アラバマ大のオフェンスはごく稀に「ハリーアップオフェンス」(ノーハドルのようなものです)を仕掛けてきますが、基本はランアタック重視のプロスタイルオフェンスです。もちろんそのランアタックを担うのはハイズマントロフィー受賞RBデリック・ヘンリー。しかしやはり見逃せないのはヘンリーに道を開けるアラバマ大オフェンシブラインです。彼らが波に乗ったときは、まるでOLが下り坂を下りていくかの如くスクリメージラインを押し上げていきます。その姿は実に壮快です。
オフェンシブライン
その重量級のオフェンシブラインですが、先発組を支えるバックアップ組も計7選手おり、そのいずれもが300パウンド(約135キロ)超の巨体を誇ります。この巨大でパワフルなオフェンシブラインはおそらくクレムソン大ディフェンシブラインが今季対峙する中でもっとも手強いユニットだと思います。このユニットをまとめあげるのがレミントン賞受賞者でもあるライアン・ケリーですが、彼以外の選手もそれ相応の能力を持っています。先にも上げた通り層の暑いOL陣は必要とあらばバックアップ組もプレーすることになるでしょうから、彼らのスタミナは試合を通して維持され続けると思われます。
スキルプレーヤー
QBジェイク・コーカー、RBデリック・ヘンリー、WRカルヴィン・リドリーがアラバマ大オフェンスの顔です。コーカーはシーズンを通して最も成長した選手と言え、かつては弱点と思われていたこのポジションですが今では頼れる選手となりました。当然ヘンリーが重用される事でしょうが、それがさらにリドリーを1対1のカベレージに持ち込めるチャンスです。1年生ながらリドリーはすでにアラバマ大が輩出して来たエリートWRと幾分も引けを取らないパフォーマンスを見せてくれています。さらにWRアーダリウス・スチュワート、TE O.J.ハワードらがコーカーのパスを受けます。しかしやはりオフェンスの中心はヘンリーによるランアタックです。
総評
とにかくアラバマ大の基本は地上戦。そのランアタックの隙をついてピンポイントで空中戦を仕掛けてくる事でしょう。コーカーが格段にパサーとして成長したこともあり、このパス攻撃も見逃す事は出来ません。クレムソン大セカンダリーの腕が試されます。しかし鍵はクレムソン大ディフェンシブラインがいかにアラバマ大ランオフェンスを止めるかにかかっています。いつの時代もスクリメージラインでのバトルを制するものが試合を制するのです。