今シーズンもいよいよ第9週目に突入。先週末はその前の週に引き続き全米2位チームが陥落し、その影響を受けて今週の最新ランキングにも変化が見られています。毎週末がサバイバルの様相が濃くなっていく今後のカレッジフットボール界。それでは早速第9週目に発表された全米ランキングを見ていきましょう。
今週1位はご存知の通り昨年の王者・アラバマ大。先週もライバル・テネシー大をアウェーで意図も簡単に料理し8勝目を上げて全米の頂きに鎮座し続けています。
そして先週2位のオハイオ州立大がパデュー大にまさかの敗戦を喫したため、2位以下のチームがそのまま全て順位を一つずつ上げてきています。興味深いのは先週10位だったセントラルフロリダ大が順位据え置きだったのに対し、11位のフロリダ大が彼らを飛び越えて9位にランクアップしたことです。セントラルフロリダ大は徐々に順位を上げてきましたが、現在FBS(フットボールボウルサブディビジョン)で5チームしかいない全勝チームでありながらここ3週間ずっと10位で足踏みしています。彼らはFBSの中でも格下カンファレンスの「グループオブ5」出身チームとして最高位にランクされていますが、それ故「君たちに挙げられる最高ランクは10位までだよ」と囁かれているかのように一桁ランクの仲間に入れてもらえていません。単に実力的にそう投票者から認識されているだけなのか、はたまた「グループオブ5」出身チームゆえの性なのか・・・。ただ彼らに出来ることは残りの試合も勝ち続けて上位チームたちが落っこちてくるのを待つばかりです。
パデュー大に負けたオハイオ州立大は2位から11位へ転落。このパデュー大戦ではオハイオ州立大が抱えていた不安要素が一気に露呈され、それをうまく引き出したパデュー大に完敗しました。QBドゥウェイン・ハスキンズ(Dwayne Haskins)はスクールレコードとなる470ヤードを投げましたが、一方で執拗に襲いかかるブリッツなどプレッシャー下に弱い面も露わにしました。そして最大の弱みであったパスディフェンスがパデュー大オフェンスによって解剖され、378ヤードもパスを許しました。おまけにスピーディーなパデュー大のランアタックにも翻弄され161ヤードを稼がれあらゆる面での不安材料が一気に世に知れ渡ってしまったのです。その結果が11位まで大きくランキングを下げた理由なのでしょう。
12位以下のチームには大きな変動は見られず、勝ったチームは順当に順位を1〜2ずつ上げましたが、オレゴン大から大勝利を上げた先週25位のワシントン州立大が一気にランキングを11つも上げ現在14位に。そのオレゴン大は19位にランクを下げ、またクレムソン大に完敗して今季初黒星を喫したノースカロライナ州立大は16位から22位に後退。
そして今回新たにランクインしてきたのは23位のユタ大、24位のスタンフォード大、25位のアパラチアン州立大です。第5週目には全米7位にランクされながらもそこから2敗してランク外へ消えていたスタンフォード大は今回返り咲き。そしてアパラチアン州立大は創部以来初めてのFBSトップ25位入りを果たしました。
一方今回ランク外へ転げ落ちたのは20位のシンシナティ大、22位のミシシッピ州立大、24位のミシガン州立大の3チームでした。
上記のようにオハイオ州立大に完勝したパデュー大がランクインしてくるかと思われましたが、得票数では実質33位ということで残念ながら今回はお預け。さらにランク外チームを覗いてみると、7週目にマイアミ大を倒し先週末もデューク大を下したバージニア大に25票入っています。ここ何年もACCで弱小チームとされてきたバージニア大でしたが、ブロンコ・メンデンホール(Bronco Mendenhall)監督就任3期目の今年、いよいよ結果が出始めています。
また一時は2014年度を最後にフットボール部が廃部になるも2017年から復活して一からやり直しを始めたアラバマ大バーミンガム校(UAB)は昨年の8勝5敗の勝ち越しシーズンに続いて今季も快調。現在6勝1敗ですでにボウルゲーム出場資格を確保。所属するカンファレンスUSAでも首位を走り、全米ランキングでは1票獲得しています。2015年度と2016年度に試合出場がなかったチームとしてはこの成績は奇跡的といっても過言ではありません。ひとえにそんなチームにとどまり指導を続けてきたビル・クラーク(Bill Clark)監督の手腕以外に他ありません。
カレッジフットボールファンの次なる楽しみはすでに11月3日のアラバマ大対ルイジアナ州立大の天下分け目の大一番に目がいっていると思いますが、その前の週となる今週末も興味をそそるマッチアップが数試合あります。バマとLSUとの対戦の楽しみは一旦取っておいて、まずは今週末の他の試合を楽しむこととしましょう。