フットボールをするものならば誰もが辿り着きたい最高峰の世界がNFLです。全カレッジ選手の中でもたったの2%未満ほどの選手しか辿り着くことができない、まさに選ばれし選手たちしか踏み入ることのできない世界。そのNFLに挑戦するための登竜門とも言えるのがNFLドラフトです。
2024年NFLドラフト
📍 ミシガン州デトロイト市
🗓️ 4月25日(第1日目):第1巡目
🗓️ 4月26日(第2日目):第2巡目&第3巡目
🗓️ 4月27日(第3日目):第4巡目〜第7巡目
ここ数年NFLドラフトに際して個人的に気になるプロスペクトを紹介する記事を過去に挙げてきました。しかしながら近年はプロスペクト情報に精通されている方をネット上で多く見かけ、またアメリカンフットボールマガジンさんが「NFLドラフト候補名鑑」を出版されており、つけ刃的な私のドラフト選手情報に需要があるのかと考える様になったのは事実。
ただ、ドラフト本番まで時間が迫っている中で今年も自分の記録用にやってみようと重い腰を上げてみました笑。
第5弾目はOLの中でもアウトサイドを守るOT(タックル)にスポットライトを当てます。
目次
ジョー・アルト(ノートルダム大)
毎年素晴らしいOLを輩出するノートルダム大で1年生時からプレー経験のあるジョー・アルト(Joe Alt)。2年生時には既にオールアメリカンに選出され、2023年も同じくオールアメリカンに選出されるだけでなく、年間最優秀ラインマン賞である、アウトランドトロフィーのファイナリストにも名を連ねました。そして大学プレー資格を1年残して今NLFドラフトにアーリーエントリー。
QBのブラインドサイドを守る重要なポジションであるLTを3年間プレー。お父さんもNFLでOTを務めるなどプロプレーヤーの血を受け継ぐ人材。相手のラッシュにも冷静沈着にブロックを繰り出しペナルティーの少ない安定感のある選手。また脚力からのドライブもよくランブロッカーとしても秀逸。前のめりになりがちなところを修正すれば1年目から先発を張れる選手と言えそうです。
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オル・ファシャヌ(ペンシルバニア州立大)
ペンシルバニア州立大では2年生(レッドシャツ)だった2022年からLTを任されたオル・ファシャヌ(Olu Fashanu)。この年は終盤に怪我を負って戦線離脱するも2023年度は全試合に出場。オールアメリカンに選出されるだけでなく、アカデミックハイズマンとの異名を持つキャンベルトロフィーのファイナリストにも選出され、学業の面でも秀でているところを見せてくれました。
フレーム的にはプロトタイプなLTといえ、カレッジ時は大いに名を馳せましたが、巨体とパワーに任せたプレーも見られ、よりテクニカルでスピーディーなNFLレベルのDE選手と対峙した時のことを考えればさらなるブラッシュアップは必要になってくると思われます。ランブロッカーとしての技術は申し分ないと言われますので、パスプロ時のスライドの技術に磨きをかければ一線級のLTになるポテンシャルを大いに秘めている選手です。
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タリース・フアガ(オレゴン州立大)
オレゴン州立大では最初の2年間をバックアップとして過ごすも、2022年からチームの先発RTとして活躍したタリース・フアガ(Taliese Fuaga)。2023年にはオレゴン州立大選手としては2008年以来となるオールアメリカンに選出。またサモア諸島にルーツを持つフアガは2023年のポリネシアンカレッジ選手の年間最優秀選手賞のファイナリストにも選ばれました。
パスプロでは優れたスライド能力を持ち、ここぞというところでパンチを繰り出せる安定感を見せてきました。ハンドスキルも良く相手ラッシャーのバランスをうまく崩します。抜かれた後のリカバリーの遅さが少々気にはなりますが、ガードとしてもプロで通用しそうなフアガの需要は高く、今季のRT界隈ではベスト選手と言えそうです。
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J.C.レイサム(アラバマ大)
6フィート6インチ(約198センチ)に340パウンド(約154キロ)という超巨漢の持ち主であるJ.C.レイサム(J.C. Latham)。常勝・アラバマ大のRTとして過去2年間先発を務めました。2023年度は新しいOCの元でスキームが変わり、シーズン序盤は適応に苦労していたようですが、試合を重ねるうちに威力を発揮。オールアメリカン(セカンドチーム)に選出するまでに成長しました。
その巨大なフレームとパワーから繰り出されるランブロッキングは即戦力と言えますし、昨年のアラバマ大のラン寄りなオフェンスを経験したことから様々なランスキームに対応可能であるという面は大きな強み。またパスプロでもその巨体に似つかわないクイックフィートとハンドスキルも持ち合わせており、横方向に対する反応をさらに昇華させれば、将来プロボウル級の選手に成長するのではないかという期待度の声が多い選手です。
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アマリウス・ミムス(ジョージア大)
高校時のリクルーティングで5つ星と評価され、鳴物入りでジョージア大に進学したアマリウス・ミムス(Amarius Mims)。2022年時にシーズン後半に先発RTとしてジョージア大のナショナルチャンピオンシップ獲得に大きく貢献。2023年度にはシーズン中に足首を怪我して手術を余儀なくされましたが、レギュラーシーズン最後3試合に出場を果たし、惜しくもチーム三連覇はなりませんでしたが、強豪ジョージア大の強力OL陣の一員として君臨しました。
身長が6フィート8インチ(203センチ)に340パウンドとまさに壁のようなフレームを持つミムス。腕も長くそれだけでもパスラッシャーとしてはやりずらい側面を持っていますが、その巨体とは裏腹にフットスキルとハンドスキルも持ち合わせており、カレッジレベルで彼が一対一で負ける姿はそう見ることができませんでした。大きな不安要素はカレッジで実質8試合しか先発出場していないという点ですが、ポテンシャルの高いOTと言えそうです。
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トロイ・ファウタヌ(ワシントン大)
2019年度シーズンからワシントン大に在籍してきたトロイ・ファウタヌ(Troy Fautanu)ですが、彼がブレークしたのは3年生(レッドシャツ)となった2022年度。この年主にLTとして13試合に先発出場。翌年の2023年にも引き続きチームのOL陣の大黒柱として活躍。また既出のオレゴン州立大のフアガと同じくポリネシアンカレッジ選手の年間最優秀選手賞のファイナリストにも選ばれました。
その類稀なるフットワークとアジリティーでパスプロでの評価が高いファウタヌ。空間識別能力にも長けパスラッシャーを手こずらせることは間違いありません。ランブロッカーとしては技術ムラがあるという評価もあり、この点は改善の余地ありと見ますが、パスヘビーのオフェンスを持つチームとしては是非とも獲得を視野に入れたいところ。
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タイラー・ガイトン(オクラホマ大)
高校時には3つ星リクルートだったタイラー・ガイトン(Tyler Guyton)はテキサスクリスチャン大へ進学するも2022年にさらなる出場機会を求めてオクラホマ大へ転校。オクラホマ大では先発QBのディロン・ガブリエル(Dillon Gabriel)が左利きだったことから、彼のブラインドサイドである右サイドを守るためにRTを任されました。2023年には1度もQBサックを許さない安定感を披露。
6フィート7インチ(約200センチ)に325パウンド(約147キロ)というタックルとしては理想的なフレームを持ち、長い腕の長さと高い身体能力も相まって優れたパスプロ能力を保持。ぱたランブロッカーとしてもスタンスからの素早い立ち上がりとパワーでオープンレーンを確保。大学時代に怪我に泣かされましたが、ランブロックの技術をさらに高めることができればNFLで彼の姿を見る日はそう遠くないでしょう。
ハイライト動画(2023年テキサス大戦)
グラハム・バートン(デューク大)
高校からデューク大に進学したグラハム・バートン(Graham Barton)はルーキーシーズンに2人の先輩が相次いで怪我で戦線離脱したために6試合にセンターとして先発出場。2年生からはOLでも最も重要と言えるLTを2年間任されます。最終シーズン最終4試合は怪我で欠場しましたが、オールカンファレンス(ACC/アトランティックコーストカンファレンス)チームにも選ばれるなど確固たる地位を確立しました。
立ち上がりの良さと空間識別能力の良さからゾーンスキームに適していると言われるバートン。NFLのより複雑なディフェンスに対応できるかに注目が集まりそうですが、相手をいなすテクニック、どっしりとした安定感とバランスを持つバートンなら十分にアジャストできそうです。デューク大という賢い大学出身ということも相まってタフネスさとスマートさを持ち合わせたバートンにはプロボウル級の選手に成長すると予想する声もあるほど。楽しみな選手です。
キャリアハイライト動画
その他の候補者たち
ジョーダン・モーガン(Jordan Morgan、アリゾナ大)
キングスリー・スアマタイア(Kingsley Suamataia、ブリガムヤング大)
パトリック・ポール(Patrick Paul、ヒューストン大)
ブレイク・フィッシャー(Blake Fisher、ノートルダム大)
キーラン・アメガジ(Kiran Amegadjie、イェール大)
マット・ゴンカルヴス(Matt Goncalves、ピッツバーグ大)
ジュリアン・パール(Julian Pearl、イリノイ大)
クリスチャン・ジョーンズ(Christian Jones、テキサス大)
ジャヴォン・フォスター(Javon Foster、ミズーリ大)