トゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)
アラバマ大2年生QB
シーズン終盤は自身の怪我に苦しむ場面も見られますが、今のところまだタガヴァイロアがハイズマントロフィーレースで首位に立っていると見ます。もっとも対抗馬との差は縮まってきているとも思いますが。
先週末の格下・シタデル戦では膝などに故障を抱えながらも先発出場。前半こそ1TDしか奪えませんでしたが、後半にエンジンを掛けなおして2つのパスTDと1つのランTDを獲得。今週末の宿敵アーバン大戦、そしてSEC優勝決定戦でのジョージア大戦でいい数字を残せれば、彼のトロフィー獲得は間違いないでしょう。
【シタデル戦】
パスヤード:340ヤード
成功率:81.8%
TD:4(パス3、ラン1)
INT:0
【シーズントータル】
パスヤード:2865ヤード
成功率:69.2%
TD:35(パス31、ラン4)
INT:2
カイラー・マレー(Kyler Murray)
オクラホマ大QB
シーズン通して大きな浮き沈みもなく、コンスタントに数字を残し続けているのがオクラホマ大のマレーです。チームのディフェンスが不調で大量失点を犯す中、それでもチームが10勝1敗でいられるのはひとえにマレーが率いるオフェンスが対戦相手を凌駕しているからです。チームでの個人的な貢献度で言ったらマレーは全米でも最上級です。
先週のカンザス大戦でも投げては279ヤード、走っても99ヤード、トータルで5TDに絡む大活躍。これでマレーはパスヤードで全米8位、TD数で全米4位、1プレーの平均ヤードで全米2位、そしてパス成功率でも全米2位と彼が今季のトップQBのうちの一人であることは間違いありません。これまでアラバマ大のタガヴァイロアの独走態勢が続いていましたが、マレーのパフォーマンスもハイズマントロフィー獲得に値するものといっていいでしょう。
【カンザス大戦】
パスヤード:272ヤード(ラン99ヤード)
成功率:65.6%
TD:5(パス2、ラン3)
INT:1
【シーズントータル】
パスヤード:3310ヤード
成功率:70.3%
TD:44(パス34、ラン10)
INT:6
ガードナー・ミンシュー(Gardner Minshew)
ワシントン州立大4年生QB
今シーズンそのアイコニックな口ひげで良いキャラクターを演じているミンシューですが、QBとしても腕は一流。マイク・リーチ(Mike Leach)監督の超パス重視オフェンスというシステムのおかげだという声も聞かれますが、システムがあってもそれを体現できる選手がいなければならないわけで、それを着実に敢行しているミンシューの実力は評価されるべきです。
先週のアリゾナ大戦では55回中43回のパスを成功させて473ヤードに脅威の7TDを記録。これでパスヤードで全米1位、獲得パスTD数でも1位タイ(オハイオ州立大のドゥウェイン・ハスキンズとヒューストン大のデリック・キング)という数字を残しています。このままワシントン州立大がPac-12カンファレンスを制することが出来れば、ミンシューはトロフィーを獲得できなかったとしても授賞式に招待されることは確実でしょう。
【アリゾナ大戦】
パスヤード:473ヤード
成功率:78.2%
TD:7
INT:0
【シーズントータル】
パスヤード:4325ヤード
成功率:70.4%
TD:39(パス36、ラン3)
INT:7
ドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)
オハイオ州立大2年生QB
開幕当初からトロフィー候補に挙げられていたオハイオ州立大のハスキンズですが、シーズン中盤にチームがパデュー大に大敗し、さらにネブラスカ大にも苦しめられるという展開を見せてトロフィーレースから姿を消していましたが、そんな中でもチームが1敗を守ってプレーオフ進出への望みをつなぎ続ける中、ハスキンズのパフォーマンスに再びスポットライトが当たっています。
先週オハイオ州立大はメリーランド大相手にまさかの大苦戦を喫し、オーバータイムでメリーランド大の2ポイントコンバージョンが失敗したためにオハイオ州立大が辛くも大逆転で勝利をモノにしました。この試合ではオハイオ州立大が終始リードを奪われる展開でしたが、それでも逆転できたのはまさにハスキンズのおかげ。この日405ヤードのパスに59ヤードのランでトータル6つのTDを叩き出したハスキンズが再びトロフィーレースに復帰です。今後彼は今週末のミシガン大、そして勝てばノースウェスタン大とのタイトルゲームと最大2試合投票者にアピールできるチャンスが残っています。
【メリーランド大戦】
パスヤード:405ヤード
成功率:73.7%
TD:6(パス3、ラン3)
INT:1
【シーズントータル】
パスヤード:3685ヤード
成功率:69.3%
TD:40(パス36、ラン4)
INT:7
ウィル・グリアー(Will Grier)
ウエストバージニア大4年生QB
元フロリダ大の転校生、ウエストバージニア大QBグリアー。フロリダ大では1年生時に6連勝を飾る華々しいデビューを飾りましたが、シーズン中に禁止薬物を摂取していたことが発覚し、即座に1年間の試合出場禁止処分に処されました。結局フロリダ大を去り、ウエストバージニア大に転校したのですが、転校した初年度はNCAAのルールのために出場資格が与えられず、同大学でデビューしたのは昨年でした。そして今年は開幕時からトロフィー候補に数えられており、まさにセカンドチャンスをものにして自らの過ちを乗り越えてきた人物です。
先週はオクラホマ州立大とのノーガードのオフェンス戦を繰り広げ、自身は364ヤードに2TD、足でも1TD稼ぐなどハイズマン級の数字を残しましたが、チームはまさかの敗退。これで2敗目となり夢のプレーオフ進出の可能性は無くなってしまったと言えます。おそらくそのこともグリアーのトロフィー獲りに大きく響くことでしょう。それでも今週末オクラホマ大に勝てばBig 12カンファレンス優勝決定戦に出場できます。これらの試合で活躍できれば、授賞式の行われるニューヨークに足を踏み入れることもできるでしょう。
【オクラホマ州立大戦】
パスヤード:364ヤード
成功率:56.3%
TD:3(パス2、ラン1)
INT:0
【シーズントータル】
パスヤード:3325ヤード
成功率:67.2%
TD:35(パス33、ラン2)
INT:8