第11週目の見どころ

第11週目の見どころ

今季のカレッジフットボールもいよいよ11週目を迎え、ファイナルストレッチに差しかかろうとしています。終盤に向け上位チームは負けられない試合が続きますが、今週はプレーオフに向けて大変重要な意味を持つ試合が4つも控えています。

ノートルダム大@マイアミ大

全米3位のノートルダム大と7位のマイアミ大の対戦は1980年代に繰り広げられた両チーム同士の名勝負の再現でもあり、また今年のカレッジフットボールプレーオフ(CFP)の行方を占う上で非常に重要なマッチアップとなります。実際のところ両チームがどちらもトップ10以内にランクされた状態で対戦するのは1990年以来実に27年ぶりということになります。

ノートルダム大は現在3位でプレーオフに出場できるトップ4チームの一角をなしています。またマイアミ大は未だ無敗でこの試合に勝利することで一気にプレーオフレースで自らの存在感を大きくアピールできるチャンスを得ることができます。どちらのチームも負けた方がプレーオフ進出を逃すことになるでしょうが、ランクが上であるノートルダム大の方がより大きなプレッシャーを背負っているように思えます。

マイアミ大はこれまで無敗ながら多くの試合でギリギリの勝利で切り抜けてきました。しかし先週のバージニア工科大戦ではようやく強敵相手に見るものを納得させてくれるだけの強さで勝利を手に入れることができました。その強さを今週末ノートルダム大相手に再び再現できるかどうかが鍵です。

ノートルダム大の強みはRBジョシュ・アダムス(Josh Adams)とQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)の二人が織りなす強力なグラウンドアタックです。彼らをマイアミ大ディフェンスが止めることができなければ、マイアミ大にとっては長く厳しい夜となりそうです。


ジョージア大@アーバン大

マイアミ大とノートルダム大の試合に引けを取らず注目されるのが全米1位のジョージア大と10位のアーバン大の試合、別名「深南部の最古のライバリー」です。これまでジョージア大は全勝街道まっしぐらでCFPランキングが発表されてから遂にアラバマ大を抜き去って現在のところカレッジフットボール界の頂点に立っています。またアーバン大は既に2敗していますが、チームの勢いはジョージア大に負けじと劣らず。

ジョージア大ディフェンスは全米トップレベルの力を誇っていますが、今週はQBジャレット・スティッドハム(Jarrett Stidham)率いるダイナミックなアーバン大オフェンスが相手。しかもいつ何時でもアウェーチームとしてはやりづらいジョーダンヘアスタジアムが戦場となり、ジョージア大の攻守の真の力が試されることになりそうです。

ジョージア大のオフェンスは全米でも屈指のRBデュオ、ニック・チャブ(Nick Chubb)とソニー・ミシェル(Sony Michel)のベテラン勢が引っ張ります。この試合でのキーパーソンはジョージア大QBジェイク・フローム(Jake Fromm)でしょう。1年生ながらシーズン途中に元々の先発であるジェコブ・イーソン(Jacob Eason)からその座を奪いこれまでその大役をこなしてきたフローム。しかしアーバン大というジョージア大よりもさらに強力と評価されるディフェスを相手に、しかも敵地でどこまでミスを犯さずに自分のプレーを披露することができるかが試合を左右すると思われます。

もう失うものは何もないアーバン大とここ数年味わっていない全米のスポットライトを浴び続けているジョージア大。勝利の女神がどちらに微笑んでも決して驚きはしない試合となりそうです。

テキサスクリスチャン大@オクラホマ大

全米5位のオクラホマ大と6位のテキサスクリスチャン大とのBig 12カンファレンスの大一番も見逃せません。この試合も先週のオクラホマ大対オクラホマ州立大との一戦のような大量得点ゲームになる可能性をひめています。なんといってもオクラホマ大は今季1試合平均608オフェンスヤードに45点という目を疑いたくなるような数字を残していますし、テキサスクリスチャン大もそこまでの仰天な数字とはいかなくてもそれなりのポイントをスコアボードに叩き出せるチームです。

ただオクラホマ大が先週戦ったオクラホマ州立大と違うのはテキサスクリスチャン大のディフェンスはオクラホマ州立大のそれとは格段に上をいくものだということです。

オクラホマ大の顔といえばQBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)です。現在ハイズマントロフィーレースで上位を走る彼は今季これまですでに3226パスヤードに28TD、さらにINTパスはたったの5つとオクラホマ大にとってなくてはならない存在となっています。そしてこの試合はオクラホマ大のホームゲームとなっており、オクラホマ大に有利な状況になっているように思えます。

ただテキサスクリスチャン大ディフェンスはオクラホマ州立大と違いそう簡単にメイフィールドにやられるユニットではありません。1試合の失ヤード数ではカンファレンスで1位、全米でも6位という強固なディフェンスを誇るテキサスクリスチャン大に対してメイフィールドがオクラホマ州立大戦でのような大量得点を奪えるとは思えません。

といってもメイフィールドはどうにかして得点を奪ってくるでしょうから、問題はテキサスクリスチャン大が相手に食らいついて得点を重ねられるかによると思います。QBケニー・ヒル(Kenny Hill)のプレーに期待がかかります。

アラバマ大@ミシシッピ州立大

現在2位のアラバマ大がこのまま連勝してSECタイトル戦で現在1位のジョージア大と対戦するというシナリオが早くも出来上がっている感がありますが、今週対決するミシシッピ州立大にもカンファレンス西地区を制する可能性は残されています。それにはアラバマ大を倒すことが大前提であり、それは決して簡単なことではありませんし、アラバマ大を仮に倒したとしてもアーバン大がジョージア大に勝たなければいけないという条件もついています。ただ言えることはミシシッピ州立大にはまだ戦い続けるための理由があるということです。

アラバマ大は先週のルイジアナ州立大で数人の怪我人を出し、スターDBミンカー・フィッツパトリック(Minkah Fitzpatrick)の状況は特に気になりますが、それでも下馬評での彼ら有利に変わりはありません。彼らのオフェンスの軸であるランゲームを支えるRBダミアン・ハリス(Damien Harris)、ボ・スカーボロー(Bo Scarbrough)、さらにはQBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)らはしっかりと健在。

そのオフェンスに対抗していくミシシッピ州立大守備陣は今シーズン1試合平均18失点となかなかの数字を残しています。また攻撃陣ではQBニック・フィッツジェラルド(Nick Fitzgerald)が非凡なパフォーマンスを見せてきていますので、いい試合になるのではないでしょう。ただやはりアラバマ大有利は変わらないかも。

ミシガン州立大@オハイオ州立大

今季Big Ten東地区はペンシルバニア州立大オハイオ州立大ミシガン大の三つ巴になるものだと誰もが思っていましたが、11週目の時点でこの地区の首位に立っているのはなんと昨年負け越したミシガン州立大です。すでに彼らはミシガン大、ペンシルバニア州立大を倒しており、今週末のオハイオ州立大戦でも白星を挙げることができれば彼らがこの地区を制してタイトルゲームに出場することになります

ただ普通に考えればタレントの質で上のオハイオ州立大が彼らのホームでミシガン州立大にやられるとは考えづらいですが、先週のようにアウェーとはいえアイオワ大に大敗するような脆弱さを露呈してしまったことをすれば、ミシガン州立大が金星を2週連続奪う可能性も大いにあると思います。

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