今年で82回目を迎える歴史あるサンボウル。オレンジボウルとシュガーボウルはサンボウルと同年に創設され(1935)、唯一サンボウルよりも古いボウルゲームは1902年に始まったローズボウルのみです。そんなサンボウルはこれまでBig TenカンファレンスチームとBig 12カンファレンスチームが相まみえるボウルゲームでしたが、今年は装いも新たにPac-12カンファレンスとアトランティックコーストカンファレンスからそれぞれチームが招待されました。
マイアミ大ハリケーンズ(8勝4敗、5勝3敗 ACC)
今年のマイアミ大のシーズンも近年に引き続き苦戦を強いられたものとなってしまいました。ネブラスカ大戦では23点差でリードしていたにも関わらず追いつかれ、オーバータイムで辛くも買ったものの、ライバル・フロリダ州立大戦では終盤にTDを奪われ逆転負け。クレムソン大戦ではチーム史上最悪の敗戦となる58対0で完封負けを喫してしまい、挙句の果てにはヘッドコーチのアル・ゴールデン(Al Golden)がシーズン途中で解雇されると事態にまで陥りました。
しかしゴールデン氏が解雇された以降はチームは少しの光明を見出しました。シーズン最後の5試合では4試合を白星で飾り、カンファレンスレコードは5勝3敗と終わってみればまずまずの成績となりました。もちろん以前のマイアミ大に比べれば決して満足いくものではありませんが、ゴールデン氏の後任として決まった元ジョージア大ヘッドコーチ、マーク・リクト(Mark Richt)氏を迎えた新体制を敷くにあたり今後のマイアミ大には期待が持てそうです。
その新体制を担うのは現在2年生のQBブラッド・カーヤ(Brad Kaaya)。今季3000ヤード以上のパスに15TDを記録。パスインターセプトは4つのみと頼りになる選手です。RBジョセフ・イヤービィ(Joseph Yearby)はあと61ランヤードを決めれば合計1000ヤードのランとなるほどの逸材。
ただ、チームとしてこのボウルゲームには新体制ではなく旧体制の臨時ヘッドコーチ、ラリー・スコット(Larry Scott)が指揮します。ゴールデン氏解雇後チームをまとめ上げたスコット臨時ヘッドコーチのために最後の勝利を捧げることができるでしょうか?
最後に出場したボウルゲーム:
2014年 インディペンデンスボウル(サウスカロライナ大24、マイアミ大21)
歴代ボウルゲーム戦績:
18勝18敗
ワシントン州立大クーガーズ(8勝4敗、6勝3敗 Pac-12)
2003年に10勝を挙げたシーズン以来長らく誇れるような成績を残せなかったワシントン州立大でしたが、ヘッドコーチ、マイク・リーチ(Mike Leach)政権に移行して以来ようやく今季8つの勝利を挙げることができました。しかしながらそれでも今季は山あり谷ありのシーズンでもありました。強豪オレゴン大から2006年以来の大金星を奪う活躍を見せるも、開幕戦では下部リーグFCSチームのポートランド州立大に敗れ、そして最終戦のワシントン大とのライバルゲーム、いわゆる「アップルカップ」にて大敗するなど一筋縄では行かないシーズンでした。
リーチ監督の十八番とも言える超パスオフェンスは彼の前チームであるテキサス工科大でその力を立証済みですが、ようやくその本領をここワシントン州立大でも発揮することができた年でもありました。その立役者となったのはQBルーク・フォルク(Luke Falk)はリーチ監督がこれまで指導してきた歴代のハイパワーQBに勝るとも劣らないパフォーマンスを見せることもありました。しかしオフェンシブラインが苦戦したゲームでは彼のポテンシャルを十二分に発揮することができず、それが直接敗戦に繋がったのです。結果終盤には多くのサックを喰らい、最終戦のワシントン大戦では怪我で欠場を余儀なくされました。
つまり、ワシントン州立大の命運はフォルクの怪我の状態に掛かっています。それを裏付けるように、チームのリーディングラッシャー、RBジェラード・ウィックス(Gerard Wicks)はリーチ監督下でコロラド大戦にて初の100ヤードラッシャーとなりましたが、それでもシーズントータルではたったの557ラッシュヤードと、明らかにワシントン州立大オフェンスはパスで成り立っています。さらにディフェンスは12試合中7試合で30点以上の失点を重ねるほど頼れるとは言えないユニット。よって大量得点が期待できるパスオフェンスでノーガードの点取り合戦を制する以外彼らに道はなさそうです。
最後に出場したボウルゲーム:
2013年 ニューメキシコボウル(コロラド州立大48、ワシントン州立大45)
歴代ボウルゲーム戦績:
5勝5敗