第10週目の見どころ

今週火曜日に今季初となるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)ランキングが発表されましたが、今週末にはこのランキングで10位以内にランクされたチーム同士の試合が2つも組まれています。他にもそれぞれのチームが所属するカンファレンスタイトルレース、並びにCFPレースで生き残るためのサバイバルゲームが続々行われ、負ければそのレースから脱落という非常にシビアな状況になってきました。そんな第10週目の主な試合を簡単に見ていきたいと思います。

アラバマ大(1位)@ ルイジアナ州立大(3位)

CFPランキングの1位と3位チームの戦いとなるこの試合。今季ここまで行われてきた試合の中でも注目度抜群のマッチアップです。

ディフェンディングチャンピオンのアラバマ大はここまで無難に8勝無敗。全米トップとなる平均得点(54点)と相変わらずの鉄壁なディフェンスをして今のところ敵なしと言われるチーム。これに対抗するのがSEC西地区内のライバル・ルイジアナ州立大。彼らはフロリダ大に敗れはしたものの、対戦当時全米2位だったジョージア大に土をつけるなどしてランキングを3位まで上げてきました。

従来のアラバマ大と言えば鉄壁のディフェンスで相手に仕事をさせず、オフェンスではランオフェンスを重点においたボールコントロール系の攻撃で幾つもの試合をモノしてきたチーム。故に強豪チームと対戦するときはロースコアになる傾向があるのですが、今年のアラバマ大はピュアパサーである2年生QBトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を擁して爆発的なパスアタックを繰り返してきました。結果パスヤードで全米5位(1試合平均347.4ヤード)という未だかつて見たことのない筋を叩き出しているのです。ハイズマントロフィーレースにおいて最有力選手とみられるタガヴァイロアをしてアラバマ大はほぼ無敵のチームとなったのでした。

一方のルイジアナ州立大は派手さはなくともこれまでのLSU出身QBとは違って多少球をさばける、オハイオ州立大からの転校生ジョー・バロウ(Joe Burrow)、RBニック・ブロセット(Nick Brossett)を擁するオフェンス、そしてチームの軸となる強力ディフェンスで構成されるチーム。LBデヴィン・ホワイト(Devin White)、DBグリーディ・ウィリアムス(Greedy Williams)といったオールアメリカン級の選手が揃っています。しかし彼らは2週間前のミシシッピ州立大戦でホワイトがターゲッティングの反則を食らってしまい、その影響で彼はこのアラバマ大戦の前半に出場できないという大きな不利を抱えています。アラバマ大が前半から得点を重ねて点差を広げられると手を付けられなくなりますから、ホワイトの前半の不在はルイジアナ州立大にとって大きな痛手と言わざるを得ません。

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この試合はルイジアナ州立大のホーム、さらにナイトゲームということで盛り上がること必死ですが、一方でホームゲームであるにも関わらずラスベガスのオッズによるとルイジアナ州立大は約40年ぶりというアンダードッグという評価を受けています。これまでのアラバマ大の試合を見ればうなずける話ですが、アラバマ大がルイジアナ州立大ほどのディフェンス力を持ったチームと戦って来ていないことも事実。ルイジアナ州立大のディフェンスがどれだけ踏ん張れるかによって勝負は決まるでしょう。

筆者的にはもしルイジアナ州立大に勝機があるとすればターンオーバーを引き出すことが出来るかにかかっていると考えます。タガヴァイロアはここまでなんとまだINTパスを一度も放っていません。さすがハイズマントロフィーレースでフロントランナーに挙げられるだけのことはありますが、もしルイジアナ州立大のフロントセブンがアラバマ大のOL陣を押し込みタガヴァイロアにプレッシャーを掛けポケット内での冷静さを妨げることが出来たら・・・ひょっとしたらタガヴァイロアのミスを誘うことが出来るかもしれません。が、ニック・セイバン(Nick Saban)監督が率いるアラバマ大が自滅するということはこれまで滅多に見られていません。それが彼らの強さの秘密でもあるのでしょう。

タイガースタジアムのナイトゲームはそれはアウェーチームにはやり辛い環境です。私も実は昔ルイジアナ州立大でのナイトゲームに居合わせたことがありますが(しかもその対戦相手はアラバマ大でした)、スタジアム内の歓声の大きさといったら他に類を見ないほどでした。その声援をバックにホームチームであるルイジアナ州立大が無敵艦隊・アラバマ大の牙城を崩せるか、もしくはアラバマ大が他の試合で見せてきたような大差をつけてその強さを見せつけるのか・・・。見逃せないゲームであること間違いなしです。

ジョージア大(6位)@ ケンタッキー大(9位)

現在CFPランキングトップ10には上に挙げたアラバマ大とルイジアナ州立大、そしてこのジョージア大とケンタッキー大の4チームがSEC出身ということになっています。SECのレベルの高さを証明する事実となっていますが、このジョージア大とケンタッキー大の試合はCFPレースは当然ながらSEC東地区の優勝チームを決めるという意味で重要なゲームであります。

簡単に言えば勝ったほうが東地区代表としてSECタイトルゲームに進出することが決まるのです。ジョージア大が勝てば2年連続、そしてもしケンタッキー大が勝てばフットボール部史上初の偉業達成となります。

全体の力関係を見ればジョージア大が断然有利だといえるでしょう。しかしケンタッキー大にチャンスがないわけではありません。ジョージア大のランディフェンスは比較的弱いと考えられており、機動系QBテリー・ウィルソン(Terry Wilson)、そして今年のセンセーショナルRBベニー・スネル(Benny Snell)の力をすればある程度ジョージア大ディフェンスに切り込むことは可能でしょう。そして今年のケンタッキー大の快進撃を支えるディフェンス陣は本物。もしルイジアナ州立大がジョージア大を倒したときのようにQBジェイク・フローム(Jake Fromm)を追い詰めることが出来れば僅差の試合に持ち込めるかもしれません。

またこの試合はケンタッキー大のホームゲームでもあります。彼らのスタジアムは5万人程度しか動員可能ではありませんが、これまで男子バスケ部の大学としてしか知られていなかったケンタッキー大でここまでフットボール部が活躍してるとなれば街をあげて彼らを応援するために多くの人がスタジアムに足を運ぶでしょう。おそらくケンタッキー大フットボール部史上最大級のゲームとなりそうなこの試合、ぜひアラバマ大とルイジアナ州立大の試合とともに注目してみてください。

ペンシルバニア州立大(14位)@ ミシガン大(5位)

今シーズンが始まる前、CFP進出候補と見られていたペンシルバニア州立大のスケジュールを見た時このミシガン大戦は彼らにとって難なく白星を飾れる試合だと思われていました。しかしシーズンが開幕するとペンシルバニア州立大はすでに2敗を喫し実質CFPレースから脱落。一方のミシガン大は所詮のノートルダム大に敗れるもののその後7連勝。全米5位という好位置でホームにペンシルバニア州立大を迎えるということで、開幕前とは立場が完全にひっくり返ってしまいました。

ミシガン大は開幕前から評価の高かったディフェンス陣がその力を十分に発揮して対戦相手を圧倒してきました。その圧倒度といったら対戦する度にその相手のシーズン平均オフェンスヤードを200ヤードも下回る数字に押さえ込んでいることからも明らか。そこに元5つ星QBでミシシッピ大からの転校生QBシェイ・パターソン(Shea Patterson)の特徴を活かしたジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督の采配が功を奏し、まだ数試合残した状況とは言えCFPランキングのトップ4チームを脅かすまでに力をつけてきました。

ペンシルバニア州立大はQBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)を中心としたチームですが、やはり昨年までのスターRBサクオン・バークレー(Saquon Barkley、現ニューヨークジャイアンツ)の抜けた穴は大きく、2敗してしまったこともあり残りのシーズンの目標を失ってしまった感があります。

ミシガン大のホームゲームということもあり彼らが8勝目を上げ、プレーオフへの戦歴にさらなる磨きをかけることになるでしょう。

ウエストバージニア大(13位)@ テキサス大(17位)

Big 12カンファレンス出身チームでCFPランキングで最上位なのは7位のオクラホマ大ですが、13位のウエストバージニア大にもプレーオフ進出の可能性は残されています。現在1敗のウエストバージニア大は今週末のテキサス大、最終戦のオクラホマ大、そしてカンファレンスタイトルゲームに出場することになればおそらくオクラホマ大との再戦が待っています。これをすべて退けることが出来れば自ずと彼らもプレーオフ進出へ向けて大いなるプレッシャーをかけることが出来ます。

しかしそれにはまず今週末のテキサス大戦をしっかりと勝たなければなりませんがそれは簡単なことではありません。テキサス大は先週オクラホマ州立大とのシュートアウトに惜敗し2敗目を喫してしまったため、カンファレンスタイトルレースで一歩後退。CFPレースにおいては脱落したと見てまず間違いないでしょうが、彼らにはまだカンファレンスチャンピオンへの道は残されています。

ウエストバージニア大にはハイズマントロフィー候補QBウィル・グリアー(Will Grier)が健在。唯一の敗戦となったアイオワ州立大戦では別人のように不振に陥りましたが、前試合のベイラー大戦では353ヤードに3TDと復活。彼のシャープなパフォーマンスがこのテキサス大戦でも期待されます。テキサス大QBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)は肩に怪我を負いながらオクラホマ州立大戦を迎えましたが、この試合では敗戦はしたものの彼のプレー自体はまずまずでした。しかしグリアーは1試合平均でエリンガーよりも100ヤード近く多くパスを投げており、パサーとしての能力はグリアーに軍配が上がりそうです。

注目はウエストバージニア大のディフェンス。オフェンスばかりが注目されるBig 12カンファレンスにおいてウエストバージニア大のディフェンスは秀でています。カンファレンス内でウエストバージニア大のランディフェンス、パスディフェンスは共に2位。このディフェンスはエリンガーにとっては脅威です。エリンガーはここまでホームゲームでINTパスを記録していませんが、ウエストバージニア大のDB陣はここまで10試合で7つのパスをINTしています。

Big 12カンファレンスタイトルレースで生き残るためにお互い負けられない試合となります。

ノートルダム大(4位)@ ノースウエスタン大

現在無敗で全米4位のノートルダム大は今週末ノースウエスタン大と対戦しますが、このノースウエスタン大は油断していると足元をすくわれる相手です。

ノースウエスタン大はシーズン序盤にブリガムヤング大とアクロン大に敗れて早々に2敗目を喫し早い段階で彼らのシーズンは終わったと思われていました。しかしここまでパデュー大、ミシガン州立大、ネブラスカ大、ウィスコンシン大に勝利し、現在5位のミシガン大戦でも最後の最後までリードする展開で惜敗するなど今非常に波に乗っているチームです。

そのノースウエスタン大を支えるのはディフェンス陣。特にパスディフェンスはBig Tenカンファレンス内でもトップレベルでここまで1試合平均1.1TDしか許していません。これはノートルダム大QBイアン・ブック(Ian Book)にとってはチャレンジとなるでしょう。また相手に許したファーストダウンの数もカンファレンス内で4位と秀逸。これも強力なディフェンス力の証です。

今季未だ無敗のチームは4チームしかいませんが、その一角をなすノートルダム大は今シーズンのカレッジフットボール界でも非常に輝いている存在です。また今後の彼らのスケジュールを見ればこのまま無敗を守ってプレーオフ進出の可能性は非常に高いのも事実。しかしだからこそこのノースウエスタン大戦がトラップゲームとなるような気がするのです。

ノートルダム大の最大の壁・・・それはこのノースウエスタン大かもしれません。

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