オクラホマ大44、ベイラー大34
Big 12カンファレンスタイトルだけでなくプレーオフ進出に向けても非常に重要なマッチアップとなったこの試合。CFPランキング8位のオクラホマ大が同6位のベイラー大に競り勝ち、ベイラー大に今季初めて土をつけました。またこの敗戦でベイラー大が記録して来たホーム戦連勝記録が20で途切れました。オクラホマ大はテキサス大にまさかの敗戦を喫して以来これで5連勝。これまで大外でチャンスを待っていたオクラホマ大が無敵と謳われたベイラー大を倒し、これでカンファレンス自力優勝の可能性が見えてきました。
激しく降りつける雨の中、オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)とWRスターリン・シェパード(Sterling Shepard)のホットラインが次々に決まり、結局シェパードは3TDを含む177レシーブヤードと大活躍。
オクラホマ大が来週テキサスクリスチャン大に勝ち、さらに州内ライバル・オクラホマ州立大にも勝利することが出来れば9度目のカンファレンスタイトル奪取ということになります。そうなればオクラホマ大にとっては2012年以来のカンファレンス優勝となります。ベイラー大はオクラホマ大ヘッドコーチ、ボブ・ストゥープ(Bob Stoop)率いるスーナーズから3年連続勝利をおさめられるか期待されていましたが、逆に返り討ちに合いました。過去2年間オクラホマ大はベイラー大に大敗して来たので、この勝利はまさに雪辱を晴らす大勝利となったのでした。
アラバマ大31、ミシシッピ州立大6
全米3位のアラバマ大が十八番の強力ディフェンスを盾にミシシッピ州立大を封じ込めて31対6と勝利しました。試合の出だしは非常に遅く、第1Qはスコアレスとなりましたが、第2Qには3つの長距離TDドライブを演出し結局ミシシッピ州立大を寄せ付けませんでした。
アラバマ大RBデリック・ヘンリー(Derrick Henry)は先週のルイジアナ州立大戦に続きこの日も200ヤード以上のランを記録し、ヤード数ではミシシッピ州立大に及びませんでしたが(ミシシッピ州立大393ヤード vs アラバマ大379ヤード)、結果はアラバマ大の圧倒的な展開でした。
この日のバマディンフェンスはゲームを通して常にミシシッピ州立大QBダーク・プレスコット(Dak Prescott)にプレッシャーを掛け続けました。プレスコットは最終的に300ヤードのパスを投げましたが、同時にアラバマ大ディフェンスから何と9つものQBサックを食らい、結局一つもTDを奪うことが出来ませんでした。
9つものQBサックを記録するのは98年のバンダビル大戦以来17年振りの快挙。その内3つを記録したジョナサン・アレンはその勢い余ってか、自身のヘッドコーチであるニック・セイバン(Nick Saban)にまでラッシュを決め込み、セイバン監督の頬に傷をつけるほど。試合後には「コーチはタフガイだから大丈夫だよ。だって『だいじょうぶですか?』ってきいたら『大丈夫だ』って言っていたし」とにやっとしながら話していました。
オレゴン大38、スタンフォード大36
オレゴン大QBヴァーノン・アダムスが2TDを含む205パスヤードを記録し、お得意のハリーアップオフェンスを駆使してCFPランク7位のスタンフォード大に競り勝ちました。双方のオフェンスがフルスロットルでぶつかり合い、両チームトータルで900ヤード以上を稼ぎましたが、試合のクライマックスで見せてくれたのはオレゴンのディフェンスでした。
第4Qに2つのファンブルを犯しそのどちらもオレゴン大に拾われてしまったスタンフォード大QBケヴィン・ホーガン(Kevin Hogan)でしたが、試合終了間近に見せてくれました。38対31で迎えた第4Q残り約2分。オレゴン大陣内奥地まで攻め込んだスタンフォード大は後少しでエンドゾーンというところでホーガンがスナップをファンブル。これをオレゴン大ディフェンスに拾われ万事休すかと思われました。
しかしスタンフォード大ディフェンスが踏ん張り残り1分ちょっとのところで最後の攻撃の権利を得ます。そして最終的にホーガンからTEグレッグ・タボアダ(Greg Taboada)に残り10秒でTDパスが決まり、スコアを38対36とします。盛り上がったのもつかの間、2ポイントコンバージョンはオレゴン大ディフェンダーに阻止され万事休す。とうとうスタンフォード大に2つ目の黒星が付きました。
スタンフォード大はいまだにPac-12北地区で首位を走っていますが、地区制覇そしてカンファレンスタイトル奪取よりさらに大きな目標であったプレーオフ進出はほぼ不可能となりました。オレゴン大が地区優勝するには残された2試合全てに勝ち、スタンフォード大が来週のカリフォルニア大戦で負ける必要があります。オレゴンは前半戦は全く振るいませんでしたが、先発QBで怪我で戦線を離脱していたアダムスが復帰して以来オレゴン大はもともとの強さを見せ始め、とうとう全米7位のスタンフォード大を倒すにまで至りました。
オハイオ州立大28、イリノイ大3
1試合の出場停止処分から復帰したオハイオ州立大QB、J.T. バレット(J.T. Barrett)に注目が集まったこの試合ですが、活躍したのはバレットではなくRBイゼキール・エリオット(Ezekiel Elliott)でした。イリノイ大ディフェンスに対しエリオットは2TDを含む181ラッシュヤードを稼ぎ、オハイオ州立大がイリノイ大を難なくねじ伏せました。復帰戦となったバレットは出だしはスロースタートでしたが、後半にエンジンがかかりオハイオ州立大の今季10勝目に貢献しました。
フロリダ州立大34、ノースカロライナ州立大17
脳震盪のため2週間欠場していたフロリダ州立大のQBイヴァレット・ゴルソン(Evarett Golson)がこの試合で先発出場しましたが苦戦。業を煮やしたコーチ陣はゴルソン欠場の際に彼の穴を埋めたショーン・マグワイア(Sean Maguire)を後半から起用。これが功を奏しフロリダ州立大が逆転勝利を収めました。これで本格的にマグワイアが先発の座を確保することになるでしょうか。
テキサスクリスチャン大23、カンザス大17
今季最も優れたQBと名高いテキサスクリスチャン大(TCU)のトレヴォーン・ボイキン(Trevone Boykin)ですが、カンザス大戦で足首を痛め戦線離脱。そのせいかTCUは全敗中のカンザス大を突き放すことができず、23対17といつもならば大量得点で勝利を収めるTCUらしからぬ試合結果となりました。
開幕時からTCUは多くの主力が怪我で出遅れましたが、それでもTCUはオクラホマ州立大に敗れるまで好調を保ってきました。しかしボイキンが怪我でいなくなるのは全くの別問題のようです。彼が欠場した途端にここまで試合に影響が及ぶとはそれだけボイキンの存在感が大きいということの現れですが、逆に言えば彼がいなければTCUはチーム力が極端に落ちてしまうということでもあります。
幸いなことに彼の怪我は大したことはないようで次戦には間に合うようですが、もしそうでないならばベイラー大、オクラホマ大とシーズン終了まで続く激戦を勝ち抜けるどうか微妙になってきます。
オクラホマ州立大35、アイオワ州立大31
オクラホマ州立大が彼ららしからぬ、逆転勝利という形でアイオワ州立大を振り切り無敗を守りました。31対28とアイオワ州立大リードで迎えた第4Q残り3分、バックアップQBのJ.W. ウォルシュ(J.W. Walsh)からジェフ・カー(Jeff Carr)への7ヤードパスTDが決まり土壇場で逆転。アイオワ州立大に大金星を差し出すのを食い止めました。プレーオフ進出を目指すオクラホマ州立大とっては決して綺麗な勝ち方とは言えませんでしたが、白星は白星。10勝目を上げベイラー大、オクラホマ大との激戦に備えます。
ノースカロライナ大59、マイアミ大21
ノースカロライナ大QBマーキース・ウィリアムスは4つのTDに絡む活躍を見せ、またリターナーのライアン・スウィッツァー(Ryan Switzer)が78ヤードのパントリターンTDを決めてマイアミ大を59対21と大差で破りました。これでノースカロライナ大は9連勝目。ACCコースタル地区レースで単独首位を走っています。
クレムソン大37、シラキュース大27
クレムソン大QBデショーン・ワトソン(DeShaun Watson)が投げては2TDを含む360パスヤード、走っては101ヤードを稼ぎ(1ランTD)、CFPランク首位の貫禄を見せシラキュース大を退けました。ワトソンにとってはACCタイトル、そしてナショナルタイトルがかかったシーズンと言うだけでなく、自身にとってはハイズマントロフィーのチャンスもあり、この日は461トータルヤードを記録するなどして彼自身の株を上げることが出来ました。
ミシガン大48、インディアナ大41(2オーバータイム)
CFPランキング14位のミシガン大はインディアナ大と対戦しましたが、思わぬ苦戦を強いられ常に追う展開となりました。そして34対27のインディアナ大リードで迎えた試合終了直前、1987年以来のミシガン大からの勝利を目前に盛り上がるインディアナ大ファンの目の前でミシガン大の4年生QBジェイク・ルドック(Jake Rudock)からジェウ・チェソン(Jehu Chesson)への5ヤードパスTDが決まり、試合終了残り2秒でミシガン大がインディアナ大に追いつきます。オーバータイムでは再びルドックが2つのTDパスを決め、そして2回目のオーバータイムでのインディアナ大の最後の攻撃、QBネイト・サドフェルド(Nate Sudfeld)からミッチェル・ペイジ(Mitchell Paige)に放たれたパスがミシガン大DBデラーノ・ヒルに弾かれ万事休す。ミシガン大が劇的な勝利を挙げました。
アーカンソー大31、ルイジアナ州立大14
ここまで3連勝と波に乗るアーカンソー大はRBアレックス・コリンズ(Alex Collins)の2TDを含む141ランヤードの活躍と5つのQBサックを奪った強力ディフェンスでCFPランキング9位のルイジアナ州立大に今季2度目の土をつけました。この日アラバマ大がミシシッピ州立大を下したため、ルイジアナ州立大はこの敗戦の結果SEC西地区レースから脱落しました。またハイズマントロフィー候補RBレナード・フォーネット(Leonard Fournette)は127ヤード足で稼ぐ仕事をしましたが、チームの勝利に貢献する事は出来ず、また同じRBでトロフィー候補に挙げられているアラバマ大のデリック・ヘンリーが204ヤードに2TDという活躍を見せたため、彼のトロフィーレースにも大きく傷がつきました。
ヒューストン大35、メンフィス大34
アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)のタイトル争いで最も重要なこの大一番。試合を決めたのはヒューストン大のバックアップQBカイル・ポストマ(Kyle Postma)でした。先発QBグレッグ・ワード(Greg Ward Jr.)が前半終了間際に怪我で戦線離脱すると彼の代わりに出場したポストマが20点差でリードされていた試合をひっくり返しヒューストン大に勝利をもたらしました。ポストマは試合時間残り1分27秒でTDパスを決めて35対34と逆転。メンフィス大にも最後再逆転の可能性が残されましたが、メンフィス大キッカー、ジェイク・エリオット(Jake Elliott)の48ヤードフィールドゴールは惜しくも右に外れヒューストン大が逃げ切ったのでした。これでヒューストン大は10勝無敗。悲願のカンファレンスタイトルにもう一歩と近づいたのでした。
アリゾナ大37、ユタ大30(2オーバータイム)
アリゾナ大バックアップQBジェラード・ランダル(Jerrard Randall)の唯一成功したパスが2度目のオーバータイムでTDとなりアリゾナ大がユタ大から金星を奪うのに大貢献しました。怪我で途中欠場を余儀なくされた先発QBアヌ・ソロモン(Anu Solomon)の代わりに出場したランダルは2度目のオーバータイムでネイト・フィリップスへの25ヤードTDパスを決めました。ユタ大はこれでPac-12南地区で単独首位からサザンカリフォルニア大との首位タイとなりましたが、ユタ大はサザンカリフォルニア大(USC)との直接対決に敗れているため、このままだとUSCに南地区のタイトルを奪取されてしまいます。
ワシントン州立大31、UCLA27
CFPランク18位のUCLAがホームにワシントン州立大を迎えたこの一戦。お互いが点を取り合うシーソーゲームとなったこのゲーム。第4Qまでもつれ込んだ激戦は試合残り時間1分9秒で80ヤードドライブを演出したUCLAの1年生QBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)が37ヤードの決死のランの末エンドゾーンに飛び込みTDを奪い27対24とリードを奪います。
これで試合は決まったかに思われたスタジアムは歓喜に包まれましたがドラマはまだエンディングを迎えてはいませんでした。残り時間は1分足らずというところでワシントン州立大オフェンスは次々とパスを繋ぎ、最後は残り3秒にワシントン州立大QBルーク・フォルク(Luke Falk)からの21ヤードパスをゲイブ・マークス(Gabe Marks)がダイビングキャッチでTDを決めて土壇場でUCLAを逆転して劇的な勝利を収めました。
これでワシントン州立大は最近6試合で5勝を挙げ、トータルで2003年以来となる7勝目としました。UCLAはこれで3敗目となりましたが、Pac-12南地区優勝の可能性がなくなったわけではありません。残りのユタ大とサザンカリフォルニア大の試合に勝つことができれば南地区を制しタイトルゲームに出場できます。が、この試合を見る限りUCLAがそれを成すのは容易いことではありません。