大戦で敗れ、SEC西地区制覇逃しカンファレンスタイトルゲームにすら進むことができませんでした。各地で優勝決定戦が行われる中、彼らにできたことはただ指を加えてそれらを見守ることぐらいでした。アラバマ大にとって1敗したタイミングは最悪でした。負けてしまったこともそうですが、それを挽回しようにもそのチャンスすらなかったのです。
アラバマ大は敗戦したアーバン大戦に加え、辛勝したミシシッピ州立大戦以外ではほぼ対戦相手を圧倒してきました。彼らが全米トップクラスであることは誰の目から見ても明らかですが、現時点で彼らが上位4チームたるチームなのかというのが議論の焦点になります。
これまで彼らはフロリダ州立大(当時3位)とアーバン大(当時6位)という2チームしかトップ10チームと対戦してきませんでした。そしてもうご存知の通りフロリダ州立大は今季6勝6敗と惨敗。ですからアラバマ大の対フロリダ州立大戦での勝利の価値はほぼゼロと言えます。つまり他のチームよりも強い対戦相手とのマッチアップが少なかったため、彼らの真の力を試されるチャンスが少なかったため、アーバン大戦で敗れてしまってから「実はアラバマ大はそこまで強くなかったんじゃないのか?」という疑問が生まれたわけです。しかもそのアーバン大がジョージア大にSECチャンピオンシップで敗れてしまったため、「ジョージア大に負けたアーバン大に負けてしまったアラバマ大」という見方をされる羽目になったのです。
一方のオハイオ州立大はウィスコンシン大を僅差で破って見事Big Tenカンファレンス王者に輝きました。しかし彼らの強みはBig Ten覇者であるということと、シーズン中に当時2位だったペンシルバニア州立大をアウェーで下したということぐらい。むしろすでに2敗を喫していることとそのうちの1敗がアイオワ大相手に大敗してしまったことというネガティブ要素の方が強い印象があります。
これまで2敗してプレーオフに進出したチームは存在しません。今季アーバン大が限りなくその慣例を覆す可能性を秘めていましたが、残念ながらジョージア大にカンファレンスタイトルゲームで敗れたためそれも水の泡となりました。
逆にカンファレンスタイトルを獲得しなかったチームがプレーオフに進出したケースはあります。昨年のオハイオ州立大です。彼らはBig Tenカンファレンスタイトルゲームにすら進めず、そのタイトルはペンシルバニア州立大の手に渡りましたが、ファイナルランキングではオハイオ州立大の方がペンシルバニア州立大よりも強いチームであると判断されて彼らがBig Ten王者を差し置いてプレーオフに駒を進めたのでした。
もしアラバマ大が選ばれると上位4チームにジョージア大とアラバマ大のSEC出身2チームがプレーオフに出場することになり、すでに弾かれているPac-12カンファレンスに続いてBig Tenも出場チームを輩出できないという事態に陥ります。バランスを考えるとこれはどうなのか?と思う人々も多々いると思いますが(特にBig Tenファンなら尚更)、一方で選考委員会はその時のベスト4チームを選び抜くと断言しているため、同じカンファレンスから複数のチームが出場することを避けるような選び方をするとは明言していません。
昨夜全てのカンファレンス優勝決定戦が終わった深夜、委員会がファイナルランキングを発表するまで12時間足らずというところで最後のアピールとばかりにアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督並びにオハイオ州立大のアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督の両名が自らのチームの優位性をアピールするコメントを残していました。
あともう少しでファイナルランキングが発表されます。どちらが選ばれても皆が満足する結果には収まらないでしょうが、果たして誰がトップ4にランクされるのか・・・固唾を飲んで見守りたいと思います。