今シーズンはすでに第4週目を迎えてレギュラーシーズンは4分の1の工程を消化したことになります。今週から各地で本格的にカンファレンス戦が始まり、今までよりもまして負けられない試合が多くなっていきます。先週は多くの番狂わせが起きましたが、今週は何チームのランカーたちが生き残ることが出来るでしょうか?
テキサスA&M大(22位)@ アラバマ大(1位)
アラバマ大は今季予想通りの強さでここまで無傷の3連勝。開幕前は昨年までの先発ジェイレン・ハーツ(Jalen Hurts)とタイトルゲームでの立役者トゥア・タガヴァイロア(Tua Tagavailoa)とのQBバトルが注目されましたが、タガヴァイロアが確固たるスターターの地位を固めたことで雑音も消え、いよいよ突入するカンファレンス戦にむけて準備は盤石といえます。
そのカンファレンス戦初戦のミシシッピ大戦では前半の時点で49対7と相手を圧倒して完膚なきまでにレベルズをなぎ倒し、余裕のカンファレンス戦1勝目を手に入れました。そして次なる相手はテキサスA&M大です。
テキサスA&M大は今季から元フロリダ州立大HCジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督に率いられていますが、2戦目にクレムソン大戦で惜敗するもその力が評価されて最新ランキングで22位につけてきました。チームのオフェンスはクレムソン大戦で430ヤードもパスを投げたQBケレン・モンド(Kellen Mond)が軸となります。ただ今週末対戦するアラバマ大は生半可なチームではありません。しかもアラバマ大のホームゲーム。こんなに不利な状況はありませんが、もしテキサスA&M大ディフェンスがアラバマ大オフェオンスをスローダウンできれば、ひょっとしたらひょっとする・・・かも。
ちなみにフィッシャー監督はかつてルイジアナ州立大でニック・セイバン(Nick Saban)監督の下でOCを務めたことがあり、今回のゲームは監督同士の師弟対決でもあります。そしてもしフィッシャー監督が勝つことが出来れば、彼がセイバン監督の弟子として初めて師匠を倒す人物となります。はたして下克上は成るのでしょうか?
スタンフォード大(7位)@ オレゴン大(20位)
スタンフォード大、オレゴン大それぞれPac-12カンファレンス所属の無敗チームですが、スタンフォード大はこれまで3試合での総得点は78点であるのに対し、オレゴン大は155点と約2倍の差となっています。今のところこのオレゴン大の数字は全米で9位となるものですが、スタンフォード大のディフェンスは平均失点数がこれまで7.7点と全米1位の数字を残しています。つまりこの試合でオレゴン大のオフェンス力が本物なのか、もしくはスタンフォード大のディフェンス力のほうが本物なのかが明らかになるのです。
スタンフォード大はエースRBブライス・ラブ(Bryce Love)が先週怪我で欠場しましたが、この大一番にはどうやら出場できそうです。彼らにはラブ以外にビッグプレーを生み出せるような選手が見当たりませんから、彼の活躍はオレゴン大を倒すには必要不可欠です。
またオレゴン大は全米でも屈指のQBといわれるジャスティン・ハバート(Justin Herbert)が注目の選手。彼らオレゴン大のダイナミックなオフェンスが堅実なスタンフォード大ディフェンスからどれだけのスコアをあげられるかが見ものです。
ワシントン大が1敗している以上、この試合の勝者がPac-12カンファレンスタイトルレースで優位に立つことになるでしょう。
ジョージア大(2位)@ ミズーリ大
ミズーリ大のQBドリュー・ロック(Drew Lock)は今季3本の指に入るほどの逸材。ジョージア大はこれまで無難に3連勝を飾ってきましたが、ロックの操るオフェンスにどれだけ対処できるか注目です。ミズーリ大OL陣がロックを守ってあげられれば、ミズーリ大にもチャンスが訪れるかも。
ノートルダム大(8位)@ ウェイクフォレスト大
これまで3戦無敗のノートルダム大ですが、開幕戦のミシガン大で見せた勝ち試合以外はなんとか勝ち星を拾ったという試合展開ばかり。今週末は今季初のアウェーゲームということで、相手がウェイクフォレスト大といっても油断はできません。
ネブラスカ大 @ ミシガン大(19位)
今季から母校の英雄であるスコット・フロスト(Scott Frost)監督に率いられるネブラスカ大ですが、これまで2連敗といいところがありません。対戦相手のミシガン大はノートルダム大に初戦で敗れたものの、その後は格下チーム相手に2連勝して微調整と自信を取り戻すにはいい機会となりました。ミシシッピ大からの転校生、シェイ・パターソン(Shea Patterson)と彼のターゲットとなるレシーバー陣との連携が深まっていれば今季のカンファレンス戦初勝利は目前でしょう。
トゥレーン大 @ オハイオ州立大(4位)
いよいよ3試合謹慎が解除されサイドラインに戻ってくるオハイオ州立大のアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督。しかし守備の要であるニック・ボーサ(Nick Bosa)が手術を受け戦線離脱を余儀なくされており、ファンにとってはマイヤー監督の復帰を手放しで喜べない状況に陥っています。
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テキサスクリスチャン大(17位)@ テキサス大
テキサス州内チーム同士の名勝負。テキサスクリスチャン大は先週オハイオ州立大に敗れてしまいましたが、一方のテキサス大はサザンカリフォルニア大(先週22位)に快勝してチーム内の雰囲気は上昇中。もしテキサスクリスチャン大に勝てば2週連続ランカーから白星を奪うことになり、そうなればテキサス大のランキング入りも見えてきます。
ミシシッピ州立大(14位)@ ケンタッキー大
新監督ジョー・モアヘッド(Joe Moorhead)氏の指導の下、ミシシッピ州立大はここまで無敗街道を突き進んでいます。一方のケンタッキー大も2戦目でフロリダ大から31年ぶりの勝利をもぎ取ったことで殻を打ち破りつつあります。ミシシッピ大州立のオフェンスを止めるのは容易ではありませんが、ケンタッキー大のホームゲームというのは大きな追い風となるでしょう。
テキサス工科大 @ オクラホマ州立大(15)
先週17位(当時)のボイジー州立大を倒したオクラホマ州立大と、ヒューストン大とのシュートアウトを制したテキサス工科大の好カード。ハイスコアゲームが期待できそうです。
ウィスコンシン大(18位)@ アイオワ大
先週末ブリガムヤング大にまさかの敗戦を喫し、順位を大きく落としたウィスコンシン大。Big Ten西地区では敵なしだと思われていましたが、これで同地区所属のアイオワ大は俄然注目を浴びてきました。もしウィスコンシン大が負ければおそらくランキングも圏外へ落っこちてしまうでしょう。アイオワ大にとっては西地区レースで他に差をつけるため是非とも勝ち星を拾っておきたいところです。
アリゾナ州立大 @ ワシントン大(10位)
新コーチ、ハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督はアリゾナ州立大を1年目から戦える集団に変えてきました。が、先週はせっかくランクインしたにも関わらずサンディエゴ州立大に競り負け再びランク外へ転げ落ちてしまいました。一方のワシントン大は初戦のアーバン大戦で敗戦して以来リグループして得意のディフェンスを軸に10位まで順位を戻してきました。もしアリゾナ州立大が番狂わせを起こしたいならば、彼らの完璧なパフォーマンスが要求されます。
ノーザンイリノイ大 @ フロリダ州立大
先週シラキュース大に完敗して1勝2敗と苦戦中のフロリダ州立大。ノーザンイリノイ大にホームで敗れるということはあまり考えられませんが、もしそうなったとしたらウィリー・タガート(Willie Taggart)監督への批判の声は高まりそうです。
カンザス大 @ ベイラー大
これまで2勝1敗と奇跡的に勝ち越しているカンザス大。もしベイラー大にアウェーで勝つことが出来ればカンザス大にとっては2008年以来のBig 12カンファレンス戦のアウェーゲーム勝利ということになります。もしそれが現実となれば首の皮一枚でつながっているデヴィッド・ベティ(David Beaty)監督の就任4年目でようやく再建の結果が出始めているということになりそうですが、果たしてどうなるでしょうか。
フロリダ大 @ テネシー大
フロリダ大はダン・マレン(Dan Mullen)監督、テネシー大はジェレミー・プルイット(Jeremy Pruitt)監督という1年目の監督同士の対決。かつてはこの時期に両校がトップ5位以内にランキングされていた、なんて時代もありましたが、その時代を知る筆者にとってはこの2チームの復活がまちどうしくて仕方ありません。SEC東地区で考えればどちらのチームもジョージア大に戦いを挑めるようなチームにはまだなっていませんが、勝ったほうが勢いに乗っていくこともあるかもしれません。