ミシシッピ大(全米15位)vs アラバマ大(全米2位)
サウスイースタンカンファレンス西地区同士の対決にして今週最も注目を集める一戦。どちらにとってもカンファレンスゲームの初戦であることはもちろんのこと、プレーオフ進出を目指す上で負けは許されない試合です。
ミシシッピ大は開幕後2試合で合計149点をたたき出すオフェンスを持しています。対戦相手がどちらも格下だったとはいえ、これは見逃せないことです。その好調オフェンスを率いるのはQBチャド・ケリー(Chad Kelly)です。ちなみに彼はプロフットボールの殿堂入りを果たしているジム・ケリー(Jim Kelly)の甥っ子でもあります。とはいえもちろん強固なアラバマ大ディフェンス相手に70点以上奪えるとは思えません。
昨年はミシシッピ大のホームでアラバマ大を土壇場で破る大金星を挙げ、対アラバマ大戦10連敗を止めた訳ですが、過去ミシシッピ大は全米ランキング2位以上のチームを倒した事がなく、さらにアラバマ大のホームであるタスカルーサにおいては1988年以来勝ち星を挙げていません。
アラバマ大はRBデリック・ヘンリー(Derrick Henry)がオフェンスの要です。QBポジションが未だ確立しないオフェンスにとってヘンリーの活躍はなくてはならない要素となりました。そのQBですが、第1戦目のウィスコンシン大戦で良い活躍を見せたジェイク・クッカー(Jake Coker)でしたが、第2戦のミドルテネシー州立大戦では不調に終わりました。もう1人のQBクーパー・ベイトマン(Cooper Bateman)がその試合では後半から登場しましたが、彼もコーチ陣を満足させるようなプレーは見せることが出来ませんでした。ミシシッピ大はヘンリーを全力で止めにかかるでしょうから、そうなった場合にボールをさばけるQBが必要となるので、クッカー、ベイトマン、どちらがプレーすることになったとしても彼らの活躍が鍵となりそうです。
ジョージア工科大(全米14位)vs ノートルダム大(全米8位)
シーズン初戦で強豪テキサス大を一蹴して素晴らしいスタートを切ったノートルダム大。ファンの期待は自ずと高まっている訳ですが、QBマリク・ザイール(Malik Zaire)を怪我で失い、2戦目のバージニア大戦ではランク外のチームに大苦戦して辛くも勝利を引き寄せたファイティングアイリッシュの前途はまだまだ未知数だらけです。とくにこのバージニア戦ではディフェンスが冴えずそれがバージニアの追随を許したのでした。今では全米でも数チームしか取り入れていないトリプルオプションオフェンスを擁すジョージア工科大に立ち向かうにはより堅実で強固なディフェンスが必須です。
そのジョージア工科大のオフェンスは開幕から2試合で合計134点をたたき出しています。さらにレッドゾーンでのオフェンスは12回中12回得点に結びつけている、まさに百発百中の攻撃力を誇ります。ノートルダム大は今期既に同じくトリプルオプションオフェンスを操る海軍士官学校(ネイビー)と対戦しこれを打ち砕いていますので、それがジョージア工科大戦に活かす事が出来るかもしれません。
アーバン大(全米18位)vs ルイジアナ州立大(全米13位)
プレシーズンランキングで全米6位にランクされたアーバン大は先週格下のジャクソンビル州立大に大苦戦して、勝利したもののランクを8位まで落としてしまいました。仮にルイジアナ州立大(LSU)に破れたとすれば確実にトップ25ランキングから姿を消すことになるでしょう。先発QBジェレミー・ジョンソン(Jeremy Johnson)が現在2試合で既に5つのパスインターセプションを犯す大失態。アーバン大はLSUのホームでは1999年以来黒星続きなのでこの連敗記録を止めたいのなら彼の安定したパフォーマンスが必須です
LSUは初戦が落雷のせいで試合がキャンセルになり、先週の西地区ライバルチームであるミシシッピ州立大がシーズン初戦となりました。QBブランドン・ハリス(Brandon Haris)はこの試合でたったの71ヤードしかパスを通しませんでしたが、そこは足でカバー。もっと重要なのはターンオーバーを犯さなかったことでしょう。タイガース対タイガースのこのマッチアップ。試合の勝敗はどちらのチームがミスをするかしないかにかかって来るかもしれません。
ブリガムヤング大(全米19位)vs UCLA(全米10位)
今季一番のシンデレラボーイ、ブリガムヤング大(BYU)のQBターナー・マンガム(Tanner Mangum)の劇的なヘイルマリーパスでネブラスカ大とボイジー州立大を蹴散らしたクーガーズ。本来のQBタイソム・ヒル(Taysom Hill)を怪我で失い危機一髪となったBYUでしたがマンガムの活躍で全米ランクも19位まで上昇してきました。強豪と競り勝ち力を付けて来たBYUとは反対に、過去2戦とも格下チームとの対戦でこの試合が本当の意味でのテストマッチとなるUCLA。この試合でUCLAが本当に全米10位たるチームなのかどうかが明らかになるでしょう。UCLAを率いるのは若干18歳の若きQBジョシュ・ロー ゼン(Josh Rosen)。鳴り物入りでUCLAやって来たローゼンは初戦のバージニア大戦こそ351パスヤードに3TDと噂通りのプレーを見せてくれましたが、次戦UNLV戦では一転して「年相応」のプレーしか出来ませんでした。ゴールデンボーイの名高い18歳のローゼンに対して、高校卒業して3年間モルモン教の布教活動をチリで行っていた、現在22歳のマンガム。勝利の神様はどちらに微笑むでしょうか。
スタンフォード大 vs サザンカリフォルニア大(全米6位)
他のチームと同じく初戦から格下相手に何の苦もなく白星を重ねて来たサザンカリフォルニア大(USC)ですが、今週は同じカリフォルニア州内のライバル、スタンフォード大と対戦。特にここ数年はスタンフォード大の台頭とUSCの低迷が相まってビッグマッチアップですが、今季のスタンフォード大はランク外に甘んじています。またUSCの先発QBコディー・ケスラー(Cody Kessler)がハイズマントロフィー級の活躍を見せていることもあり、ライバルゲームとはいえUSC有利と見られますが、何が起こるか分からないのがカレッジフットボール。とくにライバル相手には普段とは違ったテンションになるものなのでひょっとしたら・・・と言うこともあるかもしれません。