NFLドラフト(NFLドラフト会議ともいう)とは年に一度NFL入りの資格が認められているカレッジフットボール選手をそれぞれのプロチームが引き抜いていくイベントです。現在のところ各チームが選手を補充するのに一番重要な方法がこのドラフトです。
ドラフトの順番は前年度の成績が一番低かったチームからお目当の選手を指名していきます。つまり前年度スーパーボウルチャンピオンが一番最後に指名権を得るわけです。それぞれのチームは選手を指名するか、指名権と選手のトレードを他のチームと試みたりしていきます。そしてドラフトの各ラウンド(巡)は全チームが指名権を行使するかトレードを成立させることで完結します。このラウンドを7回行っていくわけです。
ドラフトが始まったのは1936年ですがそれ以来ドラフトはその形を徐々に変えていきました。例えばチームの順番の決め方とかラウンド数とか・・・。しかしドラフトの根本は昔も今も変わりません。
現在のドラフトの順番(最下位チームから順に選手を選んでいく方法)はご想像通りリーグ全体のパワーバランスを保つために弱いチームにいい選手が流れていくように仕組まれています(理想論ですが)。
過去のドラフトにおいて選手をどのように選別するかは、巷の噂、雑誌の評論、そして選手の最低限の選手としての能力が基準にされていました。なぜなら昔は今のように全米中のカレッジフットボールの試合を細かく全て見ることはほぼ不可能であったからです。
しかし1940年代に入るとプロチームたちはスカウトを専門に雇い、各地に送り込んでより正確な選手の情報を集めることを始めます。最初は数チームがスカウトを使っていたところそれを見た別のチームもそのアイデアに乗っかり出し、いずれは全チームがスカウトをチームに抱え込むことになったのです。
ドラフトはそれからNFLでも重要なイベントに位置付けられ、メディアもこれを大々的に報じるようになりました。特に1970年代に米スポーツ専門局ESPNがドラフトを放映する権利を得るとそこからドラフトへの注目度は一気に膨れ上がっていったのです。今ではドラフト当日だけでなく、ドラフトに向けての報道も加熱。アメリカスポーツの一大市場となったのでした。