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2015年度シーズン

Turning the First Corner 〜第4週目レビュー〜

Turning the First Corner 〜第4週目レビュー〜

【第4週目の主なスコア】

UCLAのステートメント

UCLA56、アリゾナ大30

第4週目のカレッジフットボール最大の一戦と目されたアリゾナ大(全米16位)とUCLA(全米9位)の一騎打ち。前半にアリゾナ大が犯した3つのターンオーバーをUCLAが全て得点に結びつけ、その勢いのまま56対30という大差でUCLAがこのゲームを制しました。アリゾナ大はQBを脳震盪で失うというハンディを追いましたが、もしこの怪我がなかったとしてもUCLAの波状攻撃をすれば結果に大差はなかったことでしょう。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

UCLAはこのゲームを向かえるまでに、スターディフェンスプレーヤーのマイルズ・ジャック(Myles Jack)を怪我で今シーズン失い、ブリガムヤング大に辛くも勝利するというチーム状態で必ずしも全米9位という安定感を持ってはいませんでした。しかしこのアリゾナ大戦において、1年生QBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)、そしてRBポール・パーキンズ(Paul Perkins)というプレーメーカーがそれぞれ決めるところで決めてチームを勝利に導き、全米中にUCLAがPac-12カンファレンスの優勝最有力候補で、さらにはプレーオフ進出も可能なチームであると知らしめることになったのです。


オレゴン大、まさかの大敗

ユタ大62、オレゴン大20

第4週目もう一つの目玉ゲーム、ユタ大(19位)対オレゴン大(13位)のマッチアップですが、もうお分かりの通り、ユタ大の一方的なゲームで幕を閉じました。どちらのチームにとってもカンファレンスゲーム初戦で今後を占う大事なゲームでしたが、大きく明暗が分かれました。

大車輪の活躍を見せたのはユタ大QBトラヴィス・ウィルソン(Travis Wilson)。肩の怪我から復帰したウィルソンは4つのTDを含む227ヤードをパスで稼ぎ、また足でも100ヤード(1TD)を走りきりオレゴン大ディフェンスに対して暴れまくりました。

オレゴン大にすればこれだけの大敗をホームで喫したのは、1977年にワシントン大に54対0で負けた以来の失態。62点の失点だけ見ればホームで最多の失点という汚名まで残してしまいました。

オレゴン大は薬指の骨折を押して出場したヴァーノン・アダムス(Vernon Adams)が不調。程なくしてバックアップのジェフ・ロッキー(Jeff Lockie)と交代を余儀なくされました。しかし一番の問題はディフェンス。当初から心配されていたディフェンスがこの日は崩壊。ウィルソン率いるユタ大オフェンスになすすべも無くトータルで530ヤードを稼がれてしまいました。

ドラマチックな幕切れ

テキサスクリスチャン大55、テキサス工科大52

点の取り合いになった、テキサスクリスチャン大(TCU)とテキサス工科大のノーガードの一戦。試合が決まったのは試合終了間際、残り23秒でTCUが大逆転のTDを決め、このハイスコアゲームを制しました。昨年82点を奪われ雪辱に燃えるテキサス工科大でしたが、その野望はあと一歩の所で果たすことが出来ませんでした。しかしながら全米4位のTCUに善戦したと評価出来る試合だったと思います。

TCUのハイズマントロフィー候補QBトレヴォン・ボイキン(Trevone Boykin)は自己最高となる509パスヤード(4TDを含む)を記録。またボイキンのメインターゲットとなったWRジョシュ・ドクソン(Josh Doctson)もまたキャリアハイとなる267レシーブヤード(18回の捕球に3TD)。記録ずくめの一日となりました。またそのTCUと競り合ったテキサス工科大のQBパトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)も2つのTDパスを含む392パスヤードを投げ、またランTDも1つ決めテキサス公開大反撃の要となりました。

試合のドラマは前述の通り試合時間残り23秒で起きました。点の取り合いでシーソーゲームとなった終盤、第4Q残り5分55秒でテキサス工科大のマホームズがWRジャスティン・ストックトン(Justin Stockton)に50ヤードのTDパスを決めリードを奪い返して52対48としました。互いに得点することが出来ないまま迎えた最終局面、自陣47ヤードからエンドゾーンを目指したTCUはじりじりとテキサス工科大陣内を突き進んでいきますが、後のないTCUはテキサス工科大陣内4ヤードラインでの4thアンドゴールという状況でボイキンがドクソンへ最後の望みのパスを放ちますが、このパスが高すぎてドクソンの手からはじき飛ばされます。万事休すと思われた次の瞬間、はじかれたボールはTCUのRBアーロン・グリーン(Aaron Green)の手の中に吸い込まれ土壇場で逆転。最後残り20秒ばかり残されたテキサス工科大も諦めず、マホームズからのパスをラテラルパスでつなぎ僅かな希望を繋ぎますが、TCU陣内10ヤードと後少しの所でその行く手を阻まれ試合終了となりました。

テキサスA&M大、辛くも勝利を拾う

テキサスA&M大28、アーカンソー大21(オーバータイム)

全米15位のテキサスA&M大は今季不調のアーカンソー大にまさかの苦戦。終始リードされて迎えた第4Qに2ポイントコンバージョンを含むスコアリングを決めて追いて試合をオーバータイムに持ち込み、そして辛くも勝利を収めました。

テキサスA&M大QBカイル・アレン(Kyle Allen)と1年生WRクリスチャン・カーク(Christian Kirk)のホットラインがアギーズを救いました。アレンは2TDを含む358ヤードを投げ、その両TDをカークがキャッチ。また現在QBサック数全米1位のマイルズ・ギャレット(Myles Garrett)が残り時間1分というところで改心のタックルでファンブルを誘い試合をオーバータイムに持ち込みました。この試合2つ目となるTDパスがアレンからカークに決まり土壇場で逆転、そのまま逃げ切りました。

アーカンソー大は終始ゲームをリードする展開を繰り広げましたが、自身へのペナルティが点差を突き放す妨げとなり、結果テキサスA&M大のカムバックを許す形となったのでした。

ちなみにこのマッチアップは今後9年間、NFLダラスカウボーイズの本拠地であるAT&Tスタジアムで行われることになっています。というのもカウボーイズのオーナー、ジェリー・ジョーンズがアーカンソー大フットボール部の卒業生ということで彼がこのシリーズを発案したのです。

その他・・・

  • フロリダ大28、テネシー大27
    テネシー大が終始リードしていたもののフロリダに逆転され2杯目を喫しました。フロリダはこれで4連勝。以前の強さはまだ感じられないものの、無敗を守ったことには十分意味があります。ちなみにこの勝利でフロリダ大は対テネシー大戦11連勝。テネシー大にとっては鬼門となってしまいました。
  • インディアナ大は今季4戦無敗中。インディアナ大が最後に開幕から4勝0敗と絶好の出だしだったのは実に25年前のこと。これからBig Tenカンファレンスの試合が厳しくなるにしても、この好調ぶりはインディアナ大キャンパスを大いに盛り上げていることでしょう。
  • カンザス大はアウェーでラトガース大と対戦し、27対14で敗戦。これでカンザス大は3連敗。連敗といえば、これでカンザス大はアウェー戦31連敗。これはケント州立大に並び最多アウェー連敗記録です。2009年にマーク・マンジーノヘッドコーチが解雇されて以来まったくいいところがないカンザス大。今季まだ勝ち星に恵まれていないことを考えるとまだまだ長いトンネルから抜け出せそうにありません。
  • ヘイデン・モアー、シンシナティ大QB
    怪我で退場を余儀なくされた、先発QBガーナー・キール(Gunner Kiel)のバックアップとして登場したヘイデン・モアー(Hayden Moore)は4TDを含む557パスヤードを記録。メンフィス大に惜しくも敗れたものの、素晴らしい数字を残しその名を轟かせました。
  • クリスチャン・マッカーフレイ、スタンフォード大RB
    オレゴン州立大戦で200ヤードのランを記録。チームの勝利に大きく貢献しました。
  • ドゥルー・ブラウン、ネブラスカ大K
    サザンミシシッピ大戦にて前半だけで5つのフィールドゴールを成功させました。これはNCAAの新記録です。
  • 昨年ニューヨークヤンキーズから引退した、デレク・ジーター氏がミシガンスタジアムを訪れました。ジーター氏は過去にミシガン大に在学したことがあり、言わば母校に帰るといったところでしょうか。ブリガムヤング大との試合前にスタジアムでジーター氏と対面した、ヘッドコーチ、ジム・ハーボーは、ヤンキーズ時代に背負っていた背番号2とジター氏の名前が刻まれたミシガン大のユニフォームを贈呈。ジーター氏の偉業にあやかるかの様に、試合では全米22位のブリガムヤング大を31対0とし完封勝利しました。

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ハーボー監督はジーター氏に彼の名前入りのミシガン大ユニフォームをプレゼント

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