いよいよ2015年シーズンのカレッジフットボールが開幕しましたね。この投稿の時点ですでに2週目を終えているわけですが、すこし巻き戻す感じでこの2週間を振り返ってみたいと思います。第1週目の主なスコア
第2週目の主なスコア
優勝候補チームの動向
昨年度の覇者、オハイオ州立大はプレシーズンランクで満場一致の1位票を獲得してシーズンを迎えました。初戦は昨年思わぬ敗退を喫したバージニア工科大。最大の焦点はオハイオ州立大の先発QBが誰になるか、というところでしたが、結局昨年のタイトルゲームでチームを導いたカーダイル・ジョーンズがその座を射止めました。評判通りの力でバージニア工科大を一蹴したオハイオ州立大でしたが、その中でも光ったのは元先発QBでWRに転向したブラクストン・ミラーのスピンムーブでしょうか。先発WR2選手が相次いでチームの規則違反で出場停止になったなかで彼のポテンシャルが十二分に発揮されました。WRにコンバートしたのが大正解だったと言えるのではないでしょうか。
プレシーズン3位でスタートしたアラバマ大は初戦でBig Tenカンファレンス強豪のウィスコンシン大と対戦。昨年はプレーオフ準決勝でオハイオ州立大にまさかの敗退。Big Tenチームには何かと因縁があるアラバマ大でしたが、ウィスコンシン大を35対17で一蹴。プレシーズンランク3位で発進したアラバマ大はこの勝利で全米2位の座を確保。順調な滑り出しを見せました。
全米5位にランクインしたミシガン州立大。ここ最近では最高位でシーズンを迎えたスパルタンズは2週目に7位のオレゴン大と対決。昨シーズンファイナリストとなったオレゴン大との対戦は全米中の注目を集めました。結果は31対28と僅差でミシガン州立大が競り勝ち、順位も4位へと上昇し早くも11月21日のオハイオ州立大戦が楽しみになってきました。
ランキングで中盤争いをしているサザンカリフォルニア大、ジョージア大、ノートルダム大、フロリダ州立大、クレムソン大、UCLA等は順調に勝ち星を重ね、上位チームが自滅するのを虎視眈々と狙っています。その中でプレシーズン6位のアーバン大は2戦目で格下ジャクソンビル州立大に大苦戦。ゲームほぼ全般においてリードを許しましたが、試合終了間際に同点に追いつき、オーバータイムの末に辛くも白星を得ましたが、これにより最新ランキングで18位まで順位を落としてしまいました。まだまだシーズンが始まったばかりとはいえ、アーバン大にとっては不安を残すゲーム展開となってしまいました。
古豪チームの不調
上位ランクチームがしのぎを削る中、かつての強豪校が苦戦しています。テキサス大の近年の不調は目を覆いたくなるものですが、シーズン初戦で 全米11位のノートルダム大と対戦。しかし38対3と完敗。いかに相手が11位の強豪とはいえ、こうもコテンパンにやられてしまうのは少し前では考えられなかったことです。現ヘッドコーチ、チャーリー・ストロングが就任して3シーズン目。今年結果を出せなければテキサス大ファンは黙ってはいないでしょう。
またBig Tenのペンシルバニア州立大もかつての輝きを失ってしまったチームです。シーズン初戦ではテンプル大にまさかの黒星を喫しました。テンプル大に負けたのは実に約70年振りのことですので、これがいかにとんでも無いことなのかお分かりになると思います。
その他…
ブリガムヤング大、2週連続で奇跡のプレー
ブリガムヤング大(BYU)の開幕戦は非常にセンセーショナルでした。試合は強豪ネブラスカ大との一戦。かつてはハイズマントロフィー候補とも言われたQBタイソム・ヒル(Taysom Hill)が試合中に足の怪我で退場。そのバックアップのターナー・マンガム(Tanner Mangum)が見せてくれました。28対27のネブラスカ大リードで迎えた最終プレー。4thダウンで残り時間も数秒というところでマグナムから放たれたヘイルマリーパスがWRテレン・ホーク(Terenn Houk)に通りまさかの大逆転勝利。
続く第2戦、全米20位のボイジー州立大との試合でもまたまたマンガムが見せてくれました。4thクォーターのこり1分を切ってボイジー州立大だ24対21とリードして迎えた4thダウン。フィールドの中央からマンガムが放ったボールはエンドゾーンでWRミッチェル・ジャーゲンズ(Mitchel Jergens)の手の中に。なんと2週続けてマンガムが土壇場での逆転ロングパスを決めたのです。2週間前にはバックアップQBだった男が今ではBYUのシンデレラボーイに・・・。まさにカレッジフットボールの醍醐味と言えますね。
女性キッカーが出場
ケント州立大に所属するエイプリル・ゴス(April Goss)。キッカーであるこの選手は何を隠そう女子選手なのです。4年生のゴスは2戦目のデラウェア州立大戦の第2クォーターのエクストラポイントキックにキッカーとして登場して見事キックを成功させました。女子選手で得点を記録したのは2003年にニューメキシコ大のケイティ・ニーダ(Katie Hnida)以来史上2人目の快挙。ちなみにニーダもキッカーとしてエクストラポイントを決めて得点を記録しました。キックを決めたあと、ゴスはチームメートに担がれ、サイドラインでも祝福の嵐。大学長まで挨拶に訪れるという一大事に。現時点で女子選手として登録されているのはゴスただ一人。これからも登場する機会があるのか、楽しみな所です。
キック成功後チームメートに担がれるエイプリル・ゴス
ミシガン大ハーボー監督、母校でデビュー
オフシーズンにミシガン大のヘッドコーチに就任した、ジム・ハーボー(Jim Harbaugh)。昨年までNFLのサンフランシスコ49ersのヘッドコーチとして手腕をふるいましたが、オーナーとの確執が元でチームを去り、その直後にミシガン大のヘッドコーチに招聘されました。サンフランシスコに来る前はスタンフォード大のヘッドコーチとして低迷していたチームを再生し、トップランクチームになるまで成長させたこともある敏腕コーチ。元々ミシガン大の卒業生で、地元でも元スターQBのカムバックということでファンの期待は最高潮に達していました。しかしシーズン初戦はユタ大にまさかの敗退。ハーボウ監督のデビュー戦を白星で飾れなかったものの、2戦目のオレゴン州立大戦では35対7と快勝。ホームで見事勝利を収めることが出来ました。ここ数年のミシガンは強豪校の面影は薄れ、ライバル・オハイオ州立大には歯もたたない状況でしたが、いよいよ古豪復活となるでしょうか。