今年のカレッジフットボールは通年よりも9月のこの時点で多くのランクチーム同士の試合が組まれているような気がします。そのお陰で現段階での今年の勢力図が少し分かりかけてきました。それでは先週末行われた主な試合を振り返って見ましょう。
第3週目注目のゲーム
ルイジアナ州立大22、アーバン大21
7位(アーバン大)と12位(ルイジアナ州立大)というハイランカー同士の戦いとなったこの試合、しかも所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)の西地区同士というメガマッチに大きな注目が集まりました。攻守ともバランスの取れたチーム同士の対決とあり、試合は始まってみるとお互いの力と力がぶつかり合うシーソーゲームに。そしてこの結末は文字通り試合終了までわからないという展開になったのです。
試合はアーバン大のホーム、ジョーダン・ヘアースタジアムで行われましたが、試合開始最初のアーバン大の攻撃、2プレーめにいきなりQBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)がパスINTを犯すという波乱の立ち上がりとなりました。このチャンスを確実にモノにしたルイジアナ州立大が先制のタッチダウンを奪います。
スティッドハムはその後落ち着きを取り戻し、まずまずのパフォーマンスを見せましたが、トータル198パスヤードと満足の行く数字は残せませんでした。しかしそれはスティッドハムの調子というよりも、怒涛のように押し寄せるLSUフロントセブンのプレッシャーにアーバン大OL陣が立ち向かうことができなかったことが原因だったように見えました
前半を14対10のアーバン大リードで折り返すと第3QにはスティッドハムのパスTDが決まり21対10と少しリードが広がりました。LSUがFGを決めて21対13としていよいよ第4Qに突入。ここからLSUの反撃が始まったのです。
オハイオ州立大からの転校生、ジョー・バロウ(Joe Burrow)の操るオフェンスはこの日全体的にチグハグでしたが、いざというところでバロウが奇跡を起こします。試合時間残り8分半というところでバロウからWRデリック・ディロン(Derrick Dillon)への71TDパスが決まりスコアは21対19と2点差に縮まります(2ポイントコンバージョンに失敗したため)。
DERRICK DILLON IS GONE pic.twitter.com/F3RFGLIcVW
— CBS Sports (@CBSSports) September 15, 2018
そしてLSUディフェンスがアーバン大の攻撃を摘むと、バロウとRBニック・ブロセット(Nick Brossette)は14プレーを約6分かけて行い時間を上手に削りながらアーバン大陣内へ侵入すると最後はキッカーのコール・トレーシー(Cole Tracy)の42ヤードFGが試合終了の合図と同時に決まり、LSUが敵地でアーバン大から大逆転勝利を奪う快挙を遂げました。
LSUはここしばらくクオリティーの高いQBに巡り合ってきませんでしたが、ものすごい大声援が響き渡るアウェーで仕事を成し遂げたQBバロウにはこれまでのLSUのQBには無い「何か」を感じさせてくれました。確かにパス成功率は5割を切り、立ち上がりの悪さにはいらいらを感じずには要られませんでしたが、ここぞというところでビッグプレーをお膳立てできた彼の出来は、今後LSUが更に上を目指す上である程度ポジティブに映りました。とくにこの大一番でターンオーバーを一つも犯さなかったのは大きく評価できます。
アーバン大にとってはこの試合での敗戦ですべてが終わるとは言えませんが、LSUが台頭してきたおかげでSEC西地区はアラバマ大、ルイジアナ州立大、アーバン大、ミシシッピ州立大、そしてテキサスA&M大と強豪ひしめく「死のカンファレンス」をさらに面白くしてくれそうです。
AGS’s Game of the Week
テキサス工科大63、ヒューストン大49
ディフェンス皆無のノーガードの打ち合いとなったこの試合、ファイナルスコアは63対49とまるでバスケットボールのようなスコアでテキサス工科大が勝ち星を奪取しました。両チーム合わせたオフェンシブヤードはなんと1339ヤード。奪ったファーストダウンも合計で64個とまさにオフェンス同士がぶつかりあうハイスコアゲームになったのです。
ボールが右へ左へ飛び交う試合展開となったこのゲームで特に光ったのはテキサス工科大の1年生QB、アラン・ボウマン(Alan Bowman)でした。というのも彼はヒューストン大ディフェンスに対して605パスヤードに5TDを奪い、さらにすごいのはパス成功率が約73パーセントにも及んだことです。この605ヤードというのは1年生の記録としてはBig 12カンファレンス新記録となりました。ちなみに前記録保持者は現カンザスシティーチーフスのパトリック・マホーム(Patrick Mahomes)です。
またそれだけのヤードを投げるからにはそれを受け取るレシーバーが存在するわけで、WRアントン・ウェスリー(Antoine Wesley)は13回のキャッチで脅威の261ヤードに3TDという、大学新記録となるすごい数字を残しました。
ヒューストン大は負けはしましたが、彼らのQBデリック・キング(D’Eriq King)も431ヤードに5TDというすごい数字を叩き出しはしました。しかしやはりボウマンの前ではこの記録すら霞んで見えてしまいます。
テキサス工科大はこういったガンガンパスを使ってハイスコアゲームに持ち込むのが十八番でしたが、今回はその真骨頂が見られた感じです。しかし何よりも、今年こそ結果を出さなければ監督の椅子が危ないとされるクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)監督にとってはボウマンというダイヤの原石を発見できたことが最大の収穫だったのかもしれません。
順当に勝ったランカー達
アラバマ大62、ミシシッピ大7
全米1位のアラバマ大にとってミシシッピ大との対戦は彼らのDB陣の真価が問われる今季最初のゲームだとされていましたが、試合開始直後にいきなりTDを奪われた後はミシシッピ大オフェンスを完全封鎖。またオフェンスもQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)が191ヤードに2TD、また彼のバックアップである元先発QBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)も2TDを奪う活躍。RB陣も3つのTDを奪い、さらにはDBゼヴィアー・マッキニー(Xavier McKinney)がパスINTをエンドゾーンへ運ぶという、アラバマ大ディフェンスの真骨頂を見せミシシッピ大を全く寄せ付けない王者の風格で3勝目を挙げました。
4位のオハイオ州立大は15位のテキサスクリスチャン大とダラスカウボーイズの本拠地・AT&Tスタジアムで対決。テキサスクリスチャン大は前半オハイオ州立大を脅かすゲーム展開を見せ、見ている人に「ひょっとしたら・・・」という期待感を持たせてくれました。しかも後半開始後にはRBダリウス・アンダーソン(Darius Anderson)のランTDが決まると点差が8点となり、いよいよアップセットの予感がプンプンしてきたのですが・・・。
オハイオ州立大QBドゥウェイン・ハスキンズの63ヤードTDパス、さらにはDTドレモント・ジョーンズ(Dre’Mont Jones)がショベルパスを掠め取って28ヤードのリターンTDを決めると一気に流れはオハイオ州立大へ。TCUもTDを一つ奪って一矢報いるも、オハイオ州立大へ傾いた勢いを止めることはできず40対28で金星を逃しました。
これでオハイオ州立大はHCアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督不在中3連勝として、次戦からいよいよ大将マイヤー監督が復帰してきます。ただ気になるのはこの試合でディフェンスの要であるニック・ボーサ(Nick Bosa)が足の付け根の怪我で戦線離脱をしたことです。ボーサが次期NFLドラフトでも目玉選手であることを考えると、彼の怪我の具合は死活問題ともなりかねません。
オクラホマ大37、アイオワ州立大27
昨年ホームでアイオワ州立大からまさかの黒星を喫してしまったオクラホマ大。今年は敵地に乗り込んでリベンジを狙いました。過小評価されがちなアイオワ州立大は彼らの持つ力をすべて出し切りオクラホマ大へ挑戦状を叩きつけましたが、オクラホマ大QBカイラー・マレー(Kyler Murray)の相変わらずな素晴らしいパフォーマンスでアイオワ州立大を突き放して見事雪辱を果たしました。
マレーはこの日348パスヤードに3TDと冴え、さらに犯したINTはゼロでそれに加えて足でも77ヤードを稼ぐという馬車馬の働きを見せました。彼は既に来年からMLB入りを宣言していますが、これまでの彼のプレーを見たNFLチームは果たしてマレーを放っておくことができるでしょうか?
それにしても負けはしたものの、アイオワ州立大のトランスフォームぶりには感嘆します。長いことBig 12でも結果を残せずに居た彼らですが、マット・キャンベル(Matt Campbell)監督の下確実にチームは力をつけており、オクラホマ大に食らいついていく姿には大きな将来性を感じました。あとは彼らがキャンベル監督をどれだけ長く引き止められるかに掛かりそうですが・・・。
ワシントン大21、ユタ大7
アーバン大との初戦でいきなり黒星を喫してしまったワシントン大。Pac-12タイトルレース並びにプレーオフレースにて生き残るにはもう負けられないという状況にある彼らは、カンファレンス内で安定した強さを見せ続けるユタ大と対決。点差は広がりませんでしたが、ワシントン大のディフェンスが前評判通りの実力を発揮してユタ大オフェンスを黙らせました。エースQBジェイク・ブラウニング(Jake Browning)は155パスヤードに1TDと1INTということで決して驚くような数字ではありませんが、チームに勝利を導くには十分でした。が、今後ワシントン大がPac-12を生き残るためにはブラウニングの更なる真価が必要不可欠となるでしょう。
オクラホマ州立大44、ボイジー州立大21
「グループオブ5」出身のボイジー州立大は兄貴分である「パワー5」のどのチームとも渡り合えるだけの力を兼ね備えたいいチームですが、その全米17位のチームをホームチームである24位のオクラホマ州立大が粉砕。開幕前はランクインすらしていなかったオクラホマ州立大がこれで3勝無敗。このまま上昇を続ける気配がガンガンしてきます。
ミシガン大45、サザンメソディスト大20
開幕戦でノートルダム大に敗れたミシガン大ですが、2週目のウエスタンミシガン大戦、そして先週のサザンメソディスト大戦に快勝。ミシシッピ大からの転校生QBシェイ・パターソン(Shea Patterson)らミシガン大オフェンスにとってチューンアップするには良いリハビリになりました。今週末から始まるカンファレンス戦に向けていい方向で調整が進んでいるようです。
またスタンフォード大、ペンシルバニア州立大、ミシシッピ州立大、オレゴン大、マイアミ大らは格下チーム相手に順当に勝利を収めました。
ヒヤヒヤさせられたチーム
ノートルダム大22、ヴァンダービルト大17
全米8位のノートルダム大は先週格下ボール州立大に大苦戦し、チームの完成度に疑問符がまとわりつくことになりました。そしてこの試合、SEC所属チームとは言えヴァンダービルト大は強敵として知られているわけでもないので、トップ10位内のノートルダム大ならば快勝してもいいものでした。
しかし蓋を開けてみれば大接戦。結果的にノートルダム大は試合に勝ちましたが、ヴァンダービルト大がレッドゾーン内でスコアのチャンスを2度も逃していなければ、今頃ノートルダム大はランキングの下のほうをさまよっていたことでしょう。また試合終了直前にも重要な場面でディフェンス陣がペナルティーを犯してヴァンダービルト大オフェンスにチャンスを与えてしまったのも不安要素であります。
ボール州立大戦で3つのINTを犯してしまったQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)はこの試合でターンオーバーこそ犯しませんでしが、投げたパスヤードはたったの122ヤードに0TD。彼は足で84ヤードに1TDを記録しましたのは多少評価されるべきかもしれませんが。
ミズーリ大40、パデュー大37
今季のトップQBでありハイズマントロフィー候補と名高いQBドリュー・ロック(Drew Lock)率いるミズーリ大はSEC東地区のスリーパーとも目されていますが、そんな彼らがこれまで全敗のパデュー大に大苦戦。ロックは375パスヤードに3TDと噂通りの働きを見せましたが、パデュー大のQBデヴィッド・ブロウ(David Blough)はさらにロックの上をゆく572パスヤード(3TD)という驚異的な数字を残してミズーリ大を最後まで苦しめました。
試合は第4Qにパデュー大が2つのTDを決めて37対37に追いつきホームであるパデュー大のファンたちのボルテージは最高潮に達しましたが、最後のミズーリ大の攻撃は10度のプレーで68ヤード攻め込み、試合時間終了と同時に25ヤードFGが決まって逆転勝利。無敗を守りました。
番狂わせ!
ブリガムヤング大24、ウィスコンシン大21
Big Ten西地区の優勝候補筆頭であるウィスコンシン大(6位)はホームにブリガムヤング大を迎えましたが、なんとまさかの敗北を喫するという番狂わせが起きました。この敗北でウィスコンシン大が2003年から記録していた、交流戦(ノンカファンレンス戦)ホーム連勝記録が41勝でストップ。またブリガムヤング大にとっては1983年以来となる、トップ10チーム戦とのアウェーゲームでの勝利となったのです。
驚きなのはウィスコンシン大のRBでハイズマントロフィー候補とも歌われるジョナサン・テイラー(Johnasan Taylor)がBYUに攻略されただけでなく(もっとも117ヤードは足で稼ぎましたが)、ウィスコンシン大が逆転を目指す2ミニッツドリル(試合で切羽詰まった状況で速攻をかけること、またはその状況を想定した練習のこと)の状況でチームの大黒柱であるテイラーはベンチを暖めるという奇妙な光景が見られました。
どちらにしてもこの敗北はウィスコンシンだけでなく彼らが所属するBig Tenカンファレンスの総合力を考えると大きな痛手だといえます。
テキサス大37、サザンカリフォルニア大14
名門同士の好カードとなった試合。が、どちらのチームも再建中ということもあり注目度は今ひとつでした。それでも22位にランクされていたUSCをテキサス大が倒したことにはそれなりの意味があると思います。彼らがかつてのような強いテキサス大に近づいたとはまだ言えませんが、トム・ハーマン(Tom Herman)監督の就任2年目の今年、今後オクラホマ大やオクラホマ州立大、ウエストバージニア大などのカンファレンス内の強豪チームとどれだけ渡り合えるか俄然期待が持てるようになりました。
USCは昨年QBサム・ダーノルド(Sam Darnold、現ニューヨークジェッツ)やRBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones、現タンパベイバッカニアーズ)ら多くのスターが抜けたせいで戦力ダウンは明白ですが、特に1年生の先発QBであるJ.T.ダニエル(J.T. Daniel)の力不足は否めず、また彼を守るはずのOL陣も総崩れで、今年のUSCが完全に過大評価されてきたのは明らかです。就任3年目を迎えるクレイ・ヒルトン(Clay Hilton)監督ですが、彼の時代の終わりの始まりを予感してしまいました・・・。
シラキュース大30、フロリダ州立大7
全米6位のウィスコンシン大が敗れたのは確かに驚きましたが、個人的にもっともびっくりした番狂わせはフロリダ州立大がシラキュース大に大敗したことです。オフェンスもダメならディフェンスもダメ。格下とされていたシラキュース大になす術もなく敗れた様は悲しさすら覚えました。
今年1年目のウィリー・タガート(Willie Taggart)監督にとっては非常に厳しいデビューとなっていますが、すでにフロリダ州立大の地元では彼を解雇させるためのバイアウト費を有志で募ろうという動きもあるようです。もちろん大学側がいきなりタガート監督の首を切ることはないでしょうが、彼らのフラストレーションはこちら側にも伝わってきます。
特にオフェンスのバックグラウンドをもつタガート監督がQBデオンドレ・フランソワ(Deondre Francois)やRBキャム・エイカーズ(Cam Akers)ら既存の戦力でチームを再建(といってももともと彼らが落ち目であったわけではありませんが)するはずのところ、今のところそれは逆効果となっています。
今年は彼の監督の椅子は安泰でしょうが、これが続くようだとタガート監督のフロリダ州立大での時間はそう長く持たないかもしれません。
トロイ大24、ネブラスカ大19
前試合のコロラド大戦では大接戦の末ホームで惜敗したネブラスカ大。今年から指揮を執るスコット・フロスト(Scott Frost)監督の初陣を白星で飾れませんでしたが、それでもかつてのライバル・コロラド大と素晴らしい内容の試合を繰り広げたことにファンたちはいくばくかの満足感を得ることはできたでしょう。
しかし先週末の対戦相手は格下「グループオブ5」に属するトロイ大。ネブラスカ大ほどの名門校が負けてはならない相手なはず。確かにトロイ大は昨年もルイジアナ州立大から金星を奪い、11勝2敗という素晴らしい成績を残したチームではあります。しかしだからといってネブラスカ大のファンは誰ひとりとしてトロイ大に土をつけられるとは想像もしなかったことでしょう。
コロラド大戦でデビューしたルーキーQBエイドリアン・マルチネス(Adrian Martinez)はデビュー戦で膝を怪我して途中退場。そして翌週のトロイ大戦には間に合わずバックアップQBアンドリュー・バンチ(Andrew Bunch)が代役として登場しました。が、バンチは2つのTDパスを決めるだけでなくINTパスも2つ投げてしまい、そのうちの一つは逆転へ最後の望みを賭けたファイナルドライブで起きた失態となってしまいました。
これでネブラスカ大は開幕後0勝2敗となりましたが、最後に0勝2敗でシーズンを発進したのは1957年のこと。この年は1勝9敗という後にも先にもネブラスカ大フットボール部史上最悪のシーズンとなったのでした。今年もそうならなければいいですが・・・。
ただネブラスカ大の場合はフロリダ州立大のタガート監督と違い、ファンのフロスト監督への信頼感や期待感は絶大なので(彼がネブラスカ大出身だから)、2連敗したことで彼への批判の声が湧き上がるとは思えませんが、大なり小なり肩透かしを食らう出だしとなっていることは確かです。
ちなみにネブラスカ大はトロイ大とホームゲームをマッチメークするために115万ドル(約1億1500万円)を支払ったと言われていますが、これだけの大金を払った上に返り討ちに合うというなんともいただけない結果となってしまいました。
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その他にはUCLAがフレズノ州立大に、ノースウエスタン大がアクロン大に、アーカンソー大がノーステキサス大に敗れる波乱が起きました。
今年からUCLAを率いる元オレゴン大HCのチップ・ケリー(Chip Kelly)監督はこれまで3連敗。不思議なのはオレゴン大であれほど効果を発揮していた、高速スプレッドオプション攻撃をUCLAでは大々的に導入していないところ。もちろんあのオフェンスを操るにはそれなりの選手たちが必要でしょうが、3連敗というのはいただけない話です。
アクロン大はこれまで頻繁にBig Tenチームの「カモ」とされてきており、対戦すれば必ず勝てるという図式が完成していましたが、その「常識」をノースウエスタン大を破ったことで覆しました。これはアクロン大にとっては文字通り歴史的な勝利であります。というのも彼らが最後にBig Tenチームから勝利を得たのは1894年のことで、つまり124年ぶりの大偉業だったのです。逆に言えばノースウエスタン大にとっては末代まで語られる汚点となってしまったのですが・・・。
そしてアーカンソー大。昨シーズン後ブレット・ビルマ(Bret Bielema)元監督と袂を分かち、サザンメソディスト大のチャド・モリス(Chad Morris)監督を招聘しましたが、コロラド州立大、そしてノーステキサス大と格下とされるチームに相次いで大敗し、SEC所属チームという面目丸つぶれです。
ちなみにこの試合ではこんな珍プレーが発生しました。
パントリターンでフェアキャッチと見せかけてリターンTDを奪ったノーステキサス大。確かに明確なフェアキャッチのサインを出しているようには見えませんが、全速力でタックルされる可能性が大のところをここまで演技できるとは中々の度胸をしていると思いませんか?卑怯だという声も上がっているようですが、こんなことが起きてしまうのもまたカレッジフットボールの醍醐味ですよね。
その他・・・
2週間前にセントラルミシガン大から勝利を収め、アウェーゲームの最多連敗記録を41敗で終わらせたカンザス大でしたが、先週のラトガース大戦では55対14という大差で再び勝利し、2011年以来の2連勝を飾りました。開幕初戦ではFCSのニコルズ大に敗戦し、いよいよデヴィッド・ベティ(David Beaty)監督のクビも危ういと言われていましたが、ここまで2勝1敗と勝ち越しているカンザス大、一体何が起きたのでしょうか?それを聞かれたベティ監督ですら「自分にも何が起こっているのかわからない」とインタビューで答えたぐらいです。昨年1勝11敗という成績しか残せなかったことを考えれば既に2勝した今年は昨年を上回っているといえます。今後彼らがあとどれだけ勝ち星を拾えるのか・・・。見ものです。