元ペンステート、パターノ氏の映画の予告動画

ここ2年間のペンシルバニア州立大の躍進には目を見張るものがあります。ジェームス・フランクリン(James Franklin)監督就任3年目の2016年には周囲の予想を裏切ってBig Tenカンファレンスタイトルを獲得。昨年はスターRBサクオン・バークレー(Saquon Barkley)、QBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)らを擁してシーズン中盤には全米2位にまで上り詰める快進撃を見せました。フランクリン監督のリクルーティングのおかげでペンステートは新たな時代を迎えようとしています。

しかしここに来るまで彼らは茨の道を通ってこなければなりませんでした。というのもご存知かと思いますがフランクリン監督が就任する以前から同大学がかつてのアシスタントコーチであるジェリー・サンダスキー(Jerry Sandasky)氏が長年にわたり複数の男児に性的虐待を加えていたことが明らかになり、そのスキャンダルのせいでペンステートのブランドは地に落ちていたからです。

そのスキャンダルの責任を問われ2011年に辞任に追い込まれたのはペンステートのレジェンドでもあるジョー・パターノ(Joe Paterno)氏。彼はヘッドコーチとして45年間、アシスタントコーチであった頃も含めれば61年間もペンステートフットボール部に関わってきた名監督で、FBS(フットボールボウルサブディビジョン)での最多勝利監督(409勝)でもあります。ペンステートがあるステートカレッジ市は本当に何もない田舎町ですが、フットボール部の活躍もあって大学は徐々に大きくなり、またパターノ氏が個人的に寄付して作られた図書館などもあってペンステートとパターノ氏は切ってもきれない間柄になったのです。

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晩年のジョー・パターノ元監督

しかし前述のスキャンダルのせいで彼が築いてきたイメージは一変してネガティブなものに豹変。本人は一部自身の過失(もっとアグレッシブに事態を警察に報告すればよかったと晩年に後悔していました)を認めたものの、彼がどこまでサンダスキー氏の狂気を知っていたのかは未だ謎のまま。そして大学側にも過失があったとして罰金(全額幼児虐待対策の為に寄付されました)、スカラシップの削減、そしてスキャンダルが起きていたとされる間に積み重ねた勝ち星の抹消(111勝、のちに復帰)が科せられました。

パターノ氏はというと、スキャンダルが明るみに出て自身への批判から間逃れることができないと悟ると、2011年度シーズンを最後に引退することを表明しましたが、大学側はこれを拒否して同年11月9日にパターノ氏をシーズン中ながら即刻解雇。そしてそのたった2ヶ月後にパターノ氏は肺がんのために85歳で他界することになったのです。肺がんを患っていたとはいえ、解雇されてからこんなに短期間で亡くなってしまったことを考えるとスキャンダルがらみからくる心労は想像を絶するものだったに違いありません。

この一連のスキャンダルの影響でチームはしばらく苦難の道を歩み、大学側も決して消えることのない負の遺産を背負って今後もあり続けることを余儀なくされました。それを考えると4、5年でペンステートを再び檜舞台に牽引したフランクリン監督の手腕は評価に値します。一方でパターノ氏のようなレジェンドがこのような形で評価を落としていくのはカレッジフットボールファンとしては非常に歯がゆいところです。

そんな中アメリカの有料ケーブルテレビ局のHBOがパターノ氏とサンダスキー事件を取り巻くストーリーを映画化することを昨年発表していましたが、そのトレーラー(予告動画)が先日リリースされました。その名も「パターノ(PATERNO)」。

 

パターノ氏を演じるのはかの有名なアル・パチーノ(Al Pachino)氏。同じイタリア系移民だからなのかかなり顔が似ています(もちろんメークアップを施されてますが)。個人的には興味はあるものの見てみたいような見たくないような・・・。複雑な心境です。

ちなみに2014年にはこのサンダスキー事件を描いたドキュメンタリー、「Happy Valley」が制作されています。

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