2019年NFLドラフト終わって・・・【その1】 - ANY GIVEN SATURDAY

2019年NFLドラフト終わって・・・【その1】

2019年NFLドラフト終わって・・・【その1】

2019年度のNFLドラフトが先週無事終わりました。カレッジフットボール界から多くの将来のスター候補たちが夢にまで見た舞台へ足を踏み入れる第一歩となったわけですが、その中には泣いた者、笑った者、緊張で胃を痛めた者(笑)、様々なドラマ模様が繰り広げられたことでしょう。

カレッジフットボールのファンサイトを運営している筆者としては大学で活躍していった選手たちの背中を見送る気持ちで微力ながらドラフトの情報をお届けしてきました。もちろんNFLファンの方、特に熱狂的なそれぞれのチームのファンの方々にとっては物足りない情報ばかりだったかもしれませんが、カレッジフットボールファンの目線からドラフトの情報をお届けしてきました。

そこでこれから数回に渡りそのカレッジ目線で見たドラフトの結果を書いてみたいと思います。

全体的に見て・・・

今年のドラフトはテネシー州ナッシュビル氏のダウンタウンに屋外セットを建設してこれまでとは全く趣向の違ったものになりました。ナッシュビルといえばカントリーミュージックの聖地とも言え、ライブミュージックがバックグラウンドで流れるというユニークなセッティングが施されました。そのせいかESPNの報道では3日間行われたドラフトのテレビ中継の視聴者数が1日平均約6億人(のべ)だったそうで、これは昨年の約5億5千万人を大きく上回る数字です。また実際にナッシュビルに駆けつけたファンたちの数も3日間で60万人を超えたとか。年々盛大になっていくドラフトの商業的サクセスと全米ならびに国外のファンの注目度の高さを示しています。

しかしドラフト自体を見ると個人的にはなんとなく昨年よりも全体的に盛り上がりに欠けていたような気がします。それはひとえに昨年よりも花のある選手の数が少なかったからではないでしょうか。

昨年はキャラの強いハイズマントロフィー受賞QBであるベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield、オクラホマ大出身、現クリーブランドブラウンズ)が総合ドライチに輝いただけでなく、チームの花形と言えるQB陣が豊作の年となり、またペンシルバニア州立大のスターRBサクオン・バークレー(Saquon Barkley、現ニューヨークジャイアンツ)が総合2位で選ばれるなど、活躍の結果が数字として現れやすいオフェンス選手が多く第1巡目に選ばれていきました。

関連記事2018年NFLドラフト終わって・・・

そこで今年の第1巡目のポジション別指名選手数を昨年のものと比べてみたいと思います。

ポジション2018年2019年
QB53
RB31
WR
22
TE12
OL66
DL511
LB44
DB63

今年の第1巡目のドラフトはディフェンス選手の人数がオフェンス選手のそれを上回りました(ディフェンス18人、オフェンス14人)。昨年はオフェンス選手が17人でディフェンス選手が15人だったことを見ても数字が逆転しています。もっともそれぞれのチームにおいてニーズは毎年変わってきますから、一概に今年のドラフトはディフェンス選手の豊作年だったとは言い切れません。が、わかりやすさで言えばちょっと華やかさにかけていたような気がします。


総合ドライチ選手は・・・

先にも述べたように各チームによって補填しなければいけないポジションのニーズは異なってきますから、必ずしもその年のドラフト候補のナンバーワン選手が総合1位(ドライチ)で指名されるとは限りません。しかしやはりその年のドラフトで真っ先に指名されるのは注目度、そしてその後の歴史に永遠に刻まれるということからしても大変名誉なことだと思います。

そしてそんな栄えある総合ドライチの称号を手に入れたのは予想通り元オクラホマ大のQBカイラー・マレー(Kyler Murray)。今年からアリゾナカーディナルスの指揮を執ることになった元テキサス工科大監督のクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)新監督体制の要となるオフェンスの最重要ピースとして今年のドラフトの幕開けを華々しく飾ったのです。

カーディナルスは昨年も第1巡目第10番目に元UCLAジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)を指名しましたから、マレーをドラフトしたことで事実上ローゼンと袂を分かつことになったわけですが、翌日にはローゼンをマイアミドルフィンズへトレード。その見返りとしてカーディナルスはドルフィンズから今年の62番目(第2巡目)の指名権と来年のドルフィンズの第5巡目の指名権を手に入れました。

これで昨年のメイフィールドに続きオクラホマ大出身のQBが2年連続で総合1位でプロ入りするという偉業を達成。同じチーム出身の選手が2年連続で総合ドライチ選手となったのは1968年ロイ・ヤリー(1968年、OT)とO.J.シンプソン(1969年、RB)を輩出したサザンカリフォルニア大ただ1校。故にオクラホマ大並びにリンカーン・ライリー(Lincoln Riley)監督はドラフトの歴史に刻む偉業を成し遂げたことになります。

偉業と言えばメイフィールドならびにマレーはともに大学アメフトの最候補アワードであるハイズマントロフィーの受賞者であり、その受賞選手が2年連続で総合ドライチに輝いたのはドラフト史上初めてのこと。さらにはその前の総合ドライチ選手であるマイルズ・ギャレット(Myles Garrett、元テキサスA&M大、現クリーブランドブラウンズDE)を含めると3年連続でテキサス州出身選手が総合ドライチに輝いたことになります。色んな意味で金字塔を打ち立てた今年のドライチ指名でした。

ところでマレーは昨シーズン前にMLBオークランドアスレチックスから野球選手としてもドラフト指名された過去を持ちます。このときはアスレチックスの指名権第1巡目となる総合9位で指名されるという非常に高評価を得て、契約金として466万ドル(1ドル100円計算で約4億6600万円)を受け取る契約を結んでいました。が、オクラホマ大でフットボーラーとして活躍するごとに彼がNFLでも十分やれる逸材だと評価されると彼の株はうなぎ登りに。彼自身は昨シーズンが終わるまでMLBの道を進むかNFLの道を進むか明言していませんでしたが、シーズンが終わってから程なくして野球人としてではなくフットボーラーとしてプロの世界へ飛び込むことを決めました。

そして今回NFLドラフトでも第1巡目で指名されたことでマレーは史上初NFLドラフトとMLBドラフトの両方で第1巡目に指名された選手となったのでした。それだけ彼のアスリートとしての能力がずば抜けているということですね。

 

ちなみにドラフト当日にピンクのピンストライプのスーツという非常に鮮やかな出で立ちで登場したマレー。

Embed from Getty Images

実はこのコーディネート、彼のお気に入りの映画である「The Great Gatsby(華麗なるギャツビー)」に主演したレオナルド・ディカプリオにインスパイアされたとのこと。オクラホマ大、そしてカーディナルスの赤色を彷彿もさせ、なかなか似合っていましたよね。

外部リンク「The Great Gatzby」の一シーン(IMDB)

あと面白いと思ったのは、現オクラホマ大QBのジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)のリアクションです。

今オフ鳴り物入りでアラバマ大からオクラホマ大へトランスファー(転校)してきたハーツ。今のところハーツが正式な先発QBに指名されたとは公言されていませんが、まあ普通に考えれば彼が来季のオクラホマ大オフェンスを牽引していくことになるでしょう。

関連記事アラバマ大QBハーツがオクラホマ大へ

前述の通りメイフィールド、そしてマレーと2年連続のハイズマントロフィー受賞者、そして2年連続の総合ドライチ選手を輩出したオクラホマ大ですが、その後継者として登場するハーツ。当然世間は3年連続オクラホマ大出身QBがハイズマントロフィーを獲得し2020年のNFLドラフトで総合1位で指名されるのか、という期待をかけることでしょう。それを暗示するような「さてと・・・笑」というツイートを残したんですね。「次は俺の番ってことかな?」というようなニュアンスでしょうか。こちらも今から気になるところです。

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