第7週目レビュー

昨年の第7週目にはクレムソン大、ワシントン大、ワシントン州立大、アーバン大の4つのトップ10チームに土がついたのですが、今年の第7週目もなんと同じように4つのトップチームが敗れるという波乱に富んだ週末になってしまいました。「魔の7週目」とも言うべきか・・・。試練を乗り越えたチームとそうでないチームと明暗が別れた先週末を振り返ってみたいと思います。

第7週目注目のゲーム

ルイジアナ州立大36、ジョージア大16

全米2位のジョージア大にとって彼らが真の全米2位チームなのかが試されたルイジアナ州立大との一戦。先シーズンの準優勝校であり、リクルーティングランキングでも全米1位を獲得し、それに輪をかけてここまで全勝であったことから彼らが2位にランクされたのですが、今シーズン彼らを手こずらせるに至るチームと対戦してこなかったことで「ジョージア大は本当に2位に値するチームなのか?」という議論が起こっていましたが、そのジョージア大をルイジアナ州立大が丸裸にし、ジョージア大に今季初黒星をお見舞いしたのです。

試合は前半からルイジアナ州立大のスマッシュ・マウスフットボールが炸裂。ラインオブスクリメージを制圧しRBニック・ブロセット(Nick Brossette)とQBジョー・バロウ(Joe Burrow)の体を張ったプレーでジョージア大ディフェンスを攻略すれば、自身のディフェンス陣もジョージア大QBジェイク・フローム(Jake Fromm)に終日プレッシャーをかけ続け、パス成功率5割以下、許したヤードも206ヤードに2つのパスINTを誘導し、QBレーティングをたったの16ポイントに抑えました。

ルイジアナ州立大は先週フロリダ大に敗れたものの、その敗戦を引きずらずに見事ジョージア大から勝利をもぎ取りました。これで彼らはマイアミ大、アーバン大というランクチームに競り勝っており(両チームとも現在はランク外ですが)、今回のジョージア大から白星はフロリダ大戦での黒星を帳消しにできるほどの勝ちがあり、いよいよ11月3日のアラバマ大戦が天下分け目の大一番となりそうです。

負けたジョージア大はこれで終わりというわけではありませんが、これまでアラバマ大かジョージア大かと言われてきた中ではっきりと「ジョージア大はアラバマ大には現時点で及ばない」ところを全米中に露呈してしまいました。さらに悪いことに今後彼らにはフロリダ大、ケンタッキー大、アーバン大という3連戦が待ち受けています。早いこと立て直さなければLSUに食らった一敗だけでは済まされなくなるかもしれません。

ランカー同士の対決

ミシガン大38、ウィスコンシン大13

全米12位のミシガン大と14位のウィスコンシン大との対決となったBig Tenカンファレンスのヘビー級マッチ。負ければプレーオフ進出への夢は途絶えるというなかで行われたこの試合は前半こそBig Ten伝統の見ごたえあるライプレーの応酬となりました、後半にミシガン大が大きく突き放してホームで快勝。ミシガン大の存在感がここに来て非常に大きくなってきました。

前半はウィスコンシン大の全米最強OL陣を盾にRBジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)の決死のランプレーがミシガン大ディフェンス陣に襲いかかりましたが、ミシガン大も負けじと応戦。特に光ったのはQBシェイ・パターソン(Shea Patterson)の働き、さらに言えば彼の起用法を変えたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督の手腕です。

開幕以降ハーボー監督はパターソンをピュアパサーとして見立てた戦術を全面に押し出してきましたが、それがあまり機能せずにいました。それに気づいたのかどうかは分かりませんが、この試合ではパターソンのリードオプションからのランプレーが何度も効果を発揮。ランの中にパスを絡めるという逆転の発想が見事に的中してウィスコンシン大ディフェンスのバランスを崩すのに成功しました。さらにバックアップQBのディラン・マカフリー(Dylan McCaffrey、元スタンフォード大で現カロライナパンサーズRBクリスチャン・マカフリーの弟)も44ヤードのQBランTDを決めるなどし、それはまるでミシシッピ州立大ジョー・モアヘッド(Joe Moorhead)監督がQBニック・フィッツジェラルド(Nick Fitzgerald)をパサーではなくランナーとして起用するこにしてチームを生き返らせたのとダブって見えました。

そして後半チームがウィスコンシン大を抑えて点差を広げるのに大きな手助けをしたのはミシガン大ディフェンス陣でした。ウィスコンシン大QBアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)は終始ミシガンディフェンス大のプレッシャーに合いリズムを掴めず、20回投げたうち成功させたのはわずか7投。しかも犯した2つのINTのうち1つはミシガン大のラヴァート・ヒル(Lavert Hill)にエンドゾーンまで運ばれるという失態。結果的に攻守ともにミシガン大が一枚も二枚も上手となった試合となりました。

ウィスコンシン大は西地区争い次第ではまだカンファレンスタイトルゲームに進出する可能性は残されていますが、これで2敗となったためプレーオフ進出への道はほぼ閉ざされたと見て間違いないでしょう。一方のミシガン大は開幕戦でのノートルダム大戦敗戦後6連勝を飾り、しかも強豪ウィスコンシン大を全米のプライムタイムで切り刻んだという事実は彼らをいよいよ本格的なCFP進出候補に推す結果となりました。まだペンシルバニア州立大ミシガン州立大オハイオ州立大という試合を残してはいますが、今回のようなパフォーマンスを毎試合発揮できればシーズン最終戦のライバル・オハイオ州立大との対決が今季最大のゲームとなる可能性大です。

Upset!

アイオワ州立大30、ウエストバージニア大14

ジョージア大、ワシントン大に続きトップ10チームで黒星を喫してしまったのは6位のウエストバージニア大。彼らは7勝目を狙ってアイオワ州立大に乗り込みましたが、相手のディフェンスに苦しめられ、ハイズマントロフィー候補QBウィル・グリアー(Will Grier)はたったの100ヤード(1TD、1INT)と撃沈。またチーム全体としてもランでたったの52ヤードしか稼げず、アイオワ州立大に完敗。ここまで地道に勝ち星を重ねて上位チームが転がり落ちてくる隙きにようやく6位まで上がってきたウエストバージニア大ですが、その苦労もこの敗戦で水の泡に。今後彼らにはオクラホマ大テキサス大との対戦が残されていますから、そこで挽回できればこの負けを帳消しにすることが出来るかもしれませんが、少なくともこの試合を見る限りでは今挙げた2巨頭から勝利を挙げることが出来るとは思えません。

ミシガン州立大21、ペンシルバニア州立大17

トップ10チームでの4番目の犠牲者は8位のペンシルバニア州立大です。「第7週目の見どころ」でも触れたようにミシガン州立大は時にとんでもないアップセットを呼び込むチームですが、今年はなんと敵地のステートカレッジ市で全米8位チームから大金星を奪いました。

元々ディフェンス力には定評があったミシガン州立大でしたが、ここまですでに2敗を喫しており開幕前の評判を覆すシーズンを送ってきました。しかしこのペンステート戦ではハイズマントロフィー候補QBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)を攻略。パスに加え彼の得意な機動力を封じ込めロースコアゲームに持ち込みます。そして17対14でペンステートがリードした状態で迎えた第4Q残り1分。QBブライアン・レウワーキ(Brian Lewerke)パスを繋いで相手陣内へ攻め込むと最後はWRフェルトン・デーヴィス(Felton Davis)への25ヤードパスTDが残り時間19秒で決まって大逆転。試合はそのまま終了となって8位のペンステートがホームでまさかの敗戦を喫したのです。

これでペンステートはBig Ten東地区レースで2歩3歩後退しただけでなく、悲願のCFP進出も夢のまた夢となってしまったのです。

バージニア大16、マイアミ大13

全米16位のマイアミ大がプレーオフに進出する可能性は極めて低かったのですが、それでもACCのコースタル地区を制してカンファレンス優勝決定戦に出場するというシナリオは大いに残されていました。先週末までは。というのも彼らはバージニア大にまさかの敗戦を喫してしまったからです。マイアミ大がコースタル地区を勝ち抜く可能性はまだ残されてはいますが、お世辞にも強豪とはいえないバージニア大に敗れてしまった事実は消すことは出来ません。来週アトランティック地区ではクレムソン大ノースカロライナ州立大の直接対決が待っていますが、この感じだとコースタル地区云々というよりもこの直接対決の勝者がカンファレンスタイトルを手にすることと同義だとしても言い過ぎではないかもしれません。

テネシー大30、アーバン大24

今季から指揮をとるジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督率いるテネシー大は今季初のカンファレンス勝利を全米21位のアーバン大から奪うという番狂わせを演じてみせました。しかもアウェーでです。

テネシー大QBジャレット・ガランターノ(Jarrett Guarantano)は300ヤード超えのパスに2つのTDでオフェンスに火を付け、1999年以来の対アーバン大戦勝利を演出。またこの勝利は2016年以来のカンファレンス戦勝利。前体制下(ブッチ・ジョーンズ元監督)で大変な退化を見せたテネシー大ですが、ようやく一筋の光を見た気がしました。

一方のアーバン大はこの敗戦で既にカンファレンス3敗目。所属する西地区戦ではまだテキサスA&M大とアラバマ大との試合を控えており、侮れないミシシッピ州立大も加えればカンファレンス戦で6敗以上してしまう可能性も十分含んでいます。ここに来て今季最大の「バスト」チーム候補にアーバン大が挙げられてしまう羽目になってしまいました。

サザンカリフォルニア大31、コロラド大20

多くのドラマを生んだ先週末の締めとなったのは全米19位のコロラド大サザンカリフォルニア大との一戦。ここまで全勝のコロラド大がサザンカリフォルニア大に乗り込むという非常に厳しい状況でしたが、USCのQB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)が第1Qに2度もパスINTを犯しながらその後立て直してランカーであるコロラド大を見事返り討ちにしました。

これでUSCのクレイ・ヘルトン(Clay Helton)監督はホームゲーム19連勝中。本拠地での無敗神話を守りました。これによりPac-12カンファレンスチームから無敗チームが消え、先にも挙げた通りカンファレンス内で潰し合う傾向にあり、これはプレーオフ進出に向けて同カンファレンス出身チームを送り出したいと企むPac-12のお偉方にとってはコロラド大の敗戦は大きな痛手です。

Near Upset

ノートルダム大19、ピッツバーグ大14

全米5位のノートルダム大ピッツバーグ大に大苦戦。ディフェンスが踏ん張ってピッツバーグ大に点を取らせなかったもののオフェンスの歯車が合わず終始リードされる展開に。第3QにはいきなりキックオフリターンTDを喰らいいよいよ嫌な予感がする中、第4Q残り5分43秒にQBイアン・ブック(Ian Book)からWRマイルズ・ボイキン(Myles Boykin)への35ヤードパスTDが決まって何とか逆転。何とか番狂わせを逃れました。ピッツバーグ大は2年前クレムソン大、昨年はマイアミ大から金星を奪って今年も・・・という機運が高まっていましたが、もう少しのところでそれを達成することはなりませんでした。

テキサス大23、ベイラー大17

先々週オクラホマ大に勝ってランキングを一気に7位まで上げたテキサス大ですが、未だスキャンダルから再建中のベイラー大相手に苦戦。特に第1QにエースQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)が肩の怪我で戦線離脱を余儀なくされ、昨年先発の座をエリンガーと分け合ったシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)が代打出場。そのせいかどうかは分かりませんが、格下とされるベイラー大を突き放すことが出来ず、最後はベイラー大陣内17ヤードにまで攻め込まれ、TDを奪われば逆転負けという緊迫した展開になりますが、ディフェンスが何とか踏ん張ってアップセットを間逃れました。

セントラルフロリダ大31、メンフィス大30

10位のセントラルフロリダ大もあわや黒星かというひやひやし展開に。試合開始直後からメンフィス大のスターRBダレル・ヘンダーソン(Darrell Henderson)が大暴れ。199ヤードに1TDとセントラルフロリダ大ディフェンスを大いに苦しめました。またチームトータルでも281ヤードを足で稼がれてセントラルフロリダ大は終始メンフィス大を追う展開に。しかしハイズマントロフィー候補QBマッケンジー・ミルトン(McKenzie Milton)の活躍で徐々に点差を縮めていきます。一時は30対14とリードされていたところFGを決めて30対17となった第3Q、自陣29ヤードで迎えた4thダウン&1ヤードでジョシュ・ハイプル(Josh Heupel)監督はギャンブルに打って出ますが、これが大当たりでRBタジ・マクゴワン(Taj McGowan)が1stダウンを奪うだけでなくそのまま71ヤードを走り抜けてTD。さらに第4Qにミルトン自らのランTDが決まってついに逆転。セントラルフロリダ大が全米最長となる連勝記録を19に伸ばしました。

サウスフロリダ大25、タルサ大24

金曜日に行われたこの試合でも23位のサウスフロリダ大タルサ大から金星を奪われるかという展開に。ここまで5勝無敗と快調だったサウスフロリダ大は1勝4敗のタルサ大に一時24対10と大きくリードを奪われますが、第4Q残り2分に元アラバマ大QBブレイク・バーネット(Blake Barnett)のQBランで24対22とリードを縮めるとディフェンス陣が踏ん張って残り時間1分を切ったところでサウスフロリダ大に再び攻撃のチャンスが訪れます。ここからバーネットのパスと相手ディフェンスのラフィングザバサーのファールで一気に敵陣内へ突入したサウスフロリダ大は最後残り2秒というところでFGを決めて劇的な逆転劇。なんとか無敗を守りました。

Elsewhere…

アラバマ大39、ミズーリ大10

全米1位のアラバマ大ミズーリ大に快勝。試合開始2プレー目にQBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)からWRジェリー・ジュディ(Jerry Jeudy)への81ヤードパスTDが決まり先制。たった23秒での先制点ですが驚くことにこれは今季最速の得点ですらありませんでした(最速はアーカンソー大戦の開始21秒の得点)。そんなタガヴァイロアですが先週の試合で怪我を追っていた膝をこの試合中に再び悪化させ途中退場。代役はもちろん昨年までの先発QBジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)ということで何ら問題はありませでしたが、タガヴァイロアの膝の具合は非常に気になるところです。

オハイオ州立大30、ミネソタ大14

オハイオ州立大ミネソタ大に勝つには勝ちましたが、全米3位チームらしからぬ並レベルのパフォーマンスに終始しました。が、ハイズマントロフィー候補QBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)はすこぶる快調。412パスヤードに3TDと大満足の数字を残しました。因みに今回400ヤード以上投げたことでハスキンズは長いオハイオ州立大フットボール部の歴史でも初となる、複数ゲームで400ヤード以上投げたQBとなりました(先週インディアナ大戦で455ヤード投げたため)。

UCLA37、カリフォルニア大7

UCLAカリフォルニア大に快勝。これで今季からUCLAの指揮を執るチップ・ケリー(Chip Kelly)体制となってようやく初勝利を挙げることに成功。チーム再建の年とあって期待度のハードルは高くはないでしょうが、とりあえずケリー監督や彼を起用することを決めたお偉方はほっと胸をなでおろしていることでしょう。

ノースウエスタン大34、ネブラスカ大31

ネブラスカ大ノースウエスタン大からリードを奪う展開でいよいよ今季初勝利かと思われましたが、オーバータイムにもつれ込んだ末あえなく撃沈。これで0勝6敗となり、とうとう歴史ある強豪ネブラスカ大部史上初めてとなる無様な記録を打ち立ててしまいました。FBSで現在まで全敗なのはネブラスカ大の他にテキサス大エルパソ校(UTEP)とサンノゼ州立大のみ。果たしてこの暗いトンネルから抜け出す日はいつになることやら・・・。

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