CFP

ランキング

2015年度シーズン

第14週目の見どころ

第14週目の見どころ

いよいよ今季のカレッジフットボールシーズンも大詰めを迎えます。日曜日にはCFPのファイナルランキングが発表されプレーオフに出場する4チームが選出されます。その4つの椅子を争うチーム達が最後のアピールのため全力でこの週末に挑みます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

ACC優勝決定戦

クレムソン大(1位)対 ノースカロライナ大(10位)

CFPランキングで過去5週にわたり首位の座を守り抜いてきたクレムソン大と11連勝中のノースカロライナ大とのマッチアップ。クレムソン大が勝てばプレーオフ進出は確実。ノースカロライナ大が勝てば他の試合の結果いかんではプレーオフ進出の可能性も見えてくるという状況です。

ノースカロライナ大はトータルオフェンスで全米16位となる1試合平均495.7という強力な攻撃力を誇ります。特徴的なのは彼らのハリーアップオフェンス。ノーハードルで次々とプレーを繰り出し、相手ディフェンスに付け入る隙を与えません。その中心人物がQBマーキース・ウィリアムス。巨体の割に機動力があり、パスも投げられる彼が今季好調のノースカロライナ大の原動力と言えます。特に機動力の面では786ヤードを足で稼ぎ10つのランTDを奪っています。

ウィリアムスに加えRBイライジャ・フッドも今季トータル1280ランヤードに16TDとノースカロライナ大のランゲームは脅威です。またパスオフェンスもウィリアムスは頼れるWRが4人おり、その中でもリーダー格のマック・ホリンズは8TDを含む670レシーブヤードを記録。ディフェンスも堅実で1試合平均20.8点しか許していません。が、最近2試合では合計で61失点しているのが気がかり。

クレムソン大は攻守ともに爆発的なパワーを持つチーム。攻撃陣はハイズマントロフィー候補でもあるデショーン・ワトソンが率います。ワトソンは今季全米でただ一人3000ヤード以上のパス、750ヤード以上のランを記録しているQB。パスの成功率は70.4パーセントと正確なパサーであり、走っても相手ディフェンスを翻弄することができるトータルパッケージ。

またRBウェイン・ガルマンは9TDを含む1145ランヤードを記録するなど活躍。ディフェンスでは全米QBサックリーダーであるDLシャック・ローソン(1試合平均8.5サック)が要となります。気になるのは最近5試合で平均25.2失点と失点がかさんできていることです。つまり無敗のクレムソン大も無敵というわけではなさそうだということです。

この顔合わせは現在まで通算36勝19敗1分けとクレムソン大が大きくリードしています。今年はこの大舞台でどちらが微笑むことになるでしょうか。


SEC優勝決定戦

アラバマ大(2位)対 フロリダ大(18位)

現在9連勝中で最強の呼び声高いアラバマ大とチャンピオンシップに進出を決めてから不調が際立っているフロリダ大とのマッチアップ。アラバマ大が勝てば去年に続きタイトル2連覇ということになり、これは1997年と1998年にテネシー大がSECを連覇した以来の快挙となります。

シーズン4試合目にミシシッピ大に敗れた時はアラバマ大の連覇も危ういかと思われましたが、その後しっかり立て直し現時点では1敗ながら実力だけ見ればナンバーワンとも言われています。対するフロリダ大はアラバマ大とは逆にシーズン終盤につれ尻すぼみに調子が悪くなっていきました。今回6年振りとなるSECチャンピオンシップ出場となるフロリダはバンダビル大サウスカロライナ大を僅差で退け、格下フロリダアトランティック大にはオーバータイムまでもつれ込むという醜態。そして先週はフロリダ州立大相手に何も出来ずに27対2と敗れ去りました。勢いだけ見ればどちらのチームが登り調子のチームか一目瞭然です。

下馬評ではまったく勝ち目がないとまで言われる始末のフロリダ大ですが、希望があるとすれば彼らの守備力です。トータルディフェンスで全米10位(1試合平均283.6ヤード)とトップレベルの数字を誇るディフェンスがアラバマ大の重量ユニットを止められればもしや、です。しかしそのディフェンスも11月に入ると打たれ弱さを露呈。アラバマ大相手に接戦に持ち込むには彼らのディフェンス陣がベストの状態を試合当日に準備できるかどうかに掛かっています。

オフェンスはバックアップQBだったトレオン・ハリスが先発QBとして攻撃陣の屋台を守ってきましたが、最近4試合中3試合で300オフェンスヤード以下と言うパワーダウン中。ディフェンス陣がアラバマ大を止められないならば乱打戦に持ち込むしか手だては無く、そうなるとフロリダ大オフェンスがここ最近のスランプから抜け出さなければいけません。

アラバマ大は前述の通りミシシッピ大戦での思わぬ不調から立ち直り、通年通りの常勝チームへとチューンナップしてきました。その原動力となっているのはパワフルなランオフェンスと強固なディフェンス力で、まさに強いアラバマ大の方程式が出来上がっています。ランゲームはハイズマントロフィー最有力候補のRBデリック・ヘンリーの独り舞台。これまでトータル1797ラッシュヤードを蓄積し22つものTDを足で量産しています。先週のアーバン大戦では46回のラン(チーム新記録)で271ヤードのランを記録。またヘンリーは2014年11月8日以来連続TD記録を17にのばしています。これは現役記録で最長のレコードです。

ディフェンスはランディフェンスで全米1位(1試合平均78.9ヤード)、トータルディフェンスで全米2位、そしてスコアリングディフェンスで全米3位とまさに最強。ちなみにこのディフェンス陣を率いるディフェンシブコーディネーター、カービー・スマート(Kirby Smart)氏はシーズン後にジョージア大のヘッドコーチに就任するとささやかれています。

フロリダ大とアラバマ大はこれまで7度SECチャンピオンシップで対戦しており、その成績はフロリダ大が4勝3敗とリードしています。しかしアラバマ大はフロリダ大に4連勝中(シーズンゲーム含む)。フロリダ大1年目のコーチ、ジム・マクエルウェインはチームを初年度からチャンピオンシップへ導き、その手腕に賛辞の言葉が寄せれていますが、もしアラバマ大を倒すことが出来ればシーズン終盤の失速を帳消ししてもおつりが来るくらいの大金星となります。ただそれを成すには全ての面においてベストプレーを繰り出さない限り可能性は限り無く低くなるでしょう。

Big Ten優勝決定戦

アイオワ大(4位)対 ミシガン州立大(5位)

勝った方がカンファレンスタイトルを得てプレーオフに進出出来ると言う、至って簡単な構図のこのマッチアップ。今季未だ無敗のアイオワ大はチーム創設93年で初の全勝シーズンを送っています。対するミシガン州立大は「疑惑の」プレーでネブラスカ大に敗れるも1敗を守り東地区を制してこの試合に臨みます。

ミシガン州立大はオールカンファレンスQBに選ばれたコナー・クックがオフェンスの要です。今季は24TDに4つのインターセプションと非常に効率のいい仕事をして来ています。また彼のトップターゲットであるWRアーロン・バーブリッジは今季1158レシーブやドに9つのTDを記録しクックと同じくオールカンファレンスに選ばれました。この2人を中心にミシガン州立大はこれまで1試合平均33.4得点としています。

ディフェンス陣でもシリーク・カフーンがこれまたオールカンファレンスに選ばれる活躍。これで3年連続の選出となったカフーンは8.5QBサックを決めディフェンス部隊のDLマリク・マクドゥーウェルとLBライリー・ブロウとともに守備の主軸を担っています。

一方のアイオワ大はQBのC.J.バサードのミスのない安定したプレーと、シーズン中盤に足首の怪我から復帰して調子を戻してきたジョーダン・カンツェーリの堅実な走りで地味ながらも毎週白星を重ねてきました。ディフェンスでは8つのパスインターセプションを奪ってオールカンファレンスチームに選ばれたDBデスモンド・キングが先週チームの規則を破ったためこの試合の第1Qは出場禁止となります。それがどう響くか。

ミシガン大オハイオ州立大と有名チームとの試合を経ているためミシガン州立大はある程度その戦い振りを全米中継で放映されました。しかしアイオワ大は幸か不幸か今挙げた2チームとの対戦が無く、メディアの注目度は無敗チームの割にいまいちでした。しかしこの試合では全米中に完全生中継されるので、いよいよアイオワ大がどんなチームなのかベールが剥がされます。どちらがかってもおかしくないこの一戦。最後に笑うのはどちらのチームでしょうか。

Pac-12優勝決定戦

スタンフォード大(7位)対 サザンカリフォルニア大(20位)

一時はPac-12チームは完全にプレーオフ進出への道を閉ざされたと思っていましたが、2敗のスタンフォード大が唯一僅かながら可能性を秘めています。スタンフォード大が勝ち、そしてアラバマ大かクレムソン大が負けるようなことがあればスタンフォード大が7位から一気に4位以内に上昇することもないこともありません。

9月19日に一度この2チームは対戦しており、その時はスタンフォード大が41対31で勝っています。サザンカリフォルニア大はリベンジを胸に秘めているはずです。この時は一時は11点差をつけられていましたが、QBケヴィン・ホーガンの279パスヤードとRBレモンド・ライトの3TDランのおかげで逆転勝利を収めました。この敗戦からサザンカリフォルニア大は不調に陥りヘッドコーチ、スティーブ・サーキジアンがシーズン中に解雇されるなど負のイメージしかありませんでしたが、クレイ・ヘルトン臨時コーチが6試合中5勝を挙げるなど尻上がりに調子を取り戻してきました。

スタンフォード大は先週ノートルダム大相手に劇的な逆転劇を演じプレーオフ進出への希望を繋ぎ今に至ります。RBクリスチャン・マカフリーはオールパーパスヤードで全米首位の252.92ヤード(1試合平均)でハイズマントロフィー候補に名を連ねます。彼はあと216ヤードでオクラホマ州立大のレジェンド、バリー・サンダースの持つNCAAを更新する事が出来ます。またLBブレイク・マルティネスはトータル121タックルでディフェンス陣を牽引。

問題はバックフィールドの要、DBロニー・ハリスの怪我です。彼が足首の怪我で戦線を離脱している間、スタンフォード大ディフェンスは1試合平均478ヤードも相手に許すという不甲斐なさ。ただそのハリスがこの試合にどうやら間に合いそうなのでサザンカリフォルニア大のエアーアタック阻止に少しでも歯止めをかけたいところ。

一方のサザンカリフォルニア大はヘルトン氏がチームを任されてから7試合目となりますが、その全ての試合で相手に走り勝っています。RBジャスティン・デービスがその先鋒となりますが、先週はライバル・UCLAに25回のキャリーで130ヤードとし2試合連続100ヤード以上のランを記録。このランゲームがあるからこそ、QBコディ・ケスラーとWRジュジュ・スミス・シュースターを中心としたパスオフェンスが活きるのです

ディフェンス力よりもオフェンス力に重みがおかれた、西海岸特有の試合展開が期待出来そうです。そうなるとノーガードの打ち合いとなり、どちらかより得点を取った方がタイトルの栄冠を手に入れるという展開になりそう。これまでトータルでUSCが60勝30敗3分けとサザンカリフォルニア大が大きく勝ち越していますが、ここ最近の傾向として過去9年間でスタンフォード大が6勝を挙げているということで過去の記録は当てになりません。また最近6試合中5試合でゲームのファイナルスコアが8点かそれいかということで今週の試合もスリラーが待っているかもしれませんね。

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