昨年新たに創設されたこのマイアミビーチボウル。記念すべき第1回目のマッチアップはメンフィス大対ブリガムヤング大でした。試合は非常に白熱し、ダブルオーバータイムの末メンフィス大がブリガムヤング大を制し栄誉ある初代チャンピオンに輝いたのですが、残念ながらこの試合は試合そのものよりもそのあとに起きた乱闘の方が印象に残ってしまった後味の悪いゲームとなってしまったのです。
見る側からすれば乱闘騒ぎも話題的にはアリですが、やっぱりほめられたものではありません。今年は素直に試合を楽しめるボウルゲームになって欲しいものです。ちなみにこのマイアミビーチボウルはMLBのイチロー選手が所属する(2015年現在)マイアミマーリンズの本拠地で行われます。つまり野球場でアメフトの試合が行われる訳です。他にもピンストライプボウルはニューヨークのヤンキースタジアムで行われる変わったボウルゲームです。
サウスフロリダ大ブルズ(8勝4敗、6勝2敗 AAC)
スタンフォード大オフェンシブコーディネーター、ウエスタンケンタッキー大ヘッドコーチと歴任し2013年にサウスフロリダ大の再建を託されたウィリー・タガート(Willie Taggart)でしたが就任から2シーズンは大変厳しいシーズンを送らされました。しかしどうにか今シーズンは2010年以来の勝ち越しに成功。シーズン開幕後こそ1勝3敗と危ぶまれましたが、そこから息を吹き返し11月の試合は4連勝。全米ランク22位(当時)のテンプル大からも大金星を奪うなどしてボウルゲーム出場権を獲得しました。
サウスフロリダ大の注目選手はハイブリッドQBのクイントン・フラワーズ(Quinton Flowers)です。投げては21TDを含む2083パスヤード、走っては10TDを含む883ランヤードとマルチなタレントを持つ選手です。特に11月の4連勝中は11TDにたったの2インターセプションと驚異的な安定感を誇示してきました。このフラワーズに輪をかける様に今季1273ラッシュヤードを記録したRBマーロン・マック(Marlon Mack)が地上アタックに色を添えます。このボウルゲームで100ヤード以上稼ぐことが出来ればマックがチームのシングルシーズンラッシュヤード記録を塗り替えることになります。
またディフェンス陣もシーズンを送るごとに成長し、11月だけならば平均失点が17.5と好調振りを発揮しました。
タガート監督にとって古巣チームとの対戦となるこのマイアミビーチボウル。彼らのキャンパスがあるタンパからマイアミは目と鼻の先。ほぼホームゲームのような環境で2015年シーズンを勝ち星で終えることが出来るでしょうか。
最後に出場したボウルゲーム:
2010年 マイネケカーケアボウル(サウスフロリダ大31、クレムソン大26)
歴代ボウルゲーム戦績:
4勝2敗
ウエスタンケンタッキー大ヒルトッパーズ(11勝2敗、8-0 C-USA)
今季のウエスタンケンタッキー大(WKU)は絶大なオフェンス力をバックに快進撃を続けてきました。チームの1試合平均得点は44.2と大量得点を重ねて勝ち星を重ね、二桁勝利(11勝)を挙げるばかりでなく、カンファレンスでは敵なしの8勝無敗と素晴らしいレギュラーシーズンを送ることが出来ました。彼らが犯した2敗はBig Tenのインディアナ大戦とSECのルイジアナ州立大戦といわゆる「パワー5」チームでしたが、開幕戦では同じくSECのバンダビル大に勝利し、WKUが上位カンファレンスのチームともやり合えることを示しています。
このハイパワーオフェンスを制するのは容易な事ではありません。特に彼らのQBブランドン・ダウティー(Brandon Dougherty)は全米トップレベルの選手。トータルパスヤードは4184ヤード、72.5%のパス成功率、そしてTD数が42に対しパスインターセプションがたったの6つと大変な数字を残しました。またダウティーの頼れるWRテイワン・テイラー(Taywan Taylor)も1198レシーブヤードに15TDとダウティーと比べても遜色ない記録です。さらに2人のRBアンソニー・ウェールズ(Anthony Wales)とディアンドレ・ファービィ(D’Andre Ferby)は合わせて1480ヤードと地上戦でも威力を発揮。非常にバランスの取れたオフェンスを擁します。
このハイパワーオフェンスに競り勝つには多少の失点覚悟の上、点の取り合いで勝敗を決するしか他に道はありません。
最後に出場したボウルゲーム:
2014年 バハマボウル(ウエスタンケンタッキー大49、セントラルミシガン大48 )
歴代ボウルゲーム戦績:
1勝1敗