2024年度シーズンもいよいよ11月に突入。来たる火曜日(11月5日)にはカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキングも発表され、シーズンは終盤に突入していきます。そんな中行われる第10週目の主なゲームを簡単にご紹介します。
目次
#4 オハイオ州立大 @ #3 ペンシルバニア州立大
ここまで破竹の7連勝を続けるペンシルバニア州立大(ペンステート)が全米4位の強豪・オハイオ州立大(オハイオステート)をホームに迎える、上位5位以内チーム同士の好マッチアップです。
Big Tenカンファレンスの勝敗数でも当然無敗のペンステート。今後のスケジュール(ワシントン大、パデュー大、ミネソタ大、メリーランド大)を考えればこのオハイオステート戦を白星で乗り切ればカンファレンス優勝決定戦出場へ大きく前進すると言えます。彼らがこの舞台に最後に立ったのは2016年ですから、実に8年ぶりの悲願のタイトルゲーム出場が現実味を帯びてくるわけです。
気になるのはQBドリュー・アラー(Drew Allar)の怪我。彼は前戦ウィスコンシン大戦で足を故障しベンチに下がっていました。このオハイオステートとの試合には復活してくるというのが情報筋の話ですが、彼のモビリティーがどれほどなのかは気になるとろ。
そこは是非ともランアタックでアラーへの負担を補って欲しいところですが、幸いなことにペンステートにはケイトロン・アレン(Kaytron Allen)とニック・シングルトン(Nick Singleton)という二人の優秀なRBが揃っています。この二人はここまで合わせて992ヤードに7TDを稼いでおり、彼らの活躍が鍵となりそうです。
一方WR陣には正直プレーメーカー的なレシーバーがいませんが、TEタイラー・ワレン(Tyler Warren)が好調。彼はここまでチームハイとなる559ヤードに4TEを計上。近年ペンステートは優良TEを輩出し続けていますが、このワレンもそのトラディションに違わない有望なTEとして今季活躍しています。
このペンステートに乗り込んでくるのがオハイオステートですが、やはり注目はベテランQBウィル・ハワード(Will Howard)と期待の新人WRジェレマイア・スミス(Jeremiah Smith)。若干1年生なのにすでにチームのリーディングレシーバー(623ヤード)。また8つのTDは往年の先輩であるクリス・カーター(Cris Carter)氏が持っていた、1年生としてのレシービングTDのスクールレコードだった7TDを塗り替える記録。すでにプロでの活躍が想像できる逸材。
このスミスをペンステートディフェンスがどう抑えるのかが見もの。ただ気がかりなのはLTジョシュ・シモンズ(Josh Simmons)が先のオレゴン大戦での膝の怪我で長期離脱。そのせいもあってか先週のネブラスカ大戦では大苦戦。特にランではトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)とクウィンション・ジュドキンス(Quinshon Judkins)といった全米トップ級のRB陣を揃えながら立ったの64ヤード(合計)。強固なペンステートのディフェンスをランで崩すことができるか・・・。
その他の注目ゲーム
#18 ピッツバーグ大 @ #20 サザンメソディスト大
ACC(アトランティックコーストカンファレンス)戦で未だ無敗同士の戦い。勝てば優勝決定戦出場に向けて有利に。負ければ当然このレースから一歩後退。注目はピッツバーグ大QBでアラバマ大からの転校生であるイーライ・ホルステイン(Eli Holstein)。投げれて走れるホルステインにピッツバーグ大の命運がかかります。
ちなみにピッツバーグ大は未だ無傷の7勝0敗ですが、それなのにランキングは18位と低め。7勝無敗で18位というのはAPランキングが設立された1936年以来最も低いランキングなのだとか。この過小評価ぶりをSMU戦に勝利してひっくり返したいところ。そしてもし勝って8勝0敗になれば1981年以来の偉業。
#1 オレゴン大 @ ミシガン大
全米1位のオレゴン大が「Big House」の異名を持つミシガン大に乗り込みます。ミシガン大はオフェンスのアイデンティティを構築できず苦戦中。先週のミシガン州立大戦では開幕時のQBだったデーヴィス・ワレン(Davis Warren)を再び起用し勝利しましたが、穴のないオレゴン大にとってはたとえアウェーゲームであっても負けが想像し難いマッチアップです。オレゴン大はハイズマントロフィー候補のQBディロン・ガブリエル(Dilloin Gabriel)がどこまで数字を残せるか。
#2 ジョージア大 vs フロリダ大 @ ジャクソンビル
ニュートラルサイトであるフロリダ州ジャクソンビル(ジャガーズの本拠地であるエヴァーバンクスタジアム)で行われる恒例のライバリー。スタジアムが文字通り赤と青で真っ二つになるのは見ていて爽快です。対戦カードではジョージア大が現在フロリダ大に対し3連勝中。苦戦中のフロリダ大にはちょっと荷が重すぎるかも。
#5 マイアミ大 @ デューク大
現在未だ負けなしで全米5位のマイアミ大が6勝2敗のデューク大を迎えうちます。マイアミ大にはハイズマントロフィー候補QBキャム・ワード(Cam Ward)が健在。この試合でどれだけ多くのパスヤードを投げるかが実物ですが、デューク大のディフェンスも侮れないユニット。マイアミ大は持っている力を発揮しさえすれば番狂せを起こされることはないと思いますが・・・。
#10 テキサスA&M大 @ サウスカロライナ大
先週ルイジアナ州立大を倒して遂にトップ10入りを果たしたテキサスA&M大。そういった大一番を制した翌週には魔物が潜む・・・なんてことも言いますが、そういうシチュエーションで最も対戦したくないチームの一つがサウスカロライナ大。相手にとってはやりづらい場所として知られるサウスカロライナ大のホームでの試合。注目はテキサスA&M大が開幕時からの先発QBコナー・ウェグマン(Conner Weigman)を起用するのか、はたまたLSU戦でウェグマンの代わりに出場して逆転を演出したマーセル・リード(Marcel Reed)を起用するのかというポイントです。
#11 クレムソン大 @ ルイビル大
SMUとピッツバーグ大戦に続きこの試合もACCのタイトルレースで重要な試合。クレムソン大は初戦のジョージア大戦で負けて以来ランクをガクッと落としましたが、以来破竹の6連勝。ランキングも11位にまで戻してきました。チーム力は序盤と比べると落ち着きを取り戻して安定感が増していますが、対するルイビル大は得点力が高いチームとして知られています。クレムソン大のディフェンスの力が試されそうです。
#13 インディアナ大 @ ミシガン州立大
今季の最大のシンデレラチームの1つが現在8勝0敗のインディアナ大。ここまで8試合で一度も相手にリードを許していないFBS(フットボールボウルサブディビジョン)唯一のチーム。フットボールで強いという印象が全くなかったこのチームの躍進度合いは驚きです。もしミシガン州立大に勝って9勝0敗となれば、これはインディアナ大創部以来初の快挙です。
#21 陸軍士官学校 @ 空軍士官学校
上記のインディアナ大と同じくシンデレラチームとされているのが陸軍士官学校。彼らも7勝0敗と未だ無敗。今回の対戦相手は同じ士官学校である空軍士官学校。3つある士官学校(陸海空)の3校で争われる「総司令官杯」を獲得する上で陸軍士官学校はまずこの空軍士官学校に勝ち、最終戦の海軍士官学校戦に備えたいところですが、このまま無敗を貫けばプレーオフ出場という夢も・・・(ノートルダム大との対戦を控えてはいますが)
バージニア工科大 @ シラキュース大
混戦模様のACCレースですが、もしトップ4チームに相次いで波乱が起きればカンファレンス戦績3勝1敗のバージニア工科大にもチャンスが回ってきます。まずはこのシラキュース大をしっかりと料理し、次戦のクレムソン大に勝とうものなら彼らにもタイトルレース出場のチャンスが回ってくるかもしれません。
ノースカロライナ大 @ フロリダ州立大
どちらも開幕前の評価を覆す不調に見舞われているチーム。ノースカロライナ大は4勝4敗でボウルゲーム出場権獲得(6勝)までギリギリの線ですが、昨年のリーグ覇者であるフロリダ州立大は現在泥沼の1勝7敗。ボウルゲーム出場権もすでに逃しており、あとはプライドをかけた戦いとなりますが、果たしてこのチームにそのモチベーションを保てるだけの士気があるのか・・・。