今年のカレッジフットボールは3週を終え段々と全体の勢力図が見えてきました。まだまだシーズンは先が長いとはいえプレーオフ争いに関われる「コンテンダー」とそうでない「プリテンダー」の違いが浮き彫りになってきたような気がします。それは最新の全米ランキングにも反映され始めてきました。それではその第4週目の順位を見て見ましょう。
トップ5の顔ぶれは変わりませんが、順位に多少の変化が見られます。1位には相変わらずアラバマ大が58人からのトップ票を獲得して余裕の首位をキープ。そして2位と3位はジョージア大とクレムソン大が順位を入れ替えてきました。その差はたったの11ポイントですからこの両校の実力は肉薄しているというのが相場なのでしょう。といっても3位に順位を下げたクレムソン大には3票のトップ票が入っていますが。
4位と5位は先週と同じくオハイオ州立大とオクラホマ大が。オハイオ州立大はアーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督が謹慎で不在だった3週間を全勝で守りきりました。オクラホマ大はQBカイラー・マレー(Kyler Murray )のハイズマン級の働きもあり、敵に近づかせる隙を与えません。
以上の5チームが現時点でプレーオフ争いの「コンテンダー」だと言えるでしょう。先週アーバン大(今週9位)に勝って6位にまで順位を上げてきたルイジアナ州立大は実力だけ見れば素晴らしい強さを見せているとは思いますが、今後の彼らの厳しいスケジュールを考えると順位を落とさず生き残れるかどうかまだわかりません。
同じことが7位以下のスタンフォード大、ノートルダム大、アーバン大、ワシントン大、ペンシルバニア州立大にも言えます。特にアーバン大とワシントン大はすでに1敗を喫しているため、もう一度土がつくとプレーオフへの望みはほぼなくなってしまいます。
10位以下ではジリジリと順位を上げてきているウエストバージニア大(12位)、ミシシッピ州立大(14位)、オクラホマ州立大(15位)らが気になるところ。Big 12カンファレンスはオクラホマ大の一辺倒にも見えますが、ウエストバージニア大とオクラホマ州立大がその状況に待ったをかけることができるでしょうか。また今年多くの新監督が苦戦し続けている中、ジョー・モアヘッド(Joe Moorhead)監督指揮下のミシシッピ州立大は快進撃を続けています。
一方先週6位だったウィスコンシン大はブリガムヤング大にホームでまさかの敗退を喫し18位へ転落。またオハイオ州立大と対決して敗れたテキサスクリスチャン大は15位から17位へと順位を落としました。
そして今週新たに圏外からランクインしてきたのはテキサスA&M大(22位)、ボストンカレッジ(23位)、ブリガムヤング大です。テキサスA&M大は2戦目でクレムソン大に惜敗するも先週はルイジアナ大モンロー校相手に48対10で圧勝。またボストンカレッジは10年ぶりとなる開幕3連勝を飾って久しぶりにランクイン。そしてブリガムヤング大は前述のようにアウェーでウィスコンシン大を倒す大金星を得て全米25位につけてきました。
最後に先週からランク外へ脱落したのは17位でオクラホマ州立大に敗れたボイジー州立大、テキサス大に圧倒された22位のサザンカリフォルニア大、そしてせっかくランクインしたにも関わらずサンディエゴ州立大に土をつけられ再び圏外へ転落したアリゾナ州立大(23位)です。
ところで先週はウィスコンシン大をはじめとし、ネブラスカ大、メリーランド大、ラトガース大、パデュー大、ノースウエスタン大とことごとく敗戦したBig Tenカンファレンス所属チーム、そしてアリゾナ州立大、サザンカリフォルニア大、UCLA、オレゴン州立大らPac-12カンファレンス所属チームも黒星を喫するなど両カンファレンスにとっては非常に厳しい週末となりました。
その一方で目立つはサウスイースタンカンファレンス(SEC)チームの台頭ぶりです。トップ10には4チーム(アラバマ大、ジョージア大、ルイジアナ州立大、アーバン大)、さらにトップ25全体では7チーム(ミシシッピ州立大、テキサスA&M大)と同じカンファレンスから輩出しているチーム数では最多を誇っています。ここ数年はアラバマ大だけが元気であとのSECチームは大きく遅れを取り、「SEC最強時代は終わった」とささやかれてきましたが、ジョージア大の復活、更にはミシシッピ州立大やテキサスA&M大ら新コーチを迎えたチームが軒並み調子を上げてきており、再びSECが世間を席巻する状況になっています。特に1位と2位がSECチームで独占され、さらにこの2チームが昨年のナショナルタイトルを争った2チームともなればなおさらです。