ボウルゲームプレビュー:ミッドメジャーボウル編【その弐】

12月23日

アームドフォースボウル

サンディエゴ州立大 vs 陸軍士官学校

徹底したランゲームが好きな方はアームドフォースボウルを見逃す手はありません。

今季8勝3敗で2年連続でアームドフォースボウル出場を決めた陸軍士官学校(アーミー)はジェフ・モンケン(Jeff Monken)監督のもとトリプルオプションフットボールを復活させて結果を残してきました。先日海軍士官学校(ネイビー)との伝統の一戦において走り合いの末に相手をねじ伏せてコマンダーインチーフトロフィーを20年ぶりに獲得したばかり。その徹底したオプションフットボール使いは今季の空軍士官学校(エアフォース)との試合でなんと1度もパスを投げることなく勝利を挙げたほどです。

一方のサンディエゴ州立大にはエースRBラシャード・ペニー(Rashaad Penny)が健在。今季2027ランヤードに19TDを奪ってきた彼の走りは全米でもトップレベルと呼べるものです。アーミーは今季の4度も相手に200ヤード以上走られてきたことを考えると、ペニーがこの試合で大暴れする可能性は大です。問題はサンディエゴ州立大のディフェンス陣がアーミーのトリプルオプションを止めることができるかです。今ではこの特殊なオフェンスを操るチームは全米でもほんの一握りしかおらず、これをディフェンスするのはそう簡単ではありません。ボウルゲームまでの限られた時間で彼らがどれだけトリプルオプション対策を練れるかが勝利の分かれ目となりそうです。

トリプルオプション好きとしては大変楽しみな試合です。

12月26日

カクタスボウル

カンザス州立大 vs UCLA

カンザス州立大UCLAの対戦となった今年のカクタスボウル。中堅レベルのボウルゲームとしては比較的大御所同士の対戦となり今季のボウルシーズン初期でも大変見ごたえのある試合になりそうです。なんといっても注目はUCLAのQBジョシュ・ローゼン(Josh Rosen)です。来年のNFLドラフト早期ドラフト入りすれば高順位で選択される公算の高いローゼンにとって、このカクタスボウルががおそらくカレッジキャリア最後の試合となることでしょう。ただ、彼が怪我のリスクを押してまでこの試合に出場するかは定かではありませんが。またUCLAはすでに新コーチとしてチップ・ケリー(Chip けKelly)氏が来季からチームを率いることになっています。来年もチームに残留する3年生以下の選手にとっては新監督であるケリー氏に自分の力を見せつけるための格好の「オーディション」でもあります。

対するカンザス州立大ですが今季彼らのパスディフェンスは皆無に等しく、相手に350ヤード以上のパスを許した試合が実に6試合もあります。NFL級のQBローゼンが出場しなくてもUCLAにここを突かれたら大量失点を犯す可能性もあります。またカンザス州立大のオフェンスはファーストダウンを奪うのにえらく苦労してきたチーム。3rdダウンコンバージョン率はなんと全米で下から2番目。

これだけ見ればカンザス州立大に勝ち目はあるのか?と思われるかもしれませんが、勝機は彼らのランオフェンスにありそうです。UCLAのランディフェンスは今年相手にランだけで3400ヤードも奪われ、12試合中9試合で200ヤードを許すという体たらくぶり。ここを攻略すれば点とり合戦に乗っかることができるかもしれません。もともとランオフェンスで試合時間をコントロールするのが得意なカンザス州立大ですので、うまく歯車があれば名伯楽ビル・シュナイダー(Bill Synder)監督のレガシーに花を添える8勝目を挙げることも可能でしょう。

12月27日

フォスターファームスボウル

アリゾナ大 vs パデュー大

この試合で注目したい選手はアリゾナ大のQBカリル・テイト(Khalil Tate)です。昨年パッとしなかったアリゾナ大は今季も開幕後2勝2敗として再び不甲斐ないシーズンを送ることになるのかと誰もが思ったことでしょう。HCのリッチ・ロドリゲス(Rich Rodriguez)監督のクビもそろそろ危ないと囁かれる中、チームの救世主として突如現れたのがテイトでした。10月に先発出場のチャンスが回ってくるとこの機会を逃さず、卓越した機動力とパス能力で相手を翻弄。Pac-12カンファレンスで初となる4週連続週間MVPを獲得する大活躍。10月のパフォーマンスだけ見れば彼がハイズマントロフィーを獲得してもいいぐらいの輝きを見せてロドリゲス監督及びアリゾナ大のシーズンを救いました。

パデュー大は今季からオフェンスのマスターマインド、ジェフ・ブローム(Jeff Brohm)の指導のおかげで、彼が就任するまでの4年間でただの1度も4勝以上したことがなかったところを就任1年目の今年だけで6勝を挙げるまでに再建してきました。その手腕を買われ一時はテネシー大次期監督候補に名前が挙がるほど。この流れを来季にも持ち越すためにもこのボウルゲームで勝利して7勝目をあげたいところです。